マダニにやられて肉アレルギーになった体験談

2026年1月18日昆虫マダニ


報告、肉アレルギーになりました。

正確にはα-Galアレルギーと呼ばれる病気で、殆どの哺乳類に反応する食物アレルギー症です。つまりイノシシとかシカとかクマとか動物の肉を食べるとアレルギー症状がでるわけですね。

あっ、とうぜん牛豚も出ます。

 

とはいえ完全に肉を断ってビーガンになる必要はなく、ニワトリとかカモなど鳥類は症状が出ません。

スッポンなど爬虫類もOK。もちろんとかも食べても症状がでることはありません。

なので肉アレルギーとはいってもすべての肉が食べられないわけではないわけで、これはちょっぴり救い。でもだいたいの肉は食べられません。必然的に自炊は野菜が増えました。

※ちなみに哺乳類の中では唯一、霊長類だけが症状が出ません。理由はヒトと同じく原因物質を保有していないため。

さて、具体的にはどんな症状が出るのか?いいますと、食物アレルギーにありがちな蕁麻疹腹痛のような胃腸系の症状、加えて目のかゆみ・くしゃみ・鼻水といった花粉症の症状が併発。

これが喫食後の3~5時間後に徐々に出てくるのがこの症状の恐ろしいところ。そう、食べてすぐには症状が出ないので、因果関係が分かりづらい…

知らない間に発症していて、気づかずに肉を食べちゃって呼吸困難(アナフィラキシー)にでもなれば死ぬこともありえる恐ろしい病です。実際にアメリカでは死者がでています。

こんな病にかっちゃいました!果たして私は活動を続けていけるのか!?今回はそんな病気のレポート。

ある日、肉で蕁麻疹がでた!

ついこないだまで栃木名物ソースカツ丼を美味しく食べたりしていた私ですが、秋のある日イノシシをさばいて角煮で美味しく食べたところ…(※有害駆除の個体です、念の為)

角煮(wikipediaより)
角煮(wikipediaより)

首に蕁麻疹がでてきてるじゃあないですか。

「なんだろう?」と薬をぬってその日は寝たのですが、翌朝…

蕁麻疹が広がっている!!!

センシブなのでモザイクいれました
センシブなのでモザイクいれました

足にもぶつぶつが。そしてくしゃみ連発、鼻水ズビズバー!

「こりゃあおかしいぞ??」ということで、その日の行動を振り返ってみます。いつもと違うことなんかしたっけ?

・イノシシをさばいた
・角煮を食べた
・季節の変わり目で肌寒い
・友人宅(動物を飼育している)にお邪魔した

うーん?特に変わったことはしていないつもり。

「友人宅のハウスダスト?でもこんなひどいことになったことなんてないしなあ」

「強いていうと寒暖差アレルギーか?くしゃみはともかく蕁麻疹なんてでたことがないけど…?」

などと思いつつも病院で相談。

しかしお医者さんも「急にでた蕁麻疹は原因がありすぎてわからないですね~!薬出しときますね~!」と塗り薬をくれただけ。

帰宅後、「かゆいかゆい!」と誤魔化すためインターネットで調べまくってると、『肉アレルギーを原因とした蕁麻疹があり、ある日突然でることがある』という情報をキャッチ。

「これか!?」

そんなことあるの?と思いつつも一旦イノシシ肉を食べるのを止めてみたのです。すると発疹が徐々にひいてきました。2~3日でほとんどなくなり、一週間ほどで完治。

そして、完全に落ち着いたところで試験的にベーコンを1枚食べてみると…数時間後に首に蕁麻疹がでるじゃあないですか!これは確定なやつなのでは…!?

何でどれくらい出るかわからなかったので他にも色々試してみました。

私の肉アレルギー人体実験結果

10/26 20:00頃イノシシを喫食、24時頃 首に蕁麻疹が発症。腹痛なし
10/27 首に蕁麻疹が出続ける。花粉症様症状がでる。イノシシをまだ食べていたので、肉食を止める。
10/28 フトモモのあたりに蕁麻疹が広がる。
10/29 首の症状が落ち着いてくる
10/30~10/31 症状がなくなってきた

11/2 11:00頃 豚ベーコンを一枚食べる
11/2 15:00頃 首に蕁麻疹が出てくる
11/3~4 症状が落ち着いてくる

10/10 チーズケーキを一切れ食べる。症状ほぼなし

11/15 11:00頃 豚ウィンナーを1/3ほど食べる。16:00頃、首に蕁麻疹がでる

11/16 11:00頃 熊肉薄切りを一切れ食べる。17:00頃、首の蕁麻疹が増える

12/6 和牛を20グラムほどステーキで喫食。症状ほぼなし。

12/13 鹿肉の薄切り2枚をステーキで喫食、症状ほぼなし。目が少し痒い程度

豚と熊など雑食動物は強い?ようです。牛や鹿など草食動物は反応が弱い?とはいえ症状から見て、ほぼ肉アレルギー確定とみて間違いないでしょう。わかって嬉しいような悲しいような!!

