ウコギは食べられる生垣、そしてうまい
食べられる生垣があるらしい。
「なんのこっちゃ!?」
って感じですが、山形県の置賜(おきたま、南のほう)では、むかし飢饉に備えてウコギという植物を生垣として植えることを推奨し、今も食文化が残っているそうな。
農林水産省のHPによると「米沢藩9代藩主・上杉鷹山公がウコギを家の垣根として植えることを推奨した」と書いてあります。上杉治憲の時代は1751年-1822年、江戸時代の話。
そんな昔から生垣を食べることを推奨していたなんて…。めっちゃ気になるじゃあないですか。今回は食べられる生垣ウコギの話。
ウコギってどんな植物?
ウコギを食べるには地味に苦労しました。まず売ってないんですよね。
でもって野にもいない。垣根にするのは山形とか東北のあたりで、東京あたりだと空地や公園に生えているもんじゃありませんでした。いやもしかしたら大昔は植わってて区画整理で消えていったのかもしれませんが…。
とにかく野生化したウコギを見つけるのが大変でした。
唯一ウコギがいたのは、西東京のとある山道。
民家からずっとはずれた尾根道なんですけど、1本だけポツンとはぐれウコギ。ちっちゃくてとったら消えちゃいそう。なのでこの時は観察だけ。
ウコギは多年草の低木であり、木質化する細めの幹を持ちます。春のこの日は幹の継ぎ目から葉っぱがでてきていました。これが新芽であり食べられるぶぶん。柔らかいものを摘んで食べるそうです。
ウコギの幹。黒くて鋭いトゲがあるのも特徴です。しっかり痛いので垣根づくりに向いてそう。泥棒も避けられて、春は美味しくいただける…なるほど!さすが食べられる生垣。
こちらがウコギの葉っぱ。1つの芽から葉っぱが3枚づつ伸びています。葉は五枚葉の掌状複葉。
色は明るい緑色で縁にぎざぎざのエッジがあり。表側は荒い毛に覆われています。全体的にトゲトゲした印象のる植物。
特徴がしっかり出ているので観察さえすれば判定は容易なほうで有り難い。
ちなみにウコギの皮や根っこは漢方薬の材料になるそうで、五加皮(ごかひ)と呼ばれます。効能は主に沈痛。実家の生垣に植わってたら掘り返してみたかった。
ウコギを食べてみた
また別日、新潟某所で散策をしていたときに、まとまった量の野良ウコギを発見。里山の川沿いに生えていました。4月末くらい、温かくなった時期でちょうど食べごろの若芽がた~~くさん。
「これは採取チャンス!」
開き始めたばかりの柔らかそうな若葉が雨粒をまとってシズル感マックス。八百屋のどんな野菜より美味しそうに見えますね!
えっ?見えないですかただの草ですかそうですか…。
さて若葉でも育ちすぎると苦みが出るらしい。"まだ丸みの残る柔らかい葉っぱ"を狙って採取していきます。
葉っぱを引っ張ると芽の根本からプチリともげます。採取が簡単なのはありがたいポイントですね。
この日は地元に詳しい方に案内いただいて、ワラビやウドなんかも沢山とれて山菜三昧の食事を楽しみましたよ。
ウコギはシンプルにさっとゆでてお浸しと、
ウコギ飯にしていただきました。
味はタラの芽とかに似たアクがあるのですが、これがご飯とあえるとアクセントになってとても良いです。
それでいてアクが強すぎもしないので、わりと万人受けする山菜なのではなかろうか。さすが江戸時代の名君が栽培を推奨したというだけのことはあります。春にこれをたらふく食べられるなら、雪解けが待ち遠しくなるでしょうね。たぶんきっとそう。
ごちそうさまでしたー!
まとめ
ウコギを探して食べてみました。昔は生垣作りに推奨されたそうですが、さすがに現代の東京のそこらに生えているわけではなく、見つけるのに苦労しました。
郊外の里山をいくつか回って発見。食べてみたところ味もちゃんといい。美味しい山菜です。トゲがしっかりしていて垣根向きの植物なわけですね、垣根に向いていてなおかつ美味しい、こんな良いものを見つけて奨励するなんて昔の方はよく考えたものです。そのうち岩手に行って本場のウコギの生垣も見てみたいなあ。
ウコギ(五加)
【採取場所】山野
【採取時期】春(3月~5月)
ウコギ科ウコギ属。一般的に生垣に使われる低木の「ウコギ(ウコギ、ヒメウコギ)」は在来種ではなく大昔に国外からやってきた品種。山野に存在する在来種は「ヤマウゴキ」で2~3mほどに育つ。北海道には「エゾウコギ」が自生する。五枚葉の掌状複葉でトゲがあるという特徴は共通する。どれも同じように食用・薬用利用可能。
参考にさせていただいた資料:Wikipedia、福田龍株式会社HP、うちの郷土料理(置賜地域)
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【おまけ料理レシピ】うこぎの切り和え ※農林水産省「うちの郷土料理」より
【材料】
ウコギ
塩
味噌
カツオ節
【作り方】
1.
鍋にお湯を沸かして少量の塩を加える、ウコギをさっとゆで、色が悪くならないようにすぐに冷水にとる。
2.
味噌にカツオ節を混ぜてよく練り、薄く木べらに張り付ける。焦げないように気を付けながら味噌の表面をあぶり、香ばしさを出し、木べらから外す。
3.
1の水気をきってまな板に置き、その上に焼き味噌を置く。端のほうから包丁で細かく刻んでいき、切りながらうこぎと味噌を混ぜていく。
レシピはうちの郷土料理(置賜地域)より引用