キンモクセイでお酒を漬けてみた。トイレは禁句よ

2024年5月19日野草・山菜キンモクセイ,季節【秋】


キンモクセイの香り、好きですか?

私は大好き。

実家にいたころ、庭に1本のキンモクセイが植わっていて、縁側から香りを楽しんでいたものです。

キンモクセイの花
キンモクセイの花、10月上旬

なもんで、花を見るたびに、

良い香りだなあ…。あれをお酒に閉じ込めたら、どんなに美味しいお酒ができるんだろう…?

キンモクセイのお酒、1週間

などと思っていてですね、

その話を友人にしたんですけど…

「それって、トイレの(芳香剤の)香りなんじゃないの?」

なんて言われて凹んでやめちゃったのが5年前。

「でもやっぱり作ってみたい!」

という気持ちが再びわきまして、昨年作ってみたので報告です。

キンモクセイの花の採取のしかた

10月ごろ、キンモクセイの香る時期。

さぁつむぞ!とオレンジの花が色づくキンモクセイのもとへやってきたわけですが、

キンモクセイの木

このちっこい花、ひとつづつつむの?

辛くない?

ぷちぷちやっていたら日が暮れそうです。

キンモクセイの花

そこで対策を考えてきました。

使うのは、洗濯ネット。

こんな感じでかぶせて…

キンモクセイと洗濯ネット

ゆすったり、つついたりするわけですよ。

そうやると、パラパラと落ちて…

ほらこのとおり。

キンモクセイの花

これなら環境への影響も少ないハズ!

繰り返して集めていきましょう。

キンモクセイの砂糖漬けは難しかった

持ち帰ってきたキンモクセイの花を調理します。

まずは目が粗いザルでゆすってゴミを仕分け、

キンモクセイをザルでふるう

キレイになったところでビンにつめます。

んで、

シロップ漬けにするか?

お酒でリキュールにするか?

キンモクセイをビンにつめる

悩むところでありますね。

「まずは利用範囲の広いシロップでいってみよう。」

キンモクセイの砂糖漬け

ということで砂糖をギッシリ詰めて、瓶詰めにしてみます。

冷蔵庫で1日放置。

キンモクセイの砂糖漬け

…変化なし。

水が出たりしません。このままだと腐敗しそうだなぁ…

ってことで、けっきょくホワイトリカーを注ぐことにしました。

そうしたところ、わずか一週間ほどで黄色く染まってきました。

キンモクセイのお酒、1週間

良い兆候。

このまま数ヶ月おいて、熟成させてみましょう。

熟成したキンモクセイのお酒を飲んでみた

さて、時が進んで三ヶ月後、

オレンジだったキンモクセイの花が、ちょっぴり黒くなりかけてきた頃合い。

キンモクセイのお酒

年末年始でお酒を飲む機会があったのであけてみました。

御開帳…

ぱっかーーーん!

キンモクセイのお酒をつぐ

香りは…

オォ!!

満開のキンモクセイの香り♪

加えてアルコールの薬品臭さがすこし。

あっ…

これは、

「トイレの芳香剤の香り。」

ですね。

明らかにトイレを連想するやつです。

知ってた。

キンモクセイのお酒
キンモクセイの花が舞って、たいへん可愛らしい

まぁいただいてみましょう!

ちびり、ちびり。

ん!しっかり甘い。

口いっぱいに甘さが広がって、鼻から抜けるキンモクセイの香り。ちょっぴり既視感がありましたが、お酒の味としては悪くはないです。

もうちょっと置いて、アルコール臭さが飛んだら化けるかもしれませんよこれは。

半年たって飲めるようになってきた

更に二ヶ月たって、約半年が経過した頃合い。

花びらをザルで濾し、液体だけにしました。

こっからもう半年ほど放置してアルコールの風味を飛ばしたいところ。

キンモクセイのお酒、5ヶ月後

オレンジだった液体は、熟成が進んだのか茶色に染まっています。梅酒かウィスキーのように見えますね。

せっかくなので、ここで味見をしてみましょう。

香りは…

なんとなく前回より香ばしいような?メイラード的な香り?

ぐび。

ん!

前回より香りが重たい。花の香りと、カラメルかバニラのような甘い香りがします。

あと何となくコクが増しているような…?

それにトイレ感がおだやかになってるような?アルコール感が減ったからかな。

まだハッキリとはいえませんが、これは1年かければとても良い酒になるのではなかろうかっ。

まとめ

好きだったのに"トイレの香り"と散々な言われようをしたキンモクセイの香り。試しにお酒につけたら、予言通りトイレを連想する香りがする酒ができました。やったね。

しかし半年くらい熟成させたところ、コクが増しアルコール感が弱まり、トイレというよりお酒に近くなってきたのです。このまま1年かけて熟成させてみましょう。楽しみですね。

キンモクセイ(金木犀)

【採取場所】山裾、自然公園
【採取時期】9月~10月
モクセイ科モクセイ属。言わずとしれたオレンジ色の花をつける、2~4mほどの広葉樹。江戸時代に中国からやってきた。公園とかによく植えられているが雌株しか植えられていないため受粉できない。悲しい。樹皮がサイ(犀、動物の)に似ているから木犀。仲間にギンモクセイとかいる。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia、子供に教えてあげられる身近な樹木図鑑

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図鑑があると野山が楽しく♪

食べられる草の前に、食べられない草を学ぶのがオススメ

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【おまけ料理レシピ】キンモクセイのリキュール

【材料】
キンモクセイの花 xたっぷり
砂糖 x花と同量
ホワイトリカー x砂糖と花を足した重さの倍

【作り方】
1.
キンモクセイの花をGETする。
ザルか洗濯ネットをかまえてはたけば手軽に採取できます。
すぐ落ちるとは言え、花を鑑賞してる人がいなそーな場所でつみましょう。

2.
キンモクセイの花を、目の洗いザルでゆすり、ゴミを落とす。
汚い花があれば除去する。

3.
ビンにキンモクセイの花を敷き詰め、上から砂糖を加える。
最後にホワイトリカーを流し込んだら完成、冷暗所で放置する。

4.
3ヶ月後くらいを目処に、花をザルでこし、ビンに戻す。
1年くらい熟成させれば飲み頃になる(はず)。
トイレ感を楽しみたい場合は1ヶ月後くらいがオススメ。