クルミを拾いに台風一過の空の下

2022年3月29日木の実クルミ,季節【秋】


10月初旬、秋がふけ遅めの台風がやってきたならボーナスチャンス到来。

通り過ぎたあとは多摩川にクルミ拾いにいきましょう!

この時期、まるまるふとったクルミがたくさん落ちてるんだそうです。

クルミのお菓子大好きな私としては見逃せません!

クルミたっぷりの濃厚ブラウニー♪

クルミ拾いにいってきました

というわけで、ぶるるるんとバイクを走らせて多摩川へやってきました。

台風の翌日の本流は翌日でもまだまだ大荒れ、轟音と共に茶色の水が流れています。

めちゃくちゃ怖いです。こんな日に多摩川にやってくるのはクルミ拾いの人くらいでしょう…。

青空と濁流のコントラスト、怖いぞ気をつけて

想像以上の川の様子におっかなびっくりしつつも、クルミスポットへやってきました。

さっそくクルミの木の根本を探してみるとあっさり発見!

この緑色のがクルミの実。

この時期のクルミは熟れに熟れて柔らかくなっているのだそう。試しに踏んづけてみると、梅の実のような部分がぱりっと割れて中から硬いタネが顔をだしました。

このタネがいわゆる「クルミ」。これを綺麗に洗うとお店で売ってる茶色い木の実っぽいものになるんだそう。へええええ、あの茶色いナッツのまま木になっているものだばかり思っていました。

というわけで、手当たり次第に拾って踏んでいきます。

しかしこの実、草と同じ緑色をしてるもんだから見つけにくいこと。ついつい中腰になって探してしまいます(腰が…)

しかし沢山見つかると嬉しいですね~~~。なんだか宝さがしみたいで楽しくなってきましたよ!

場所によってはそこらじゅうクルミだらけ!

おっ、あっちも落ちてる。こっちにも。

ふふんふ~ん♪

沢山あつまったところで、よし、ふむぞー…

ゴッ!!

あいたー!!!

立ち上がった拍子に、枝に頭をぶつけてしまいました…。

犯人はこいつ

へへッ、バイクのメットが無かったら即死だったぜ…。

クルミは枝が低く張った木が多いので要注意。実の重さで下がってしまうのかもしれません。ぶつけたらトテモトテモ痛いので皆さんもお気をつけ下さい。

クルミは割るのが大変なんです

そんなこんなで幾つかの木を回って、ビニール袋2袋ぶんほど集めてみました。

持ち帰って洗ったものはこんな感じ。

楽しくなって沢山拾ってしまいました。

ちなみに、ふだん食べるヨーロッパの洋グルミとは異なる品種で、和グルミのうちオニグルミという種類です。小ぶりですが味は濃いのだそう。

和グルミのひとつオニグルミ、他にも多摩川にはヒメグルミなどが生えています

さて、クルミを食べるには割らなければならないのですが…

このオニグルミ、食べているクルミに比べ殻が固く割るのがたいへんだったりします。

名前のとおりオニのように硬く、いわゆるくるみ割り人形で割ろうとしたら逆に人形が粉砕されるほどの硬さ!

割るために万力を使った方の話によると、数個やったところで万力が折れてしまったんだそう(ヒエエエ)、まさにくるみ割り人形割りクルミ!

万力、こういうやつです

ではどうするかと言いますと、代表的な二つの取り出し方があるそうで、それぞれやってみました。

1.熱を加えて割る

フライパンで炒るもしくはオーブンで熱する
→熱を加えると隙間ができる
→そこにナイフを当てて二つに割る

というやりかたです。

まず熱するのですが、焦げないように火を通すのが難しい。このときはやや焦がしてしまいました。

熱が通ると、ビミョーな隙間ができるので、そこにナイフを入れ、えいやっ!と体重をかけてこじ開けます。

うまくいくとこんなふうにパックリ二つに、

ちなみにこの可食部はいわゆる種のなかの仁のぶぶん。わかりやすくいうと梅干しのタネの割ったら出てくるあの白っぽいやつ(分かりやすいのだろうか?)

