ドンコを釣って食べてみた、エゾイソアイナメからチゴダラに名前が変わった魚の話【遠征】

2024年10月22日エゾイソアイナメ,チゴダラ,ドンコ


とある秋、青森県で釣りをしていたら、見慣れない魚が釣れました。

ドンコ(チゴダラ)
青森県で釣れたよくわからない魚

ぎょぎょぎょ!なんですかこの不気味な見た目の魚っ!

ドンコという名前で、東北ではよく食べる魚らしい。

ドンコ(チゴダラ)

しかも最近、名前が変わったという、なかなか珍しい魚。これは嬉しい!

…ということでその場で食べてみました。そんな東京ではほとんど見かけないドンコの話です。

東北でドンコが釣れた

「本州の最先端で釣りがしてみたい!」

じゃあ…

「青森に行くか!!」

と、アリサさんと共に東京都から青森県まで車を走らせ、津軽海峡にやってきました。

んで、その辺の堤防で夜釣りにチャレンジ。

何が釣れるのかわからないので、遠投釣りサビキ釣り落とし込み釣りエギ釣り、 など何でもチャレンジ。

そのうち遠投は“どっぷり暮れた20時頃、突然と竿が海に引き込まれ消えた"わけですが(命綱はスカリに使っちゃいました。かなしい…)

落とし込みに成果がありました。

ゴカイをつけて水底をとってるいると、HIT。

巻いてみると…見慣れない魚が釣れました。

ドンコ(チゴダラ)

ヒゲがあって「ゴンズイかな?」と思ったんですけど、なんかちがう。

体色はさび色で、でっぷりと太ったおなか。

ドンコ(チゴダラ)
青森県で釣れた魚

なんかナマズのゾンビみたいな見た目で、なんか不気味なかんじ…

通称をドンコという魚のようです。

正式和名は…ええっと?(調べてる)

ちょっと前までは「エゾイソアイナメ」と呼ばれたそうなんですが?いまは「チゴダラ」っていうらしい。へえええ?

ドンコ(エゾイソアイナメ→チゴダラ)ってどんな魚?

通りがよいのはドンコという名前、

深場(300m~500mとか)なら関東近郊にも生息するタラの仲間。メジャーなのは東北から北海道にかけて。青森県では岸壁からもよく釣れ、特に冬は大きいものが釣れるんだそう(釣り人談)

ドンコ(チゴダラ)
ドンコ(チゴダラ)

外見はタラやナマズ、でっぷりとしたお腹が印象的。サイズは最大で40cmくらいになるそうなので、今回釣れたサイズ(20cm程度)だと小型の部類かな?

肉食魚らしく、今回はサバ餌で釣れました。

むかしはエゾイソアイナメと呼ばれていたそうですが、2019年に名前が変わりました。

エゾイソアイナメからチゴダラに名前が変わった理由は?

先述のとおり「エゾイソアイナメ」と「チゴダラ」という名前の二種で区別されており、この二種は「エゾイソアイナメは浅場に生息するが、チゴダラは深海。」「チゴダラの方が体色が淡く、目が大きい。」みたいな差があるとされていました。

しかし、近年に「研究の結果、両者の間にDNAの差はない。体色や目の大きさは個体差である」という事実が判明したんだそーです。(チゴダラPhysiculus japonicus とエゾイソアイナメ P. maximowiczi間には遺伝的差異がほとんどない

この論文の発表は2019年でワリと最近(執筆時で5年前)。生き物世界ってまだまだわからんことだらけなんですねぇ…。面白いです!

(深海にいくと見た目が変わるんでしょうか?ヒトもクラスが変わると雰囲気が変っちゃったりしますし?)

というわけでこいつはチゴダラです!

青森で釣れた魚
青森で釣れた魚(クロソイ、タケノコメバル、ドンコ、などなど)

東京ではまずスーパーに売っていませんが、こっちではメジャーな食用魚らしく、ふつーに食べる魚とのこと。

貴重な機会なので食べてみましょう。

ドンコ(チゴダラ)の味は?

新鮮なうちに食べたいよね、ってこちょでその場で食べます。

内蔵をだして、鱗を落とすと…

なんか真っ白なボディがでてきました。不気味さに拍車がかかってホントにゾンビっぽい…

ドンコ(チゴダラ)

この見た目のせいで関東でウケないのでしょうかね…?

