セミとりゼミ!とる三つのコツとうまいセミ料理【昆虫注意】

2022年3月29日昆虫セミ,季節【夏】


とってきたセミで、エビチリならぬセミチリを作りました。

勿論、うまい。

昆虫のなかで比較的とりやすく、それでいて料理しやすく、初心者にとっつきやすいセミ。

今回はそんなセミを紹介させてください。

セミをとりにいってきた

8月の頭のころ、セミをとりにいにってきました。

今回は友人たちと都内の某公園で採種会、

ご存知の方も多いとは思いますが、セミの生涯は卵に始まり、生まれた幼虫は木の根にとりつき樹液を吸って育ちます。

数年間を土の中で過ごしておおきく育つと、成虫になるために地上に出てきます。地上にでたセミは樹上で羽化をし成虫となり交尾・産卵ののち散ってゆく…

そんな生涯をおくるセミなのですが、ベトナムなど東南アジアでは一般的に食べられる人気な食材のひとつ。

ツクツクボウシの成虫、グリーンに縁取られたボディがイカす

食べごろはズバリ幼虫のころ。

木の汁しか口にしていないセミの幼虫は雑味がなく、身が詰まっておりとても美味しいのです。

セミの幼虫、カマみたいなおててが食い込んでちょっと痛い

加えて寄生虫や病原菌に汚染された心配も少なく、汚物もつかず清潔!
なんと優秀な食材なのでしょうか。

しかし、

幼虫は土の中にいるんでしょ?
どうやって捕まえるの?

と思われる方も多いでしょう。

そのとおり、セミの幼虫は土の中で育ちます。
見つけることもできなければ、掘り返すのもしんどい。

ではどうするか?
成虫になるために出てきたタイミングを狙ってとるのです。

セミとりゼミ ~幼虫をとって食べるコツ~

セミの幼虫を捕まえるコツは三つあります。

1.木のたくさん生えた場所にいくこと

まず、セミの幼虫は木の根にとりついています。

それはつまり、

とりつく木が多ければ多いほどセミの数が多い。

ということ。

すみません、なんだか当たり前の事をエラそうに言ってしまいました…。

しかし木が多い場所とはいえ、山奥にいく必要はありません。逆に木以外の植物が多いと幼虫を探しづらくなってしまいます。

まばらに木が生えて、ほどよく地面が露出している、その辺の都市公園でじゅうぶんです。昼間にセミが鳴いている場所であれば間違いなく住んでいるでしょう。

2.木をよく観察すること

次に、セミはどんな木にでもいるわけではありません。

セミにも好きな木や嫌いな木があり、好きな木の近くには沢山のセミが住んでいるのです。

見分け方としては、

・木の近くにセミのあけた穴があいているか?
・木やその近くに抜け殻はないか?

などをチェックします。

穴は木の根元まわり、抜け殻はセミの種類にもよりますが目線よりちょいうえ

身近なものであれば例えば桜の木など、

種類や土地柄によって好みに差がでてくるので、よく観察して探してみましょう。

セミの成る木を明るいうちに見つけておくとセミ探しがはかどりますよ!

ニイニイゼミの好きな木の周りには、この通りニイニイ殻だらけ
3.幼虫に出てくる時間に探す

さて最後は時間、セミの幼虫には時合があるのです。

ご存知だとは思いますが、セミの羽化は夜に観察できます。

無防備な羽化のタイミングを天敵に見つからずに終えるためなのでしょう。幼虫は暗くなったら穴からでてきて木に登り、明るくなるまでに羽化を終えて飛び立ってしまいます。

夜の東京は明るいとはいえ、夜の公園はまあ暗い

具体的には、都内であれば19時~22時くらいでしょうか。お寝坊さんなセミがもう少し遅い時間にでてくる事もありますが、だいたいこれくらいの時間によく見かけます。

19~20時頃は木の根本に多く、20~21時やそれ以降は、もう木に登りきっていたり、羽化を始めている事が多いです。

羽化しきったセミ、神秘的。22時頃観察

昆虫採取、セミとかセミじゃないやつら

さて、とっぷり暗くなってきたところで、我々も昼間にチェックした場所を回っていきます。

ちなみにダメな大人たちは時合まで公園でお酒を酌み交わしていました。ウェーイ

木の根本から上のあたりをくまなくチェック。

セミさーん、いませんかー?

声をかけても帰ってくるのは成虫の鳴き声ばかり、
幼虫に会いたいのに…。

明かりはセミの幼虫取りに必須アイテム

などと探していると、さっそくセミの幼虫を発見!

20時くらい、同じ木で立て続けに二匹をゲット

夜の公園は予想以上に昆虫が多く、

虫いたー!!

とすぐ見つかるのですが

ゴキ、森ゴキは清潔なせいか可愛く見える不思議

ちがーーーーーう!ゴキじゃん!!