肉アレルギーになった経緯

「どうしてこうなった?いつのまに?」

と調べてみると、肉アレルギーになるトリガーは“マダニに刺さされること"らしい。

タカサゴキララマダニ
タカサゴキララマダニ(wikipediaより)

そういえば発症した日イノシシにマダニがめちゃめちゃついていて、それが寄ってきてズボンにひっついてたりしました。あの時もしかして刺されていた??

しかし刺されたその日にアレルギー発症するのはタイミングが違う気がする?普通、アレルギーに反応するまで数日はかかるはず。

そう思って記憶を掘り返すと、ちょうどソースカツ丼を食べた栃木で山を歩いた(しかも一瞬だけどヤブに入った)のを思い出しました。もしかしたらあの時さされていた…のか??

栃木の森、カラカサタケを見つけた
栃木の森

だとすると刺されて2週間後に発症ということで、タイミングはあう。

わからないくらい小さいマダニに刺されたのかもしれません。そういえばちょうどそれくらいから、脇腹に一箇所めっちゃ痒い虫刺されがあるんですよね。もしかして…?

少しわかったところでセカンドオピニオン。皮膚科&アレルギーの病院にかかってみて「肉アレルギーの疑いがあるんですが…」と相談してみました。

しかしここでも「ダニに刺された跡とは断定できない」し「肉アレルギーは診断の事例がない」との回答。抗アレルギー薬だけ貰って終わりました。

調べた限り関東では殆どの病院で診断できず、日本全国探しても島根や静岡の一部の病院でしか診れないらしい。症状から自己判断して対応するしかなさそう。うーん!反応から見てほぼそうなんですが診断がつかないって気持ち悪いですね~~~!

肉アレルギーの対策は?

かかってしまってはしょうがない、どう対策したものか?

アレルギーの特効薬みたいなものは基本的にありません。症状を抑えるには食べない・避けるのが唯一の手段。

特に豚!
特に豚!

蕁麻疹の発症は抗アレルギー薬の服用で誤食程度は緩和できます。とはいえ、たくさん食べたら抑えられず症状がでます。食べるものをよく見て肉を避けるしかない。

抗アレルギー薬。
抗アレルギー薬。ロラタジン、セチリジン、ルパフィン

ちなみに肉アレルギーは食肉中の「Galactose-α-1,3-galactose(ガラクトース-アルファ-1,3-ガラクトース、略してα-galと表現します)という糖鎖に反応するアレルギー。

α-galは哺乳類の基本構成物質であり、肉はもちろん、ソーセージやハムみたいな加工食品にも豊富に含まれています。

豚を煮出したとんこつラーメンも当然食べられません。また、肉ダシが入っているものを検知して回避しなければならない、これがちょっと面倒です。

なんなら豚のコラーゲンから作ったゼラチンにも入っているらしい(二粒で発疹がでました)。これはどこにでもいすぎて避けきれません。なるべく減らすよう努力しています。

正直、だめなもの多すぎて、外食するのがめっちゃ大変

救われるのはうどん・そばの類。これはだいたいどこにでも置いてますし、安心して食べることができます。外食はこういうのを狙っています。

あとは魚ですね。お寿司とかは地雷がないので嬉しい!ありがとう海!(あっ、イルカとかクジラはダメらしいです)

またアレルギー表示のありがたさに気づきました。

これまでよく見たことがなかったのですが、同じ"カップ焼きそば"でも明星一平ちゃんは豚が入っていて、マルちゃんごつ盛りソース焼きそばは入っていない。表示してくれてありがとう。世間の優しさが身にしみます。

ビーガン製品とかも今まで「高いし、食べることないだろなあ…」て思ってたのに、ここにきて救世主となりました。本来は食べられない味を再現してるのがイイ。世の中どうなるかわからんですね。

α-galは乳製品にも含まれているそうなのですが、乳製品はヒトによって症状の差があるそう。私は運がいいことに反応が弱く、薬を飲めばある程度へいきっぽい。

ピザはぜんぜん大丈夫!サラミとかハムが乗ってないのを選べばOK。

パフェとか食べても大丈夫でした(ただし下のゼラチン層はだめ)。乳製品もダメなタイプだったらめちゃしんどかったと思う…。

逆に豚は強く出るようなので、意識して避けています。肉団子や餃子みたいなのは中身が目で見えないので成分をチェック。

安価な肉製品は鶏ダンゴを使ってるものが多いのが助かりポイント、普段なら「なんだあ豚じゃないんだ~」ってなるところですけど、鶏で作ってくれてありがとう!はっぴー!!

