ハマエンドウを砂浜でつむ。でも有毒?
豆ってすばらしい。
美味しいし、お腹にたまるし栄養価も高い。そんな豆が野生で採れるとしたら非常に魅力的!
「でもカラスノエンドウとかはちょっとサイズがネェ…」
と思っていたら…
海岸にありましたよ!
けっこデカい野生の豆。
でもそんな一見すばらしく見える食べ物にも、欠点があって…
今回はそんな海岸に生えてる野生の豆の話。
砂浜にマメが生えていた
砂浜でマメに出会いました。
豆っぽい葉が地面を這うように伸びていて、ところどころサヤがぶらさがっています。
野生のマメというと、カラスノエンドウとかちっこいやつばっかりなのですが、
この豆はそこそこな大きさがあります!
何奴。
もしかして、その辺の農地から逃げてきたヤツ?
などと思っていたら、野草の先生が教えて下さいました。
これはハマエンドウという植物。
海岸に生えるマメ科植物で、れっきとした在来種。新芽とマメが食べられるそうな。
緑色のマメはカラスノエンドウより明らかに食べごたえがあって旨そう。
それにマメの新芽というと豆苗。間違いないやつ。
コレも同じような味なのでしょうか?
せっかくなのでどちらも味見してみましょうね。
…しかし帰って調べてみるとちょっぴり問題もあるようで。
ハマエンドウの毒性について
持ち帰ってきたハマエンドウ。
食べる前に安全チェックしときましょうね~~と調べてみたら…
えええっ!毒あるんジャン。
Wikipedia先生によると…
果実はエンドウのような形状で、若いものは芽と共に食用にできるが、下半身が麻痺するラチリズムを引き起こすオキサリルジアミノプロピオン酸などの毒成分を含むため、過食は禁物である。
– wikipediaより引用
…とのこと。
下半身麻痺とか、しれっとコワいこと書いてますね。
どおりで野草の本とかに乗ってないわけです。
とはいえ、国内外の文献を読んでいると、一般的にはよほど食べすぎなければ大丈夫っポイ。
よほどと言うのは「飢えてハマエンドウ主食にするくらい」のようで、
この毒成分、マメ科のうちレンリソウ属の植物に広く含まれているもので、過去に症状が出た記録はそれらを救荒植物として大量に食したときのようです。
例えば近縁種のグラスピーという豆であれば1日200g以上がボーダーライン(wikipedia調べ)とのこと。それ以下は中毒を起こさないことがわかっていて、インドあたりでは栽培しているらしい。
栽培!?食べ過ぎると下半身麻痺するマメを…!?
しかもけっこう人気らしい?
しかし、200gってけっこうな量ですよね。
サバイバルしてるときでもそんな食べられないような…?
まっ今回は100gもないはず。食べてヨシとしましょう!
※あくまで私個人の判断です念のため。
ハマエンドウを料理する
ではでは、いけるとわかったところで調理開始。
葉っぱはシンプルにおひたしにしてみましょうね。
茹でこぼせば毒成分も減るでしょうて…(なんだかんだ気になる
実はどうしよう?
鞘から外しちゃったし、普通に塩ゆででいいかな。
ぐつぐつぐつ~
さっと茹でたら塩をふって完成♪
ハマエンドウ御膳、完成です!
さぁ~味はどうでしょうっ?
ハマエンドウの味は?
まずは豆からいただきまーす!
ぱくり。
もぐもぐ…
おっ、いけますね!
苦味もなく、草っぽさもなく、ただの豆です。うまい。
続いて葉っぱもいっときましょう!
もっきゅもっきゅ…
んん~~~~
豆苗だ。
ほぼ豆苗。これもイケます。
豆はちっこいのですが、葉っぱのほうは食べごたえがあってよろしい!
答えが出ました。どちらも旨い。
味はだんぜんアリ。
毒性さえなければドンブリいっぱい食べたい味です。さえなければ…!
ごちそうさまでした。
まとめ
浜辺に自生していてデカめの豆をつけるハマエンドウ、食べて美味しいことがわかりました。ただし大量に接種をすると下半身麻痺を引き起こす毒成分を保有しているため、食べるのであれば味見程度にするのがいいようです。
逆にサバイバルをするときカロリー元にしてはいけないということ。覚えた!
ハマエンドウ
【採取場所】海岸の砂地
【採取時期】葉は通年、豆は6月ごろ
【民間療法】豆をリウマチに使用する
マメ科レンリソウ属。浜辺に自生するマメ科の一種。砂地の地面を這うように伸びる。紫色の可愛らしい花をつけ、エンドウマメに似た実をつける。下半身麻痺を引き起こす毒成分を含んでおり、多食は禁物。
参考にさせていただいた資料:Wikipedia、Wild Harvests
宣伝コーナー
日本の豆ハンドブック。まめまめしい。
植物図鑑を眺めるとお外に出たくなりますね
【おまけ料理レシピ】ハマエンドウの浜湯で
【材料】
ハマエンドウの豆 x少量(安全をみて20g以下にするのが良いのではなかろうか)
海水 xコップ一杯
【作り方】
1.
若くてきれいなハマエンドウの豆を採取する。
ほんのり黄色いものがちょうどよい。
2.
サヤをむき、豆を取り出しておく。
3.
綺麗な海水を汲み、沸かす。
4.
ハマエンドウを入れ、1分ほど茹でる。
5.
取り出して、いただく。
しょっぱくてうまい。