割るとこんな感じ、殻に身がみっちり詰まっており、取り出すのも大変。鉄串などでほじって取り出します。

ではではお楽しみの味見タイム!塩をふって、ぱくっとな。

うーーーーん、ナッツの香ばしさはあるのだけれど、なんだか油っこい。どうもクルミの油分で揚げナッツになってしまっているようです。

集めてみました。お菓子用に使うことにします

状態のいいクルミの実をGETするにはどうしたものやら…?と悩んでいると、とある道具があれば生の和グルミを割ることもできると教えていただきました。

2.ナッツクラッカーを使う

テッテレレッテテーテテー!
マカデミアナッツ割り機~~~!!

世界一割れるクラッカー!

世界一硬いナッツと呼ばれるマカデミアナッツを割る道具。こいつなら凶悪な和グルミも割れちゃうんだそうです。

※ちなみにアマゾンで売ってました。

万力と同じでクルミを挟んでネジを回すタイプなのですが、トクベツ頑丈に作られています。

特徴的なのはネジの先っぽがピンのようになっているところ、この先端でカラをこじ開けるようです。

使い方は簡単。クルミを挟んで取っ手をクルクルっと回していくだけ。

クルクルミっと…パッキン♪と心地よい音をたてクルミが二つに割れました。おおおっ、これは快感!!

クルミのへそ(上部の凹み)にナッツクラッカーのピンを当てるのがコツのようです。

事前にドライバーやドリルでへそをえぐっておくと成功率があがるというテクニックを習得し、更に効率アップ。

楽しくなってきていっぱい空けてみました。慣れてきたらパカパカ空いて超気持ちいい!!フライパンで炒ってたときの苦労がウソのようです(笑)

そして、ナッツクラッカーを使った場合のメリットはなんといっても生の身がとれること。

今度は生で味見をしてみましょう、具合よくほじりだせた大ぶりの身をぱくっとな。

ギシッとした食感。噛みしめるとこってり濃厚な味がじわっと染み出します。加熱したものよりずっと美味しい。

クルミを料理する

さて、割ったクルミはそのまま食べても美味しいのですが、ひとてま加えるのがおすすめ。料理にしちゃえば形が悪いのもカバーされますしね。

こちらはクルミのクリームパスタ、牛乳と潰したクルミをあえてパスタに絡めてみました。ナッツの香りとミルクの旨味がマッチ。パリパリ食感も面白いです。

ナッツの味が濃いので、個人的にはお菓子がおすすめ。

こちらは冒頭のチョコブラウニー、たっぷりのクルミを練り込んで焼いてみました。濃厚なブラウニーにこれまた濃厚なナッツの風味が重なってたまらない美味しさ♪

クルミシーズンのあとに控えるクリスマスには、クルミ入りシュトーレンをご提案。洋酒のしっとり感とクルミのオイリーさが合わさり複雑な味わい。

しばらくクルミ料理が楽しめそう。幸せです!

まとめ

秋に豊富にとれる和グルミ。小ぶりですがたいへん味が濃くて美味しいです。

難点はとにかくとにかく割るのが大変。熱を加えたり専用の道具を使ったり…お気に入りの攻略方法を見つけるのも楽しみ方の一つ。クルミはわりとそこらにに生えてますので、ぜひ拾ってチャレンジしてみてはいかがでしょう。

クルミ(胡桃)

【採取場所】河原、山裾
【採取時期】10月~12月
クルミ科クルミ属、殻がゴツゴツしてるのはオニグルミ。ツルッとしているのはヒメグルミ。日本の山野に広く自生しており、多摩川以外でも多くの川っぺりに自生しています。夏には目立つ緑色の実をつけるのでこれを目印にして探すのがおすすめ。

クルミの葉と実、ブドウのように連なってなるのが特徴的

【おまけ料理レシピ】クルミ入り簡単ブラウニー

【材料】
・チョコレート x100g
・ホットケーキミックス x大さじ3
・バター x30g
・卵 x1個
・オニグルミ x5~10個

【作り方】

1.
オニグルミを割って取り出しておく。割り方はお好み、細かさもお好みで。

2.
ボウルにチョコレートを割り入れ、バターと一緒に湯銭でとかす。

3.
卵を溶き、ホットケーキミックスを加えよく混ぜる。

4.
オニグルミを加え軽く混ぜる。

5.
耐熱容器にクッキングペーパーを敷き3を流し込む。600wの電子レンジで2分30秒でチン。

6.
粗熱をとったら冷蔵庫で2時間冷やして完成。