ヒガンフグの猛毒をよけて食べた話

2023年4月10日ヒガンフグ,季節【夏】


フグを食べるかどうか?

それは釣り人の永遠の課題だと思うんですよ。

でも、フグには致死性の毒があるんですよ?

ちょっと間違えたら死んじゃうんです。

普通に考えたら、ちょっとした美味しさと、命のリスク。そんなんつり合うわけないじゃあないですか?

そんなん食べるわけないですよね~~~~~

…しかし不思議な事にちょくちょく

「釣り人、フグをさばいて食べて死亡。」

みたいなニュースがあがってくるんですよね。

なんで食べちゃうの?

そんなに美味しいの?

「…そこまで言われたら、味を確かめたくなっちゃうじゃないですか!」

そんなわけで私が人柱になってきます。皆さんは死んでほしくないので食べないで下さいねって話です。

やるぞー!禁断のフグ食チャレンジ。

※フグは有毒で、食べると死に至る場合があります。本記事はフグをさばいて食べることを推奨するものではありません。絶対にマネしないでね。

東京湾でかぶせ釣りをやってみる

ほんとはクロダイ釣りだった

さてフグを釣ったときの話をしましょう。

やってきたのはとある東京湾の岸壁。

目的はクロダイ釣り。

友人にかぶせ釣りというクロダイ釣りに向いた釣り方を教えていただきまして。

練習を兼ねて、魚影の濃いここにやってきたというわけですね~

かぶせ釣りってどんな釣り?

せっかくやっているのでかぶせ釣りの話をしましょう。

シンプルな糸と針だけのしかけにをくっつけて沈める釣り。重りすらなくって、貝のカラが重り代わり。

釣り好きの友人に教えていただいたんですが、瀬戸内のほうの釣り方らしいです。

貝は牡蠣を使うのが由緒正しいそーですが、安いのでムール貝を使うことにしました。友人も使ってたし。真似だいじ。

【参考】実際に使ったかぶせ釣りモドキの仕掛け

イカダ竿は穂先が超しなる特殊な竿。安価なオルルド釣具のを使いました

この釣りのポイントは1箇所にとどまって、大量の貝を落とし続けること。

そーすることで、底に貝殻が溜まっていって、そのニオイが魚を寄せるコマセみたいな効果を生むっぽいです。

というわけで、着いたらすぐに始めたんですけど、

流れがはやいはやい…!

到着した時間が干潮ちょい前くらいだったんですけど、すっごい流れで貝がぶっとんでいきます。

貝が底につかずフワフワ浮いてる感覚…

これはダメだ…!

というわけで流れが落ち着くまで休憩。

釣れたのはフグだった

小二時間ほど待っていると流れが落ち着いてきました。

再開~~~

今度はしっかり貝が底に付く感覚がありますね。

数個貝を投げ入れたところで、コンコン♪ とさっそくあたりが

いいぞー!

と、リールを巻いていくと…

感覚が違いますね…

クロダイではない、少なくとも…

「おやおやおや。」

なんか知らないフグが釣れました。

背中がオリーブ色で腹は白、そしてけっこうでかいぞ!

一応キープしておきはしますが、

「どーせフグだし毒があるんでしょう?食べないんだからね。」

と釣りつつ、ネット検索してみると、

サバフグ

もしくは

ドクサバフグ

という種類のフグのようです。見分けづらくドクサバフグは身にも毒があるらしい。

これはたべられななななななななな…!!

とかやってたらヒット!

で、またフグ。

今度は違うフグ。

でもまた知らない奴ですね。少なくともお店で見たことはありません。

キープして釣りながら調べましょう…

「でも、どーせフグだし毒があるんでしょう?食べないんだからね。」

と釣りつつぐぐってみるとととととととっとととと!!

すぐに次!

今度は同じやつ。

貝のニオイにつられて群れがやってきたのでしょうか?

