ドンコを釣って食べてみた、エゾイソアイナメからチゴダラに名前が変わった魚の話【遠征】
とある秋、青森県で釣りをしていたら、見慣れない魚が釣れました。
ぎょぎょぎょ!なんですかこの不気味な見た目の魚っ!
ドンコという名前で、東北ではよく食べる魚らしい。
しかも最近、名前が変わったという、なかなか珍しい魚。これは嬉しい!
…ということでその場で食べてみました。そんな東京ではほとんど見かけないドンコの話です。
東北でドンコが釣れた
「本州の最先端で釣りがしてみたい!」
じゃあ…
「青森に行くか!!」
と、アリサさんと共に東京都から青森県まで車を走らせ、津軽海峡にやってきました。
んで、その辺の堤防で夜釣りにチャレンジ。
何が釣れるのかわからないので、遠投釣り、サビキ釣り、落とし込み釣り、エギ釣り、 など何でもチャレンジ。
そのうち遠投は“どっぷり暮れた20時頃、突然と竿が海に引き込まれ消えた"わけですが(命綱はスカリに使っちゃいました。かなしい…)
落とし込みに成果がありました。
ゴカイをつけて水底をとってるいると、HIT。
巻いてみると…見慣れない魚が釣れました。
ヒゲがあって「ゴンズイかな?」と思ったんですけど、なんかちがう。
体色はさび色で、でっぷりと太ったおなか。
なんかナマズのゾンビみたいな見た目で、なんか不気味なかんじ…
通称をドンコという魚のようです。
正式和名は…ええっと?(調べてる)
ちょっと前までは「エゾイソアイナメ」と呼ばれたそうなんですが?いまは「チゴダラ」っていうらしい。へえええ?
ドンコ(エゾイソアイナメ→チゴダラ)ってどんな魚?
通りがよいのはドンコという名前、
深場(300m~500mとか)なら関東近郊にも生息するタラの仲間。メジャーなのは東北から北海道にかけて。青森県では岸壁からもよく釣れ、特に冬は大きいものが釣れるんだそう(釣り人談)
外見はタラやナマズ、でっぷりとしたお腹が印象的。サイズは最大で40cmくらいになるそうなので、今回釣れたサイズ(20cm程度)だと小型の部類かな?
肉食魚らしく、今回はサバ餌で釣れました。
むかしはエゾイソアイナメと呼ばれていたそうですが、2019年に名前が変わりました。
エゾイソアイナメからチゴダラに名前が変わった理由は?
先述のとおり「エゾイソアイナメ」と「チゴダラ」という名前の二種で区別されており、この二種は「エゾイソアイナメは浅場に生息するが、チゴダラは深海。」「チゴダラの方が体色が淡く、目が大きい。」みたいな差があるとされていました。
しかし、近年に「研究の結果、両者の間にDNAの差はない。体色や目の大きさは個体差である」という事実が判明したんだそーです。(チゴダラPhysiculus japonicus とエゾイソアイナメ P. maximowiczi間には遺伝的差異がほとんどない)
この論文の発表は2019年でワリと最近(執筆時で5年前)。生き物世界ってまだまだわからんことだらけなんですねぇ…。面白いです!
(深海にいくと見た目が変わるんでしょうか?ヒトもクラスが変わると雰囲気が変っちゃったりしますし?)
というわけでこいつはチゴダラです!
東京ではまずスーパーに売っていませんが、こっちではメジャーな食用魚らしく、ふつーに食べる魚とのこと。
貴重な機会なので食べてみましょう。
ドンコ(チゴダラ)の味は?
新鮮なうちに食べたいよね、ってこちょでその場で食べます。
内蔵をだして、鱗を落とすと…
なんか真っ白なボディがでてきました。不気味さに拍車がかかってホントにゾンビっぽい…
この見た目のせいで関東でウケないのでしょうかね…?
まぁ毒はありません。刺し身でもいけるみたいなので、まずはシンプルにそのまま。
秋田で買っておいた「越しのむらさき」をかけて…っと、
いただきます!!
