イスズミは墨のごとく黒い刺身だがイケる

イスズミ

秋にとある堤防で釣れた魚、イスズミ。

イスズミ@写真AC

日中にオキアミを餌に釣りしていたら釣れました。まあまあ良い引きでナイスファイト。

こいつはいわゆる未利用魚というやつで、「時期によっては臭い」とか「処理が悪いと臭い」などと言われ、スーパーなんかに並ぶことはめったにありません。つまり釣らないと食べられない魚、ラッキー!

以前に友人にごちそうしてもらって美味しいのは知ってるんですよ。なのに、さばいてみたらちょっと黒すぎて…!?そんなわけで今回はイスズミの話。

イスズミってどんな魚?

イスズミとは磯に住む海草食の性質の強い魚。

楕円形の体系で同じ水域に住むメジナとやや似ていますが、体高が低く腹側が銀色であるため見分けは容易なほう。この手の中で魚種のうちではむしろ特徴がないほうなので、むしろこののっぺりとした色合いで「あぁイスズミかな」とわかるかんじ。

イスズミ@写真AC

名前の由来が"磯住み"がなまって「イスズミ」になった…というくらい磯につく魚で、岩に付着した海草が大好物。とはいえ基本的には雑食性らしく、餌釣りで釣れる魚であり、今回もサビキ釣りをやっていたところオキアミに食ってきました。

また別名が「ウンコタレ」で、汚い話で申し訳ないのですが“釣り上げると臭い糞をまき散らす"ことに由来。

“草食中心の生き物は内臓物が発酵して臭い"というのが定説。その糞はひどいにおいであり、スーパーとかに流通しないのはこの辺の対策がむつかしいからではなかろうか。

ただ逆に現地で連れたら速やかにシメて千貫&内臓を抜くことさえできれば、ちゃんと美味しく食べられる魚なはず。レッツトライ。

イスズミを食べてみる

さて今回もセオリーにのっとって、現地ですみやかにシメて血抜きをして持ち帰りました。

イスズミ

大きさは40センチくらいでしょうか、ちょうど手ごろなお刺身サイズ。

持ち帰ってくるまでの間にクーラーで二日ほど低温熟成されていました。その間に体色がずいぶん黒くなったような?グレみたいですね。

とはいえ、腐っている感じではないので大丈夫でしょう。鱗を落とすと銀色の地肌が見えてきましたよ。

ヒレも鋭いかんじだったので、手を切る前にハサミで落としました。

三枚におろします。ぱっかーん!

うおっ!?

黒い…

イスズミ、三枚おろし

身まで黒い。熟成のせいか?個体のせいか?てっきり皮が黒いのかと思ったんですけど、皮をひいても真っ黒。

いや、黒いな!?

墨をぬったくったかのような黒々具合、

イスズミの背中の身

「大丈夫なのかなこれ?」

と思うものの、香りは美味しそうな魚そのもの。腐敗臭もないしいわゆる磯臭さもありません。おそらく鮮度は問題なし。

刺身にひいてみました。

イスズミの刺し身

お腹側のほうはほんのりピンク色、どうも皮目が黒ずんでいるらしい。不思議な体色をしてますねえ。

イスズミのお刺身は黒いがうまい

とりま食べてみましょう。しょっぱい関東醤油とあま~い九州醤油で食べ比べてみます。

ではでは、まずは関東醤油でいただきます。

ぱくり…

もぐもぐ…

うまい。むちむちとしっかりめの歯ごたえに透き通ったうま味で磯臭さは皆無。

それにちゃんと脂が乗ってる感がありますね。寒い時期は乗ると聞きましたが、11月でのってくるんだ。ただ関東醤油だとややさっぱり過ぎるかな。好みかもしれませんけど、

もうひとつ関東醤油で、もぐ!

イスズミの身

うん。これも美味しい。しっかりめの質感の魚には甘い醤油が合う気がします。私がただの九州醤油大好き人間なのかもしれませんが…。

しかし黒いですね、照明が悪いわけじゃないんですよね。身が黒いんです。

照明が悪いわけじゃないんですよね。身が黒いんですよ!

ぺろりと完食。イスズミは黒いですがちゃんと美味しいことがわかりました。色が悪いのに味が美味しいので、ちょっとしたトリック味が味わえました。

イスズミの焼きものは黒くない

もう一品、お腹の骨付きハラミを焼いてみました。不思議なことに焼くと黒っぽさは消え、ふつうの焼き魚にしか見えません。

イスズミの焼き物

食べてみると、ほどよいほぐれやすさの肉質でふつうに美味しい。

黒いのが嫌な方は焼けばオッケーなのではなかろうか。

イスズミが黒くて口に運べない…なんて方は焼いていただければと思います。ごちそうさまでした。

まとめ

堤防から釣れたイスズミをさばいて食べてみました。熟成させたところ身がだいぶ心配になるくらい黒くなっちゃいましたけど、ちゃんと美味しく食べられました。

うんこたれと内臓の臭さに加えて、この黒さも不人気な理由のひとつなのではなかろうか。ある意味ヒトに食べられにくいから生存能力的には正解なのかも。ただこればっかり残ると磯焼け(磯の海藻がなくなる現象)

イスズミ

【採取場所】磯・堤防
【採取時期】冬が旬
イスズミ科イスズミ属。温かい海の岩礁帯に生息する魚。食性は植物食中心の雑食で海藻や小エビなどを食べる。藻をめちゃめちゃ食べるため嫌われることもある。藻が好物なためかフンがくさい。釣ってすぐ内臓をぬく。内臓が身につくとまずくなるので注意。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia、実用minibooks 釣魚図鑑

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愛用の包丁。研ぎやすくよく切れる!魚をさばくのにちょうどいい。

図鑑があると釣りがより楽しくなりますよ!

【おまけ料理レシピ】イスズミのカルパッチョ

【材料】
イスズミ
オリーブオイル
バルサミコ酢

黒コショウ ※熟した赤コショウでもうまい

・添える野菜
レタス
タマネギ
ベビーリーフ
トマト

【作り方】
1.
イスズミは現地で速やかにシメて血抜きを内蔵抜きをする。
フンをまき散らされたらちゃんと洗い流そう。

2.
イスズミのウロコを落として三枚におろす。

3.
薄めの刺し身にひく。

4.
オリーブオイル・バルサミコ酢・コショウ・塩を合わせてカルパッチョソースを作る。

5.
イスズミのさしみにかけて完成。
スライスしたタマネギ・レタス・ベビーリーフ・薄切りトマトなどを添えるとよい。