イヌビワはビワじゃない?食べて確かめた

2023年3月7日木の実イヌビワ,季節【夏】

植物観察の会で出会った木の実。イヌビワ。

これ、植物図鑑で「食べられる野生の木の実」だと紹介されていて、いつか食べてみたいと思っていた植物なのです。

ちなみに味は?と言いますと、ええと…それがですね…。

イヌビワはこんな植物

イヌビワは植物を教えてくれる会で出会いました。

「これがイヌビワだよ。」

と教えていただいたのはその辺のヤブに自生している木。

っぱは楕円形のしっかりタイプ。ビワとはいいますが産毛のようなものは生えていません。

イヌビワの葉がちょーどついていて、これがビワっぽいからイヌビワ。

確かに形状はちょっぴりビワに似てる…のか??

イヌビワの実

検証。

犬じゃないビワの木はこちら。

ビワの木、すっと高くて葉の裏に毛がついているのが目印!

犬じゃないビワの実は、スーパーに売ってるしご存知だとは思いますが、こんな感じ。

拾ったビワの実、甘くってジューシー

うん。似てませんね!

名前つけたやつでてこい!

それもそのはず。イヌビワはビワの仲間ではなく、イチジクの仲間でまったく別の植物。

イヌビワの実

和名がついた頃は西洋からイチジクが来てなくて、イチバン似てるのがビワだったんでしょうかねえ…

それはさておき、イチジクといえば美味で知られるフルーツのひとつ。

ちょうど熟しているイヌビワの実があったので、味見をしてみましょう。そうしよう。

イヌビワの実は実は花

タイトルの日本語が混乱しておりますが!

実(じつ)はイチジクの実(み)って、いわゆる種を包む果実ではなく、未受粉のなんです。

内側のヒダヒダ。これが雄しべとか雌しべで、雄花の実と雌花の実がそれぞれ別に存在します。

つまり、ムシが雄花にもぐりこんで…
そのあと雌花にもぐりこんで…ようやっと受粉するわけで、めっちゃ大変。

ハチ@いらすとや

他の花と同じようにフルオープンにしたほうが受粉率高そうな気もしますが、何かしら理由はあったのでしょう。

知らん雄花の子を生みづらい(交雑しない)とか?

親のガード硬い系女子みたいですね!!

イヌビワをかじってみた

それで、かじってみた味はどうだったのよ?という話なのですが、

結論から申し上げますと…

無味。

食感こそふんわり柔らかで花ぶぶんがジャリジャリと、まさしくイチジクなのですが…

まったく甘みがないのです。香りもほとんどなくって、強いていうと花粉の味がするようなしないような…

「味がビワだったり…」なんて淡い期待もしたのですが、そんなこともなく、ただただイチジク食感で無味なフルーツ。

しかしこれ、先生の話では雄花は無味で、雌花が甘いとのこと。

食べたのは雄株の実(花)だったようです。雌花は別の木になるらしく(雌雄別株)この日は見つかりませんでした。

うーむ…また次回!

ごちそうさまでした。

まとめ

あこがれの木の実、イヌビワを食べてみました。しかしその味は雄花だったようで無味。雌花だったら甘かったのかも?しれません。次の目標は雌株を探して味見してみること。

しかし、これはこれでひとつ新しい味を知ることができましたからね。この知識の味こそが最高のご褒美。甘美甘美。

イヌビワ(犬枇杷)

【採取場所】海岸や沿岸の山地
【採取時期】4~5月
クワ科イチジク属。日本に自生する小型の落葉樹。卵型の葉や幹を傷つけると白い乳液が出る。触れるとかぶれる事があるため注意。イチジクコバチという種類のハチと共生関係にあり、受粉はこのハチにやってもらうのだそう。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia

宣伝コーナー

ドライイチジク旨いですよね

木の実を探すなら図鑑でチェック

【おまけ料理レシピ】今回はなし!

雌花の味をみてから書きます!