スナモグリを東京湾でほって食べてみた。美味しいのか?

スナモグリ


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スナモグリという生き物がいるのを知ったのはなんかフェイスブックで流れてくるショート動画、海外の動画なんですがヤビーポンプと呼ばれる道具を使って砂の中のエビ??を捕まえてるんですよね。

ヤビーポンプ
ヤビーポンプ(yabby  pump = ザリガニポンプ という意味らしい)

そのエビが気持ちいいくらいぽんぽんとれている。

「いいなあ!あれやりたい。日本にはいないのかな?」って調べたところいるらしい。ニホンスナモグリという名前の近縁種が東京湾にもいらっしゃる。

めっちゃ気になるやりたい!というわけで今回はそんなスナモグリをひっこぬいて食べてみた話ですよ。

スナモグリってどんな生き物?

これがスナモグリ。正確にはニホンスナモグリと呼ばれる種。

ニホンスナモグリ
ニホンスナモグリ

砂泥地を好む甲殻類であり、地中に穴を掘って暮らしています。見た目はうすら白いシャコみたいな感じなのですが、殻が非常に薄く内臓が透けて見えるほど。

薄いだけでなくて、なんか柔らかくぷにぷにしてるんですよね。恐らく穴の中で狭いところに入ったり潰されないようにするための適応なんでしょう。

目はほとんど退化しています。ほぼドット。点です。つぶらでかわいい。ハサミが大きいのがオス。小さいのがメスとのこと。こんな紙装甲でバトル適正なさそうなのに、なんでかたっぽのハサミがでかいんでしょうね?

ニホンスナモグリ
ニホンスナモグリのオス。バズーカみたいな手のデカさ!

水が引いているときはまず地上に出てくることなく、かつ巣穴が深いため貝掘りもでてこない。なもんで人目につくことは稀。その見る機会の少なさと透き通った白さから”砂浜の妖精"と呼んで差し支えないほどの可愛さなのでは。

ニホンスナモグリ

今まで見たことなかったのでたいへん興味深い生き物です。なお穴を深く掘ると出てくるそうですが、労力が合わないので狙ってとられることは殆どありません。

ちなみに夜は出歩くのか?以前に富山湾で夜に網をふったときは、けっこうとれました。

スナモグリの一種
富山湾のスナモグリの一種。

スナモグリことボケジャコは釣り人憧れのエビ?

そんなスナモグリをとるために発注したヤビーポンプ。Amazonとかで「エビポンプ」という名前で売ってました。

輸入物。中国とか大陸側だとメジャーなツールらしい。エビポンプという名前で売られてることも多いです。

【参考】Amazon
【参考】Amazon

んでこれをもってやってきたのは東京湾のとある干潟、

海岸

干潮の二時間前くらいに到着したので周囲を偵察していると

「それ、ボケとるやつか。」

…と、地元の釣り人らに声をかけられました。

「ボケ…………とる?」

(早朝だけどそんなに寝ぼけてみえるかな!?)

と話を聞くと、どうやらボケとはスナモグリのことで、持ってきたヤビーポンプが気になるらしい。

クロダイ釣りに使う"ボケジャコ"という高級餌がスナモグリであり、クロダイ釣りでは最高の品。このポンプがあればそれがとれるんだそうな。んで釣り仲間に持ってる人がいて羨ましがられているとのこと、へええ。

キチヌをさばく
クロダイ(キチヌ)

なんなら"自作しようとしてうまくいかなかった"そうで、私のを見せると釣り師仲間たちが集まってきて興味津々。

「なるほど、ここがこうなっとるんか…」

「やっぱゴムが大事なんじゃな…」

などとリバースエンジニアリングしはじめました。しまいには「帰りに5000円で売ってくれ!」なんて言われたりも!?大人気じゃん。ヤビーポンプっ!

スナモグリのとりかたとコツ&ヤビーポンプの使い方

さて、釣り人の皆さんから情報を仕入れていると潮がひいてきました。地元の方々がざぶざぶと海に入っていきます。たくましいなあ。

私も砂地に降りていざポンプチャレンジ、

ヤビーポンプ

「さて、これどうやって使うんだろう?」

動画でやってたのは地面につきたてて、ひっこぬくと砂が抜ける感じでした。思い出して地面につきたてて引っ張ってみます。

ずずず…

ずぼっ、ぶべっ!

ヤビーポンプ

うん。砂はひっこぬけていません。無です。

難しいことが分かってきました。

何度か試行錯誤すると、しっかり奥まで地面につきたてたあと、ハンドルを砂と同期させるかんじで抑えつつ抜いていくと綺麗に砂が抜けるようです。おさえる力は強くても弱すぎてもだめ。

ポンプで排出した砂

コツがわかるとズボズボできるようになってきました。

地元の釣り人がいうには「富士山みたいにちょっともりあがった穴にボケはおる」とのこと、

スナモグリの穴

そういう穴を見つけては引っこ抜いていきます。ずぼずぼ!

ヤビーポンプでほった穴

引っこ抜いた砂を確認するのですが、ボケジャコはいません。あれー?

ポンプでほった砂

十数か所に穴をあけたのですが、さっぱりいない。

「思っていたよりむつかしいんだな…」

と、とぼとぼしてると

さっきあけた穴の中にオレンジ色の物体を発見。

ヤビーポンプでほった穴

ひろってみると

ああっ!?