面白そうなもの見つけて「実は食べられなかった!」なんてこともありました。あぁ~!私のカラフル小籠包。まさか海老小籠包に豚が入ってるなんて…!!

とにかく食物に気を使う日々、ちょっとゲームみたいで面白いですけど外出先でちょっと困ります。

肉アレルギーは治るのか?

YES。時間はかかるけど治ることはあるらしい。

アレルギーというのは抗体の反応であり、ほらコロナのワクチンとかも1年くらいで抗体が弱くなるって言いますよね。同じ様に1~5年ほどすればアレルギー反応が収まるんだそうな。

しかしマダニに刺されたら反応が復活するため、正確には"マダニと接触せずに1~5年すごす必要がある"ということですね。

マダニのいる山野に入らず…そうつまり、キノコ狩りもせず、山菜とりもせず、狩猟もできない、そんな生活をしなければならないということ。

「それは私には耐え難いのでは!?」

しからばマダニがいてもやられないよう対策が必要。基本的な対策の「素肌をださない」とか「虫除けスプレーを使用する」とかは元々やっていたのですが刺されています。

これ以上対策をするとしたら、

・屋外で着用していた衣類は即座に洗濯、できない衣類は駆除スプレーをふいておく
・家に帰ったら即座にお風呂に入る、死角の肌も触ってチェックしておく
・シーズンは家でバルサンを炊いて二次感染を予防

とかでしょうか。

それでも再び刺されたらどうしたものか。悩んでもしょうがないので、まぁひとまずは1年様子見をして、症状が収まるかどうか経過観察ですね。また報告します。

まとめ

肉アレルギーになったよ。原因はおそらくマダニだよ。って話でした。生きてると病気になるのはよくあることですけど、急にアレルギーになって食べられるものが減るとは思っていませんでした。

いやあダイエットなんてせずもっとラーメン食べてればよかったなあ!なんて思っても後の祭り。みなさん美味しいものは食べられるときに食べましょう。好き嫌いせずいろんなものを食べておくべきです。急に食べられなくなったら遅いのですから…!

マダニ

【生息場所】山野、特に野生動物が生息している場所、最近はアライグマにより都市部にも拡散しているらしい
【活動時期】通年(厳冬期はやや活動が鈍る)
マダニ科のダニの総称。日本で特に有名なのはイノシシにつく"タカサゴキララマダニ"やシカにつく"フタトゲチマダニ"や"ヤマトマダニ"など。どの種も共通して哺乳類に取り付き吸血する。ヒトに対しても同様で、かつ吸血を通して様々な感染症を媒介する。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia
イラスト利用:いらすとや

参考資料:磐田市立総合病院 マダニにさされると肉アレルギーになる!

宣伝コーナー

ダニスプレー。山野から帰ったらまずこれをふくことにします!

マダニに効く虫除け。屋外では必須

アレルギー対策にはまずアレルギーを知るところから!

【おまけ料理レシピ】蕁麻疹が出た日に作ったイノシシの角煮

【材料】
イノシシ ※ロース肉を使用


みりん
しょうが
長ネギの青いところ
醤油
砂糖

【作り方】
1.
イノシシロースをよく洗って膜をとり、おおぶりのサイズにカット。

2.
肉をフライパンで全面焼く。面が白く色づけばOK。

3.
圧力鍋にイノシシロース・ショウガ・長ネギの青いところを入れ、水をひたひた。酒とほんの少々の醤油(生理食塩水くらいの濃度)を入れ、まずは沸騰するまでフタをあけたまま煮る。アクがでたらとる、フタあけたまま煮ることで臭みをとばす。

4.
沸騰したら弱火で10分くらい茹でる。水が減ったら足す。そのあとフタをして圧力を30分ほどかける。(圧力鍋がなければフタをして弱火で2時間煮る)

5.
肉が柔らかくなったら、いちど取り出しておく。(冷えて固くならないようラップしておいておく)

6.
煮汁に醤油・みりん・砂糖を加え、1/2から1/3になるまで煮詰める。煮詰めたら味を整える。

7.
6に5を戻し。いちど沸騰させる。そしたら火を止め置いとく(15~30分ほど)。味がしっかり染みたら完成。

肉アレルギーの方は食べて3時間後くらいにひどい蕁麻疹が出るので気をつけて。