東京でとって食べる生活

農地を荒らすアライグマをとって食べたらメッチャ美味しかった話

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夏に某所でアライグマ駆除のお手伝いをやっておりました。

そこでは様々な事を見たり、聞いたりし、大変ためになったのですが、その中でイチバンびっくりした事、

それはアライグマの生息数の多さ

日がのぼっている間は空き家をちらほら見かけるさびれた住宅街、

それが定点カメラで夜の景色を見てみると一変、びっくりするほどアライグマだらけなんです。

1匹2匹ではなく、カメラには多数の個体が我が物顔で徘徊している姿が映し出されていました。

何処にこれだけの個体が隠れていたのかと目を疑うほど。どうやら、アライグマは空き家に住みつき夜行性の暮らしを行い、昼間は滅多な事では出てこないそうです。

今や彼らは日本の北から南まで生息します。

アライグマの分布図、国立環境研究所 侵入生物データベース より

私を含めふだん生活している人間の目には映らないのですが、その影で今なおどんどん増え、農作物を食べてしまったり、在来種の環境に影響を与えてしまったりするとのこと。

さて、そんな活動を終えて迎えた今年の猟期、目標は「アライグマをとる」こと。

私ひとりの力で出来ることはわずかですが、せめて自分の周りだけでも実態を知り、出来ることをやってみたいという思いからはじめてみました。(単純に食肉に興味もありましたが…!)

そんなわけで、農場に通って足跡をさぐったり、

役所の方や畑の方と話をしたり
(協力的な方ばかりで非常に助かりました。有難う御座います)


罠を通販で買ったり
(ちなみに使用したのはこちら、折りたたみできて運搬や収納に便利)


保険屋さんに電話しまくったり
(罠が適用される保険を探すのは本当に大変でした)

ようやく罠を設置できたら、こんどは見回りして…見回りして…見回りして…見回りして…見回りして…見回りして…見回りして…見回りして…

捕まえたと思ったら錠前をあけて逃げられたり、罠を壊されたり
(罠に関してはいずれ別の記事でお話します)

色々なハードルを超え、ひと月あまり・・・

ついに捕獲に成功しました!

東京でアライグマをとった…と言いたいところですが、残念?ながら埼玉県産です。

とはいえ東京寄りの場所です。この様子だと、都内にも間違いなく相当な数のアライグマが生息しているでしょう。

アライグマは特定外来種というものに指定されており(詳細は日本の外来種対策参照)生きたまま生息地から運び出す事はできません。

ペットとして飼うことも通常は不可能、ましてや再び野に放ち農家の野菜を食わせるのは以ての他です。

非常に愛らしい生き物ではありますが、とったのであればせめて食べる。それが私にできることです。

〆は檻ごと水に沈め溺死させます。他の方法に比べ動物へのストレスが少なく、なにより状態のよい肉が手に入ります。その後、血抜き→モツ抜き→解体、と工程を行うのですが、お見せしずらいものばかりですのでこのあたりはすっ飛ばします。

※アライグマはアライグマ線虫やエキノコックスなどヒトが重篤な症状に陥ることのある寄生虫やその他病原菌の宿主になりえます。触れる際は手袋とマスクを着用し、内臓系などには直で肌に触れる事のないようにして下さい。

さて、こちらが精肉したアライグマのお肉、

部位はモモ肉、がっしりとした筋肉が美味しそうに見えます。

アライグマは木登りなど上下運動が得意なため腕も足も筋肉が発達しているようです。1メートル以上の段差を登坂しているような足跡も見かけました。とんでもないパワーです。

骨を外すとお肉屋さんで売ってるいわゆる「モモ肉」になります。こちらをさっそく料理していきましょう。

まずは素の味を確かめるためグリルで食べてみることにします。

臭くて食べられないと困るので、非常用のソースを二種類用意。バーベキュー風ソースと、タマネギしょうゆのステーキソースです。これがあればひとまず安心。

じゅわっ!

ニンニクをなすりつつじっくり焼いていきます。

じっくりと火を通し、焼けたのがコチラ、

切ってみると美しいレア具合♪

…いや、ちょっとまってください。
ファーストコンタクトの野生動物ですよ。最初はモウチョイ焼きましょう?

ということで追い焼きをし、カリッと仕上げてみました。

それではいざ実食、まずは塩だけで…ぱくり、

んっ美味しい!!

