【遠征】ウチダザリガニを捕まえに福島へ行ってきた

2022年8月4日川・池ウチダザリガニ,季節【夏】


ウチダザリガニ

北日本でウチダザリガニという、大きく食い出のある外来ザリガニが繁殖しているという。

北海道にてレイクロブスターなる名前で売出し中!
実はフランス料理でエクルビスという名で扱われる有名な食材!?

これは、とって食べねばなるまい!

ウチダザリガニをとりにいく

調べてみると、北海道までいかずとも長野や福島で繁殖しているとのこと。

国立環境研究所 侵入生物データベース より引用、ウチダザリガニの分布図

特に福島の裏磐梯では小野川湖や「世界ザリ1グランプリ」なるウチダザリガニ釣りのイベントも開かれているそうな(これはこれで興味あり)

よし、ならばいっちょいってやろう!

というわけで福島は裏磐梯へやってきました。

裏磐梯の湖

さっそく、岩をひっくり返したり、網でガサガサして探すと、早速発見。

水面

岩の裏に隠れたウチダザリガニを…

えいや!

と手づかみで捕獲

ウチダザリガニにはさまれた!

ギャーーーーーッ!!

はさまれたっ!

つかむときはハサミにご注意を。ガッツリ挟んできます!(痛いです)

ウチダザリガニ捕獲

しかし実際に手に持ってみますと、美味しそうな食材というよりも美しさ

いやカッコよさが際立ちますね!

アメザリと比べて腕がゴツく、相対的に細いボディとアンバランスで実にクール。

ウチダザリガニ
まぁ、食べちゃうのですが…(がっくりのポーズ)

ある程度見回ってみるとわかったのですが、ちょっと探せば見つかるような魚影の濃い場所と、探しても全く見られない場所がくっきりとわかれている。

なんとなくですが、水草のない砂地で岩がゴロゴロしている場所が生息率が高いイメージ。

ウチダザリガニが水草を食べ尽くしてしまうからでしょうか?

ウチダザリガニのいる猪苗代の湖

だとすると、とんでもない環境への影響です。

美味しくいただける食材がいるのは嬉しい事ですが、この実態を見ると素直には喜んでもいられません。

さすれば、少しでも捕獲圧をかけるために、とって食べるしか!!

さて、とったウチダザリガニを持って帰るのですが、こいつは外来生物法にて生きたままの移動が禁じられております。現地で殺さなければなりません。

当然、泥抜きも出来ません。
なので、泥の詰まった内蔵をとってしまうのと、〆るのとを合わせて、現地で腸抜きをやっていきます。

まず、尻尾の三つのヒレのうち中央のものを折ります。

ウチダザリガニの内蔵とり1

パキッ音がしたら、折ったヒレを引っ張ります。

ウチダザリガニの内蔵とり2

ズルン♪と気持ちよく腸が抜けたら完了。次第に弱り死んでしまいます。ザリガニには申し訳ないのですが、必ず何かしらの方法で現地で殺さなければなりません。

腸を抜いたらクーラーボックスと氷で保存し、新鮮なうちに調理場へ運びます。

現地で殺した場合、急速に肉の劣化が進みますので、なるべく急いで運びましょう。
もし近くに調理場が無い場合は、現地湯でがおすすめです。

とったウチダザリガニを食べます

まとまった数をとってきました。

こちらを鮮度が良いうちに茹でていきます。

ウチダザリガニの料理

赤くなるものと、ならないものがいます。

個体の問題?もしくは鮮度?