かぶせ釣り。流れさえ止まっていればすごいパワーを発揮するようです

そしてすぐに三つ目。

調べてみるとこのフグはヒガンフグという種類のフグのよう。

有毒部位は内臓と皮。身は食べてもへーきとのこと。

味はかなりいいらしくて、食べるひとは食べているみたい。

※地域によっては筋肉も弱毒になりえるらしく、かつ100%無毒ではないらしいです念のため。

小一時間くらい遊んだところで、潮が再び動き始め、フグフィーバーは終わってしまいました。

その後、潮が動き続けるまで続けたものの、本命のクロダイは釣れません。

東京湾のかぶせ釣り練習の結論:けっこう釣れる、が流れのない時合が短い!

んで、手元に残されたのはフグ四匹。

食べられるらしいですが…

【1】フグを諦めて、ボウズで帰る。悲しいけど安心安全!

【2】フグを食べる。おいしすぎて天国にのぼっちゃうかも!

ヒガンフグの猛毒ををさばいてよける

はい。結局持ち帰ってきてしまいましたね!

フグ三匹。

サバフグ?は逃しました。

ドクサバフグだと身に毒が入るらしく、さすがにリスクが大きすぎると判断。

身を確実に食べられるヒガンフグだけ持ち帰ってきました。

フグをさばくのは初めてなんで、YouTubeだのフグ職人のブログを参考にしてましたよ。

猛毒のある皮。

もういっちょ猛毒の内蔵を、傷つけないよう頭ごと外しちゃいます。

これで可食部の身だけなるみたいです。カンタン!

これでほぼほぼ安全。スーパーに売ってそう。

初めてなんで丁寧に薄皮もとって…

ここまでやれば安全に食べられるのではないでしょうか。

禁断のフグ食チャレンジ。ドキドキいっときましょう!

ヒガンフグはうまかった?

調理はシンプルに唐揚げで。

一口サイズにカットして、

ニンニク・酒・醤油と共にジップロックに入れ、

10分ほど味をなじませます。

これを油でカラッと揚げたら…

ヒガンフグの唐揚げ。

完成です。

猛毒のある部位は徹底的に除いたので安全のはず!

いただきま~~す。

もぐもぐ…

ぷりっとした弾力に、タレに負けない力強い味わい。

そうかこれがフグか。

うまい!

まぁフグはうまいもんですからね。

パクパク。

ヒガンフグはトラフグ並に旨いそうで、そりゃうまいワケですよ。

パクパクモグモグ。

はっ…!?

もうないんだけど!?

フグの唐揚げって蒸発するのかな!?

ごちそうさまでした。

(あとは、私が明日ちゃんと生きていれば完璧っ!)

まとめ

まず報告、生きてます。東京湾で貝をエサにする「かぶせ釣り」をやるとフグがたらふく釣れることがわかりました。しかし釣れるのはフグ、食べて死ぬこともある猛毒魚。

いちおうさばいて食べると美味しいことがわかりましたが、しかしリスクがとんでもないのでまたやるかと聞かれると…ウーンどうしましょうね。

※私的な範囲でフグを調理する場合、いわゆるフグ調理師免許は不要とのこと、私はこの範疇で調理しております。

※本記事はフグをさばいて食べることをすすめるものではありません。

※フグは有毒で、食べると死に至る場合があります。絶対にマネしないでね。

ヒガンフグ

【採取場所】沿岸部の浅瀬
【採取時期】通年
目が赤いため"アカメフグ"と呼ばれることも。フグ科トラフグ属。甲殻類や軟体動物など底物を食べる動物食の魚。皮や内蔵などに猛毒のテトロドトキシンを保有する。毒は餌由来の生物濃縮毒、なので人工餌を与えた養殖のフグは毒を持たない。自然界でも同様で、特に岩手県の"越喜来湾"と"釜石湾"、宮城県の"雄勝湾"で漁獲されるヒガンフグについては毒性が強いため食用不可とのこと。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia、下関のふく通信厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル
スペシャルサンクス:釣り好きの友人K氏

宣伝コーナー

針はこういうチヌ針を使いました

イカダ竿、シマノのいいやつ

ムール貝は生がイチバン良いらしい(友人談)、冷凍のでも釣れましたが

【おまけ料理レシピ】ヒガンフグ

毒魚なのでレシピなしです!