どうかゾンビに感染しませんように! ※しません
「もぐ!」
もぐもぐ…
ふむふむ。
見た目に反して味はあっさり系。
食感は非常にやわらかく、噛まずなくても口の中でほどけるかんじ。スッキリした味なのでツウは"キモ醤油"で食べるらしいんですけど、文字通り肝心の肝を解体時に捨てちゃいました(失敗)
せっかくなのでもう一品、ちびアナゴといっしょに、煮付けにしてみます。
ざくざくっと切って、醤油とミリンで煮ます。ぐつぐつ。
軽く煮たら完成。
一緒に釣れた他の魚も刺し身と並べたりして、ちょっとした堤防パーティ、楽しい♪
ではドンコの煮付けをいただいてみましょう!
いただきまーす。
もぐもぐ…
脂がないのでシンプルな味なのですが、加熱すると身がキュッとしまって食感でました。
ぷりぷりとした煮付けらしい食感で美味。
刺し身より、加熱調理のほうが向いている魚なのかもしれません。うまいぞドンコ!
ドンコの干物の味は?
帰り、寄った岩手県のスーパーで、たまたまドンコの干物を発見。
まあまあサイズのが一尾196円、いや20%引きで158円!おかいどく!!
東北ではけっこうメジャーな海産物ってのは本当みたいです。
「おっきいのも食べてみたい!」ってことで購入(課金)、チャリーン♪
持ち帰ってオーブンでやいて食べてみました。
もぐもぐ…
食感や味はホッケに近いですね。というかほぼホッケ?
脂身のないホッケ。ワシワシとした食感で肉離れよく、好感が持てる味合い。
おいしい!
冬には脂が乗ると聞いているので、時期次第ではホッケを超える味になるのでしょうか?
きになるー!関東でも売ってたらいいのになー
ごちそうさまでした。
まとめ
青森県まで釣りしにいって釣れたのは、見知らぬ魚の"ドンコ"でした。東北ではメジャーな魚らしく、刺し身や煮付けで食べてみたところ美味。
食べながら調べてみると、ちょいと前までは2つの名前を持つ魚だったことがわかり、へぇーとなった日でした。世の中はまだまだわからんことたくさんで、楽しいです。
ドンコ(エゾイソアイナメ→チゴダラ)
【採取場所】東北(岸壁)、深海
【採取時期】通年、冬のほうが脂がのる
チゴダラ科チゴダラ属。通称ドンコのほうで知られる。関東では深場、東北では浅場にも生息する。関東ではマイナーであり食べる習慣はない。浅場のものを"エゾイソアイナメ"、深場のものを"チゴダラ"と呼び分けられていたが、近年DNAが同じだと判明しチゴダラに統合された。
参考にさせていただいた資料:Wikipedia、市場魚貝類図鑑 ぼうずコンニャク、NII学術情報ナビゲータ[サイニィ]、写真から探せる魚図鑑
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【おまけ料理レシピ】ドンコの岸壁煮付け
【材料】
ドンコ
ショウガ
水
醤油
ミリン
【作り方】
1.
ドンコを釣る。
東北にいけば岸壁で釣れる。
2.
ドンコはウロコを落とし、内蔵を出す。肝はとっておく。
ショウガは薄切りにする。臭みはほぼないため少量でよい。
3.
ドンコを真水でよく洗い、ショウガ・ミリン・醤油を加え、
かぶるくらいの水で10分ほど煮る。
4.
ミリンと醤油で味を整え、弱火で軽く煮詰めたら完成。
ディスカッション
コメント一覧
すみません、文中に何か所か「北陸」と書いてあるのですが「東北」と書くべきだと思います。
北陸という言葉は普通は福井、石川、富山、新潟にしか使われず、これらの地方ではエゾイソアイナメはドンコと呼ばれていないと思います。
西日本ではドンコというとハゼ亜目の別な魚を指しますが、こちらは生体数が少なく珍しい魚のようです。
ご指摘ありがとうございます。
言われて見れば確かにそうですね!なおしておきます
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