茹でたウチダザリガニ

綺麗に赤く染まったもの。美味しそうな色合いです。

ウチダザリガニのカラを割る

では早速、割って中身をいただきます。

ウチダザリガニの身

ぱくり、

尻尾はエビのような味でプリプリして美味しいです。

ちょっと食べごたえは物足りないですが、いたって普通。アリです。

次はウチダザリガニ特有の大きなツメ

ウチダザリガニの身

んんむ…エビというより、どちらかというとカニに近い。旨味と甘みが濃く、弾力もじゅうぶんで美味しい。こちっちのほうが美味しいですね。小さいけど。

さて、ザリガニといえば身をいただいて残ったカラ。こちらはスープにして残さず味わっていきましょう。

スープを取る前に胃袋を排除しておきます。泥抜きができない以上、必須。

ウチダザリガニの胃袋をとる

ザリガニの胃袋は口のすぐ下にあります。
頭の殻をもぎとり、箸でつまんで除去します。

胃袋をとったら、砕いて潰して鍋で煮ていきます。

ウチダザリガニのスープを作る

黄金色のスープ!いい香りです。

ウチダザリガニのスープを作る

ズズッとすすると、口の中で旨味がエビぞり!シュバシュバッとはじけて抜群にうまい!

殻こそメイン食材なのではないでしょうか。

ウチダザリガニのスープを作る

アメリケーヌソースに習ってトマトを足し、リゾット風にしてみました。

これも美味しい。

ごちそうさまです!

まとめ

ウチダザリガニはツメはカニ味でボディや頭は不思議とエビ系という、一粒で二度美味しい的なステキ食材でした。野生食材としてはこれ以上ないほどのポテンシャルを持っており、大いにアリな食材と言えるでしょう。

ただし、繁殖地では大きな環境の変化があるように思えます。生きたままの移動、ましてや放流は絶対に避けなければなりません。カッコいい生き物ではありますが、残念ながら殺し、そして食べるべきです。

今年の夏はキャンプついでにザリガニ取りは如何でしょう。東京から行くにはちょいと距離がありますが、裏磐梯は湖畔の避暑地として快適な場所ですよ!

ウチダザリガニ

エビ目ザリガニ科。北米大陸原産で英名はシグナルクレイフィッシュ。環境省指定特定外来生物に指定されている。ハイシーズンは夏季、冬~春にかけて地中で冬眠する。アメリカザリガニと同様にザリガニ釣りで採取できる。

【おまけ料理レシピ】ウチザリガニのアメリケーヌソース【材料】
・ウチダザリガニの殻 x10匹ぶん
・セロリ x1本
・タマネギ x1個
・ニンニク片 x2~3粒
・トマト缶400ml x1個
・オリーブオイル x大さじ1
・塩/コショウ x適量
・酒(なんでも、あればワイン) x適量【手順】
1.材料の下ごしらえ
ウチダザリガニは腸抜きと胃袋を除去を行って下さい。
※詳細は本文参照出しの出やすようにキッチンバサミで三等分くらいに軽くカットしておきます。
※フードプロセッサーがあれば粉々にしてしまうのも有効です。ニンニクはスライス、セロリ、タマネギ、はざっくり1cmくらいのみじん切りにしておきます。2.炒める
大きめのフライパンにオリーブオイルを入れニンニクを弱火で炒めます
ニンニクの香りがでてきたらウチダザリガニの殻を入れ中火で軽く火を通します
火が通ったら酒をいれてアルコールを飛ばして下さい
セロリとタマネギを入れて軽く炒めて油を馴染ませます

3.煮込み
フライパンにトマト缶をガッと入れます
塩コショウを入れて味を整え、蓋をして約10分弱火で煮込みましょう
セロリが箸で切れるくらいやわやわになれば十分です

4.濾す
ザルにあけてスリコギやしゃもじなどで濾します
ゴリゴリっと力をかけてカラと野菜から出汁を絞りだすのがコツ
スープを絞りきったら完成です

・パスタに!
茹でたパスタとウチダザリガニのアメリケーヌソースをあえてチーズをかけるだけ。残っていればむき身を散らしましょう。濃厚なエビの旨味がでていてたまりません。

・スープに!
好みの具材を入れて味を調整しスープにするのもアリです。お米を入れてチーズをかけリゾット風にすると高級料理のように。