スズメをとって食べて巨人のきもち

2022年3月12日★狩猟,スズメ,季節【冬】


狩猟鳥獣のうち最も小さい鳥、スズメ

日本の食文化で昔から食べられていた鳥です。

子供のころ、親と初めていった焼き鳥屋で食べさせて貰った覚えがあるのですが、それはそれはとても美味しい食べ物だったというおぼろげな記憶。

それからずっとお店に入ってはメニューで探しているのですが、中々スズメをだしてくれる焼き鳥屋さんはなく、いつか猟師になって自分でとれたらまた食べたいなあ~と心のどこかで期待していました。

スズメを食べたい

ところがいざ猟師になって、スズメをとろうとしてみると、ナカナカとるのはしんどいのです。

とにかく、とにかく小さすぎて弾があたらない!

どれくらい当たらないかといいますと、鉄砲屋さんがデモンストレーションとしてススキにとまっている数十羽のスズメの群れに散弾銃(400発散らばるヤツ)を打ち込んだ事があるのですが

こんなカンジのヤブにどーん!

なんと、一発も当たらず。ススキを穴だらけにしただけで終わってしまいました!

小さい上に俊敏かつ警戒心が高く、非常にとるのが難しい鳥のようです。

それで初シーズンはノンスズメで終わってしまったのですが、

ニシーズン目にて、
腕があがったのか?ついにスズメをゲット!

スズメ、ふれてみると本当に小さい

ニ射目でまさかのヒット。こんなにあっさり当たるとは思っていませんでした。さっそく、持ちかえって料理していきましょう。

スズメを食べてみる

スズメは皮をはいで食べるそう。

楽でいいですね、カラスをやったときと同じようにメリメリとむいていきましょう。

メリメリメリッ

むけました。
皮がない鳥というのはちょっぴりグロテスク。

しかしこれがよくよく見てみると、小さいながらもきちんと鳥のお肉です。

モモ肉を手にとってみました。どうでしょう?

きちんとモモ肉の形をしているので、逆に自分の手がメッチャ大きくなったかのよう。

比較対象に一味のビンをおいてみました。一升瓶じゃないですよ!
サイズ感が伝わるでしょうか。

こちらはスズメの胸肉

立派ですが、うーーーんやっぱり小さい、ビンが巨人の持ち物に見えてきました。

スズメの手羽先

「スズメの涙」という慣用句がありますが、本当にみみっちい単位なんだなーと納得。

スズメのスナギモ。スズギモ。

巨人のビンが転がってきたぞ~~~~ごろごろごろ!

ちなみに小さくてもちゃんとスナギモです。中身はお米の消化物のようなものがミッチリ詰まっていました。

さて、ひとしきり巨人の気持ちを味わったところで、調理していきます。

有名な伏見稲荷のスズメ焼きは炭火でじっくりやるみたいですが、今回はシンプルに油で揚げてみます。

じゅわわわわ~~~

カリッカリに挙がったところで、しょうゆ+みりん+さとう、で作ったタレに絡めます。

できあがりました!

香ばしくてイイ香りがします。

居酒屋メニューということで、日本酒と合わせていただきます!

ぱくりボリボリボリ。

しっかり揚げたおかげで、骨ごとバリバリッと食べられます。レバー臭さはほとんどありません。骨ごと食べてるせいか味も濃い気がしますね。

噛みしめるとお肉の味がじわっと滲み出ます。これは美味しい。

とりわけ美味しかったのは、頭蓋骨におさまってる脳みそ。鳥のをいただいたのは初めてなのですが、パキッと頭蓋骨を砕いてほおばると、これがフォワグラやレバーのようにトロッと甘くて美味しい。

ごちそうさまです。
クチバシ以外ぜんぶいけました!


○まとめ

スズメは小さいですがちゃんと美味しいですし、料理していると巨人の気持ちになれてオトクな鳥でした。子供の頃からの悲願を一つ達成、舌の記憶は正しかったんだなと懐かしい気持ちになれました。

しかし小さすぎて鉄砲でとるのは大変です。いずれ網猟にチャレンジし、まった数をとって食べてみたいものです。

■スズメ
スズメ目スズメ科スズメ属。伝統的な雀猟では網を使ってとります。昔は寝床を取り囲む「地獄網」でとっていたそうですが現在は禁止。いまはオトリの雀を使っておびき寄せ「無双網」というカゴトラップのオバケみたいなものでとる事が多い。

【注意】
本種は鳥獣保護法により保護されております。とるには狩猟法にしたがう必要がありますのでご注意ください。

書籍紹介

ンガで入りやすい狩猟の世界。オススメの本です。

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【おまけ料理レシピ】雀のカリカリ焼き

【材料】
スズメ x1羽~
油 x適量
▼たれ
しょうゆ x適量
みりん x適量
砂糖 x適量

【作り方】
1.
スズメは羽をむしらず皮をむきましょう、軽くナイフを入れそこから優しくメリメリっと剥いで、頭から尻尾まで丸裸にします。勢いよくやると手足がもげてしまうので注意。

2.
綺麗にむけたら内蔵をだし軽く洗っておきます、ハツ・レバー・砂肝は中身をあけ丁寧に洗って一緒に調理しましょう。
骨の感覚が苦手な場合は、身を包丁の背で叩いて骨を折っておくのがオススメ。

3.
スズメを180度の油で丸揚げにします。骨ごと食べられるように、パチパチと空気の音が変わるまでしっかり火を通してください。

4.
別の鍋にしょうゆ・みりん・砂糖をお好みの分量であけて(わからなければ1-1-1で)軽く煮詰めます。とろみがついてきたら揚がったスズメを入れさっとタレをからめて完成です。