シロヌメリイグチは白くないけど分かりやすくて美味しいキノコ
「キノコとりにいったら一日ひとつキノコの名前を覚えたい!」
一日一菌。そんな気持ちで山に入っている私でありますが、今回覚えたのはシロヌメリイグチ。
🍄「オメー!シロっていうワリに、白くないじゃねーか!」
はい、おっしゃるとおり。全然白くないんですよね…
でもでも、ちょっと白いんですよ!
それも、けっこう美味しいんです。今回はそんな白くなくてちょっと白いシロヌメリイグチの見分け方と味の話。
シロヌメリイグチってどんなキノコ?見分け方は?
シロヌメリイグチは、イグチの仲間でカサの裏側が管腔タイプのキノコ。秋にカラマツ林に出てくるキノコで、毒がなく、美味しく食べられる偉いやつです。
友人T氏に教えていただいたキノコのひとつ。
こういう「いわゆる茶色系のグループ」は似たのが多くてとっつきづらい。教えてくれた友人に感謝。
とはいえヌメリ系は茶色グループの中でも判別しやすい部類のよう。
覚えるためにもシロヌメリイグチの見た目の特徴をメモしておきましょう。
シロヌメリイグチの特徴
・茶色からくすんだ灰色のようなカサ
・カサは水気を帯びるとぬめる
・幼菌はツバが膜質化する(ゼリー状)
・ヒダではなく管腔、色はくすんだ白
・ツカはうっすら黄色みがかった白
・ツカにも網目がでる
・ツバの名残がボロ布のようにへばりつく
こんな感じ?
なんとなくイメージできたような…だめなような…。来年まで覚えていられるかな?(忘れたらこのページを見ます)
シロヌメリイグチは同属と比べるとちょっと白い!
ついでによく似た同属も紹介しておきましょう。
まずはハナイグチさん。
同じカラマツ林に出てくるキノコで、全体的に"シロヌメリイグチの彩度をあげた"みたいな見た目。ハナイグチと比べるとシロヌメリは白い?かなって思うかも。
どちらもカラマツ林に出てくるキノコで、ハナイグチをとっているとシロヌメリイグチをたまに見かけます。シロヌメリのほうがレア。
他にはマツ林にでてくる、ヌメリイグチもよく似ています。茶色~黄色で管腔が細かい感じ。
それぞれの色のイメージは
ヌメリイグチ:茶色
ハナイグチ:赤茶色
シロヌメリイグチ:茶色~くすんだ灰色
こんな感じ。
この三種類はどれも食べられるので、はじめのキノコ採りのターゲットに向いているかも?
とはいえ、食べられるキノコに似た毒キノコは沢山います。キノコ狩りの際はどうぞお気をつけて!自己責任でお願いしますヨ。
シロヌメリイグチを食べてみる
今回ゲットしたシロヌメリイグチは4つ。
持ち帰ったらよりいっそうシロヌメ感がなくなっていましたね。お前の名前を言ってみろ!
それはさておき、断面も見ておきたいよね。というわけでご開帳ぱっかーん。
ほほう。まあまあ白いのでは?ハナイグチやヌメリイグチは断面が黄色ですが、シロヌメリは白。この白さであれば合格と言っていいでしょう。
ひとりしきり愛でたところで茹でてしまいましょうか。
熱湯にほんの少し塩をして…
ぐつぐつ…
2~3分ゆでたら、冷水でさまします。
おっ?
ゆでたら白さが戻ってきたのでは?復活のシロヌメリイグチ。
ハナイグチ(右)と比べてみると、まあまあ白い。確かなシロヌメ感。
料理はシンプルにめんつゆ漬け、
つゆと水を2:1くらいの濃いめで漬け込みます。なんなら原液でもOK。
ヌメリ系キノコはだいたいこれがうまい。
しばらくおいてから、味見してみましょう。
シロヌメリイグチの味は?
漬けた翌日、仕事から帰ってきたらキノコ料理ができてます。なんて充実した生活…!
白米を炊いて、ぬか漬けを添えて…
シロヌメリ定食の完成。いただきます!
それではいただきまーーーす!
もぐ…ぶるん…
美味しい。
歯ごたえがブリッとしているのがヌメリイグチ系の醍醐味。
お味は、どことなく爽やかな香り。いっさいスパイスは使ってないんですが、カラマツの林の香りかな?これがとてもいい。
濃いめな味付けにしたのですが、ちょうど良いですね。ご飯がすすみます。
また次の日、余りをうどんと絡めてみました。これが濃厚でうンまいのです。
「あっ!しまった………」
たまご落とせばよかった…
菌世紀最大の失態。ヌルヌル系と絶対合うのに!
次はやりましょう。ごちそうさまでした。
まとめ
シロヌメリイグチを見分けてとってきて、食べる話でした。シロヌメリイグチを含む、カラマツ/マツのヌメリキノコグループは比較的わかりやすいので助かります。
覚えられるキノコを増やして、冷凍庫をキノコの煮付けで満タンにするのが夢を叶えるため、明日もひとつキノコを覚えていこうそうしましょう。
※野生のキノコを食べる際は自己責任でお願いします。よく観察し十分に鑑定する事を心がけて下さい。
シロヌメリイグチ(白滑猪口)
【採取場所】カラマツ林
【採取時期】秋(9月~10月)
ヌメリイグチ科ヌメリイグチ属。秋にカラマツの林で見られる管腔タイプなイグチの仲間。カサの表は茶色~薄い茶色でヌメリが強い。柄には肌色のボロ服のようなツバの名残が残る。シロ(白)と名につくが他のキノコほど白くはない。強いていうと同じ場所にでてよく似たハナイグチと比べると白いか。
参考にさせていただいた資料:Wikipedia
スペシャルサンクス:友人T氏
宣伝コーナー
【おまけ料理レシピ】ヌルヌルきのこうどん
【材料】
ヌメリ系の食用キノコ数種(なければ原木ナメコで)
ショウガ
めんつゆor醤油("にんべん"のが旨いです)
ミリン
うどん
卵
薬味(ワケギ・一味など、お好みで)
【作り方】
1.
キノコの汚れを落とす。
目立った汚れがなければ、水洗いしなくてもOK。
大きいキノコは一口サイズにカットしておく。
2.
水を沸騰させ、ショウガを少量と、ミリンを加え、キノコを茹でる。
ひたひたくらいで水を入れすぎないように。
キノコが一回り縮むくらい茹でる。シロヌメリイグチなら5分くらい。
3.
いったんキノコをザルであげ、汁だけにする。
汁にめんつゆor醤油を加え、好みの濃さになるまで煮詰める。
4.
3の火を止め、キノコを戻し、冷ます。
冷めたら冷蔵庫で5,6時間ほど寝かせる。
5.
うどんを茹で、冷水でさまし、4とからめる。
生卵(好みだけど黄身だけがオススメ)を落とす。
好みでワケギなど薬味を散らす。
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