でもまたすぐに、

また虫いたぞー!

カメムシ。お取り込み中、すみませんでした

こっちも、ちがーーーーーーう!!!

なんならお取り込み中だし…

のんびりとセミだったり違う虫だったりの昆虫採集、

カマキリはカッコイイのでお目当てじゃなくても嬉しい

セミじゃない虫はその場でリリース、さよならバイバイ。

そんなこんなやりつつ、メインターゲットのセミもちゃんと捕獲。

羽化はじまったばかりのセミ、通称ソフトシェルセミもゲット。幼虫とまた違った食味でこちらも美味しいのです。

ちなみに、この日とった中でもっともデカかったセミはといいますと、

なんとこちら、

夏のゼミ。

やっぱり、ちがーーーーーーう!!!!

虫ですらない、
すみませんでした。

さて、終電前にきりあげ、みんなでとったセミをカウント、

分配します。

今回は16匹のセミを捕獲しました。

のんびりお酒を飲みながらやっていましたが、本気を出せばもうちょっととれたかも。

セミ取りは簡単なのです。

とったセミを食べます

ではでは、とったセミを料理していきましょう。

その日のうちに調理してしまいます。

セミは新鮮なうちに調理するのがおすすめ、

ナゼかと言いますと、羽化しはじめたものはほうっておくと外皮が固くなってしまいますし、幼虫も弱って中身がスカスカになってきます。

まずはとったセミを水でざっと洗いまして

さっと塩ゆで

下茹でをするのは触感を保つため。もし長期保存をする場合、下茹でをしてから冷凍するのがおすすめです。

ちなみに、セミは茹でるだけでもうまい。

塩をふってちょっとしたオツマミに。のような風味をしていて、不思議と食べ慣れた味がします。

温セミ、ちょっと殻が硬いのが難点

さて、今回は下茹でしたセミを片栗粉をまぶして揚げていきます。ちなみに下茹でせずに揚げるとはじけて味が悪くなるのでオススメしません。

じゅわっ、と180度でさっと揚げ、

揚げすぎると破裂したり水気がとびすぎて触感が悪くなるので、さっと揚げてしまいます。

揚がったら皿にとりあげて、

中華風のチリソースとあえちゃいます。

トロミがつくまでさっと炒めたら…

完成!!

凝視すると目があうので要チュウ意

エビチリならぬ、セミのチリソース

味は…

もちろん美味しい♪

食感をプリッとさせるのが難しくて、どうしてもシャクッという歯ごたえになってしまうのですが、ソースの味がしみたセミはジューシーでおおいにアリ!

味も中華とマッチしており、ご飯が何杯でも食べられそう。

ちょっぴり外殻の食感が気になりますが、殻つきエビチリが好きな方にはおすすめできる一品です。

ごちそうさまでした!

まとめ

セミはコツさえおさえれば簡単にとれ、てなおかつ美味しい食材です。

夏が旬(というか夏しかでてこない)な季節の食べ物。虫はちょっと…と抵抗感のある方にも食べやすく、おすすめできる一品。

なにかと話題になりがちな未来の昆虫食に向けて…サバイバルの練習に向けて…、まずはセミから。いかがでしょう?

セミ(蝉・蟬)

【採取場所】木の近く、セミごとに好みが違う
【採取時期】7月~8月(幼虫)
カメムシ目セミ上科、多数の種類が存在し東京には、ミンミンゼミ、アブラゼミ、ニイニイゼミ、ツクツクボウシ、などが生息する。卵→幼虫→成虫の不完全変態、幼虫も成虫も共通して樹液を摂取する。幼虫は7月下旬~8月いっぱいくらいがとりごろ。晴れた日の夕暮れに採取する。

【おまけ料理レシピ】セミチリ

【材料】
セミ幼虫もしくは孵化直後個体 x10
玉ねぎ x中半分
ネギ x青い部分1本
片栗粉 x適量
揚げ油 x適量

ケチャップ x大さじ2
ニンニク x適量(チューブ可)
ショウガ x適量(チューブ可)
酢 x大さじ1
しょうゆ x大さじ1
ごま油 x大さじ1

【作り方】
1.
セミはよく洗い、沸騰させたお湯にくぐらせ下茹でをします。
ニンニクとショウガは細かいみじん切り、玉ねぎとネギの青いぶぶんは荒いみじん切りにしておきます。

2.
セミに片栗粉をまぶし、揚げ油でさっと揚げます。揚がったらセミはそのまま塩ふって食べても美味しい。つまみぐいぜひOK。

3.
フライパンにニンニクとショウガとごま油を火にかけ、香りがでてきたら玉ねぎを入れ、透き通るまで火を通す。

4.
玉ねぎに火が通ったら、ケチャップと醤油と酢を入れよく混ぜ合わせ、2のセミとネギの青いぶぶんを入れ、トロみがついてきたら完成です。