まぁ毒はありません。刺し身でもいけるみたいなので、まずはシンプルにそのまま。

ドンコ(チゴダラ)の刺し身
ドンコ(チゴダラ)の刺し身

秋田で買っておいた「越しのむらさき」をかけて…っと、

ドンコ(チゴダラ)の刺し身
ドンコ(チゴダラ)の刺し身

いただきます!!

ドンコ(チゴダラ)の刺し身
ドンコ(チゴダラ)の刺し身

どうかゾンビに感染しませんように! ※しません

「もぐ!」

もぐもぐ…

ふむふむ。

見た目に反して味はあっさり系。

食感は非常にやわらかく、噛まずなくても口の中でほどけるかんじ。スッキリした味なのでツウは"キモ醤油"で食べるらしいんですけど、文字通り肝心の肝を解体時に捨てちゃいました(失敗)

せっかくなのでもう一品、ちびアナゴといっしょに、煮付けにしてみます。

ドンコ(チゴダラ)
ちびアナゴとチゴダラ

ざくざくっと切って、醤油とミリンで煮ます。ぐつぐつ。

ドンコ(チゴダラ)の料理
海岸で作る煮付け、調理道具があるとどこでも料理が楽しい♪

軽く煮たら完成。

一緒に釣れた他の魚も刺し身と並べたりして、ちょっとした堤防パーティ、楽しい♪

青森の堤防ごはん
青森の堤防ごはん

ではドンコの煮付けをいただいてみましょう!

いただきまーす。

ドンコ(チゴダラ)の煮付け
ドンコ(チゴダラ)の煮付け

もぐもぐ…

脂がないのでシンプルな味なのですが、加熱すると身がキュッとしまって食感でました。

ぷりぷりとした煮付けらしい食感で美味。

刺し身より、加熱調理のほうが向いている魚なのかもしれません。うまいぞドンコ!

ドンコの干物の味は?

帰り、寄った岩手県のスーパーで、たまたまドンコの干物を発見。

まあまあサイズのが一尾196円、いや20%引きで158円!おかいどく!!

売っていたドンコ
岩手県のスーパーで売っていたドンコ

東北ではけっこうメジャーな海産物ってのは本当みたいです。

「おっきいのも食べてみたい!」ってことで購入(課金)、チャリーン♪

持ち帰ってオーブンでやいて食べてみました。

焼いたドンコ
焼いたドンコ

もぐもぐ…

食感や味はホッケに近いですね。というかほぼホッケ?

脂身のないホッケ。ワシワシとした食感で肉離れよく、好感が持てる味合い。

おいしい!

冬には脂が乗ると聞いているので、時期次第ではホッケを超える味になるのでしょうか?

きになるー!関東でも売ってたらいいのになー

ごちそうさまでした。

まとめ

青森県まで釣りしにいって釣れたのは、見知らぬ魚の"ドンコ"でした。東北ではメジャーな魚らしく、刺し身や煮付けで食べてみたところ美味。

食べながら調べてみると、ちょいと前までは2つの名前を持つ魚だったことがわかり、へぇーとなった日でした。世の中はまだまだわからんことたくさんで、楽しいです。

ドンコ(エゾイソアイナメ→チゴダラ)

【採取場所】東北(岸壁)、深海
【採取時期】通年、冬のほうが脂がのる
チゴダラ科チゴダラ属。通称ドンコのほうで知られる。関東では深場、東北では浅場にも生息する。関東ではマイナーであり食べる習慣はない。浅場のものを"エゾイソアイナメ"、深場のものを"チゴダラ"と呼び分けられていたが、近年DNAが同じだと判明しチゴダラに統合された。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia、市場魚貝類図鑑 ぼうずコンニャク、NII学術情報ナビゲータ[サイニィ]、写真から探せる魚図鑑

宣伝コーナー

パワフルでコスパいい遠投リール。海に消えましたウィッシュリストのギフト歓迎ですよ!

固くてよく飛ぶ遠竿。海に消えましたウィッシュリストのギフト歓迎です!!

図鑑をもって水族館にいくと楽しい!

【おまけ料理レシピ】ドンコの岸壁煮付け

【材料】
ドンコ
ショウガ

醤油
ミリン

【作り方】
1.
ドンコを釣る。
東北にいけば岸壁で釣れる。

2.
ドンコはウロコを落とし、内蔵を出す。肝はとっておく。
ショウガは薄切りにする。臭みはほぼないため少量でよい。

3.
ドンコを真水でよく洗い、ショウガ・ミリン・醤油を加え、
かぶるくらいの水で10分ほど煮る。

4.
ミリンと醤油で味を整え、弱火で軽く煮詰めたら完成。