柔らかくプリプリとした肉質で、味は牛に近い独特の味わいです。僅かに羊系のクセがありますがほぼ気になりません。

苦労してとったから、とって減らしたいからお世辞を言ってる…なんてことはありません、本当に美味しいです。

食感が鳥モモ、味は牛とラムの中間といったところ。これはアリ、いやいや大当たり。塩コショウだけでぱくぱくいけちゃいます。がんばってソースを作って損しました。

さてさて、美味しいということが分かったので、ガッツリ焼いていきましょう。お次は原産地のアメリカ人にならってバーベキューにしてみます。

“How to Cook Raccoon”などのキーワードで現地流の食べ方を調べたのですが、バーベキューとシチューばかり出てきました(笑)流石はアメリカ人…!

スチームオーブンで250度の20分、10分で表裏を返します。野菜は事前に蒸してますので肉に火が通ればオッケー、

この間がもどかしい~

チーン♪焼けました!

うーんいいですね!アメリカンなGoodでGreatな香りが広がります。

当然おいしい。脂身が際立ってウマい、野生動物は脂にクセのあるものが多いのですが、このアライグマは別格、甘みがあり融点が低いのかさらっとしています。用意したソースとの相性もベリーワンダホー!

一緒に焼いたイモに脂をこすって食べるとこれもまたイイですね~

他にもアメリカンスタイルなシチューにしてみましたがこれもグッド。煮ると鶏肉感が際立ちます。デミグラスソースのビーフシチューでもいけますが、ミルクたっぷりのホワイトシチューも合う不思議食材。

他にもピラフ風など、様々な食べ方でアライグマを料理してみました。

結論、

アライグマは食べられる、加えてとても美味しい!
(少なくとも冬の農場のアライグマは)

ごちそうさまでした。


○まとめ

どうにかこうにかアライグマをとって食べる事に成功しました。そして念願のアライグマ肉は、想像していた以上に美味しいことがわかりました!とてもとても満足。これで今後も安心してアライグマの駆除をやっていけそうです。

全国の罠猟師の皆さん、また罠猟師を志している皆さん。アライグマは美味しいです。大事な事ですのでもう一度言います。アライグマは美味しいのです。彼らはいたるところに住んでいます、ぜひ農家の方と協力しアライグマを捕獲して食べてみて下さい。そうすると色々な人が幸せになるはず、繰り返します。是非食べてみて下さい。

■アライグマ
食肉目アライグマ科アライグマ属、タヌキに似ているが別種。タヌキはイヌに近くアライグマはクマに近い生き物。北アメリカ原産だが過去にペットとして日本に持ち込まれた。成長すると気性が荒くなる性質を嫌って逃されたり、手先の器用さから脱走した個体が野生化し日本で広く繁殖している。夜行性で雑食、野鳥や昆虫から農家の野菜まで何でも食べる。

【注意】
本種は鳥獣保護法により保護されております。とるには狩猟法にしたがう必要がありますのでご注意ください。

 

【おまけ料理レシピ】アライグマのシチュー

【材料】
アライグマのモモ肉 x1/2~1枚
タマネギ x大1個
ニンジン x大2本
じゃがいも x大3個

★味付け
シチュールー x1箱(ビーフでもホワイトでもOK、アメリカンスタイルならスタウトビールと香辛料で)
塩 x適量
コショウ x適量

【作り方】
1.
※アライグマの調理は衛生に最大限留意して行って下さい。
捕獲したアライグマは逆さで水に漬け30分以上の血抜きを行って下さい、これが味の最大の決め手になります。
解体および精肉を行い、モモ肉を切り出して下さい。

2.
モモ肉、にんじん、じゃがいもは一口大にカットします。
タマネギは細くきざむかみじん切りにして下さい。

3.
鍋に脂をしき(アライグマの脂でもOK)、タマネギを透き通るまで炒めます。
火が通ったらアライグマ肉とニンジンを入れ、塩を軽くふり、焦げ目がつくまで炒めます。

4.
水を入れ沸騰させます。
沸騰したら弱火にしジャガイモを入れます。
※ここで入れずにレンジで蒸しイモにしておき5の後に入れると煮崩れしません、オススメ

5.
イモに箸が通る柔らかさになったら、シチュールーを入れよくて溶かし、最後に塩で味を整え完成。

 

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