ボケジャコこと、スナモグリではないですか!!

ニホンスナモグリ

どういうことだ?

他の穴も見てみると、複数の個体を確認。

ニホンスナモグリ

どうやらスナモグリはポンプしたあと時間差で出てくる…?

繰り返しやってると分かってきた気がします。まずスナモグリの巣はまっすぐ下に降りているわけではなく、横にカーブしているのではなかろうか?(調べたら実際にL字型にカーブしたあと、更に枝分かれしているんだそうです)

①スナモグリの巣のイメージ

②そこにポンプを突っ込んで穴をあけると

③穴の奥にいたスナモグリが空けた穴に水と一緒に排出される

④なので時間差で穴に出てくる

…ってことなんでしょうきっと。

なんなら、時間をおいて穴が崩れた後、もう一回ポンプすると効果的みたいです。

そんなこんなで、数十匹のボケジャコを確保しました。やったぜ。

とったスナモグリ

そのあと帰り支度をしていると先ほどの釣り師がですね

「ボケとれたか!?」

ってやってきてですね~

「とれとるな。よし!ポンプを5000円で売ってくれ!なんならボケもちょっとくれ。」

ちゃりーんと売れました。

初使用で旅立っていくポンプ、いってらっしゃい。地域貢献ってことで。みんなのクロダイ釣りの役に立つんだよ。私は新しいの買おう。

スナモグリを食べてみる

そんなこんなで持ち帰ってきたスナモグリたち。まだ生きてます。名残惜しいですが飼えるものでもないので、てきぱきと食べていきましょう。

殻をむいたりはできないでしょうから。シンプルに丸揚げ、天ぷらでいってみましょうか。

なんなら最初っからソフトシェルシュリンプですからね。これ以上に揚げるのに向いてる食材はなかろう。ソフトシェル料理作り放題!!

衣をつけて、

じゅううううううう。ぱちぱちぱち。

うんうん。いい感じなのでは?

味見をしてみましょう。いただきまーす!

もぐ。

もっふもっふ。

なるほどほフムフム。食感が独特…というかほぼないです。

車エビとかの弾力がある"プリっ!"ではなく、テナガエビみたいな殻の"ガリっ!"でもない。もふっ!ときます。アナゴの天ぷら、みたいな感覚?

味もクセとかがなく、やんわりとした甲殻類の風味。全体的に"ぼけた"感じ、それでボケジャコと言うのかもしれない。

とはいえ臭み・苦みみたいな嫌な感じはしないのでマズくはないです。ソースの味が決め手かな。

盛り付けてみました。

スナモグリ丼

界隈でも“もぐり"しか食べたことのない幻の一品…!

甘じょっぱいタレをからめてごはんと一緒にかきこむと、まあまあいけます。美味しいです。

ごちそうさまでした!

事後報告

夜、おなかこわしました…!腹痛とちょっぴり下痢。翌日には改善したのですが何だろう。

原因は不明だけど、食べたスナモグリが怪しい。

1.
スナモグリの内臓とか未消化物にあたったのか?
30匹は食べたんですよネ(単純な食べすぎ?)

2.
もしくは、鮮度が悪い個体。とったときに死んでいた(ポンプに直撃した個体がいた)のがいたんですよね。それを気にせず調理しちゃったからでしょうか…?

3.
それとも疲労とか別の要因か…

うーん!わからない。

もいっぺん食べて確かめてみるしかないですね?

まとめ

その辺の砂地にたくさんいるもののめったに見ないスナモグリをヤビーポンプでほりだして食べてみました。おじいちゃんにポンプが大人気だったり引っこ抜くコツが最初はわからなかったりしたんですけど、慣れてきたらぽんぽん抜けられるようになりました。めでたしめでたし。

しかし味は、うーん!ボケという名前がぴったりくるようなぼんやりした風味。でもってちょっぴり腹痛したりもしまして、めでたくなしめでたくなし。

スナモグリ(ニホンスナモグリ)

【採取場所】砂地の干潟
【採取時期】通年
スナモグリ科スナモグリ属。東京湾でよく見かけるのはスナモグリのうちニホンスナモグリである。殻は薄く柔らかで体内が透けて見える。砂地の下に数十センチにもなる巣を掘って暮らしている。食性はデトリタス(有機物粒子)を主とする。片腕のハサミが大きくなるのがオス。力が弱く陸地では自身で穴を掘ることができないらしい。クロダイの釣り餌で"ボケジャコ"と呼ばれて取引される。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia、ふなばし三番瀬海浜公園・ふなばし三番瀬環境学習館ホームページ

宣伝コーナー

ヤビーポンプ(エビポンプ)はAmazonで売ってるよ!

穴子とかシャコに合うタレがこちら

図鑑って楽しいよね~

【おまけ料理レシピ】スナモグリの天ぷら

※一般的に食用になる種ではないため、喫食は自己責任でお願いします。

【材料】
スナモグリ
小麦粉

ベーキングパウダー

【作り方】
1.
スナモグリは生きているものを使う。冷たい海水につけておけばしばらく生きている。
できればぶくぶくを入れてフンだしもしておきたい。

2.
スナモグリは真水につけて汚れを落としたうえで、水気をきっておく。

3.
天ぷら粉をつけたあと、180度の油でカラッと揚げる。

4.
ごはんの上に盛って、甘い醤油だれをかけて食べると美味しい。
食べすぎないようにネ。