バンがBANされたので鷭棒々鶏で追悼しよう
皆さん大変です!!2022年の猟期からバン(鷭)が、
とって食べられなくなります!!
「どういうコト?」
と言いますと、狩猟法というのはホワイトリストで、法律上とっていい鳥獣が狩猟鳥獣としてリストアップされているのです。2021年の猟期まではバンはリストに乗っていました。
今回の話はそれが外れた。
つまりは…とって食べることができなくなったわけです。
アァー悲しいッ!!
バンという鳥は三鳥二魚と呼ばれる5大珍味に数えられていた味覚。そんな食材が世間から消えたわけです。(ちなみに残りはツルとヒバリでどちらも食べられません)
なんと悲しいことかーーーーーっ!!
私は運よく去年に味見できていたので、そのときのレポート(2021年)を載せておこうそうしましょう。
バンってどんな鳥?
バンの話
バンというのはクイナ科の水鳥。一見カモと似ているように見えますがかなり遠く。ツル目の鳥です。
なんとカモ類にありがちな“水かき"がないほど、なので泳ぐより歩くほうが得意。
大きさはハトくらい。特徴は黒っぽいボディと、黄色い足にクチバシ。そのクチバシは繁殖期(夏)になると赤く染まります。トレードマークというやつですね。
バンという名前は「田んぼの番をしているみたいだから」。と言われるくらい水田を好む鳥で、日本の稲作文化とマッチ。田園地帯ではメジャーな鳥なんだとか。東京あたりにはさっぱりいないんですけどね。
オオバンの話
ちなみに近い仲間にオオバンという鳥がいます。
こちらはクチバシが白く、少し大振りな見たで同じように水田近くに住んでる鳥です。バンよりちょっぴり水かき(のようなもの?)が発達してるのがチャームポイント。
猟師はよく大きい方をビッグバン。でもって、
小さいほうスモールバンと呼んだりします。
個人的にはミニバンのほうがしっくりくるのですが…うーむ宇宙。
ちなみにこちらは1975年に狩猟鳥獣から外れており、私はどうやっても食べることができません。残念ですね。
バンをとった日
2021年の猟期に某県某所の水田地帯でゲット。
Hさんと共猟で、小川横を車で流していると…小川のフチをひょこひょこと歩く本種を発見。車を止めていただき、エアライフルで撃ちとりました。
それほど警戒心がないのか、車から降りても飛び立たなかったのでラクショーでした。若かったのかも?
羽は体に比べると小さめで、飛ぶのは得意でなさそう。
水かきの無いほそっこい足にはちょっぴり違和感があります。こんな足でも生き残れるんですねえ…
はっ、もしかして田んぼに特化した姿がこれで、だからこそ生き残れたとか??
そんなバンはありがたく雪で冷やしつつお持ち帰りしましたよ。やったぜ初バン!
(このときはこれがラストバンになるとは思っていませんでした…)
バンの毛はロウでむしるよ
さて、持ち帰ってきたバン、食べるにはお肉に加工しなければいけません。
しかも話によると毛をむしるのが超しんどいとのこと。
そんなにしんどいのか…うーむ?
と試してみたところ、たしかにキツかったです…
特に肌についた黒い産毛がキツイ。
バンとロウ
そこで秘密兵器を用意しました。
それはロウ。
ロウを溶かして羽につけ、ロウごと羽をむしるロウ剥きという手法があるのです。
本にも載っているメジャーな方法。ロウはパラフィンワックスというタイプでAmazonで入手しましたよ。
いらないフライパンで溶かしてー
バンを固めるッ!
ババーーーン!
おぉ…なんというか…
「お前も蝋人形にしてやろうか~~~~!」
というセリフが聞こえてきそーな不気味な姿。ごめんねバンくん。
でもですよ?
ロウの力はすごくって、
あっさりとバンの丸剥きに成功!!
脱皮をするようにバリバリと、産毛もほとんど残さずスッキリ。
これは素晴らしい。
コツはしっかり冷やすこと!覚えました。次も使います。
バンは棒々鶏で食べる
さて、バンをどう料理してくれようかというところですが。
ここはせっかくなのでバンバンジーでいきましょう。
何しろバンバンジーの語源はバンで作ることだからですしね
“バンをバン!!って撃って作る"からバンバンジー。
…すみません嘘です。
“棒々鶏"という字の通り鶏を棒状に切るからで、バンで作ったらバンバンバンですよね、それはそれとして面白い名前だからヨシですよね。
さて、
蒸して棒状にカットした野菜を盛ったら、
そこにオンザ・バン。
ババババーン!
棒々鷭(バンバンバン)完成です。
バンを焼く
もーいっぴん。シンプルな味を楽しみたいということで、ただただ焼いてみました。
ワッフルメーカーに、バンのモモ肉と砂肝をオン。
じーっくり弱火で加熱。
したものがコチラ。ばばーん。
バンの鉄板焼
とでも呼びましょうか。
さて、いったいどんな味がするんでしょうかね。レッツ味見。
バンの味は?
バンの味は?
まずはシンプルな鉄板焼のほうからいってみましょう!
調味料はコショウと塩だけ。
まずはムネ肉からいってみまーす。
ぱくっ!!
もぐもぐ…
あぁーナルホド。
カモと同じ系統ですね。いわゆる野鳥の味。悪くはないですが特別ではない味。
続いてモモ肉。
ぱくっ。
んっ、美味しい。
食べやすい鶏肉系の風味。足をよく使うからか?ぶりぶり食感で旨味たっぷり。
カモとかだともっと硬いんですけど、バンはほどよい食感。これが珍味に数えられる所以でしょう。
ちなみに砂肝もカモと比べると柔らかくて食べやすい味でした。これも珍味♪
バンバンバンの味は?
さて、お次はバンバンバンいっときましょう。
まずは特性のゴマダレをたっぷりかけてね、
バンと野菜を棒状にカットするから、棒々鷭♪ばばんばーん。
いただきまーす!
パクリ。
もぐもぐ…
ああぁぁーー
クセが消滅しました。
ゴマダレの香ばしさのチカラで野性味が封印されましたね。この調理方法は鶏のクセを消すやり方なのでしょう。
ジビエが苦手な人には良いかも?しかしちょっぴり勿体無い気もします…。
ごちそうさまでした。
ありがとうバン。そしてさようなら!
まとめ
2022年度の猟期からとって食べられなくなるバン、2021年のときの食べてみたレポートです(大事!!)
三鳥二魚に数えられるごちそうの味はいかに!?と食べてみたところ、カモに似た味わいでかつ柔らかな食感をもつ不思議な味。特にモモ肉が旨い。しかし日本ではもうこれを食べられないと思うと、ちょっぴり残念ですねえ。
バンが抜ける代わりにツルとか狩猟鳥獣に入りませんかね?でっかくて食べごたえありそう(なりません!)
【本種は2022年度の猟期からとることができなくなりました】
バン(鷭)
【生息地】田んぼの近くの小川
ツル目クイナ科。水田・湿地などの止水域を好む水鳥。雑食で穀物や甲殻類など何でも食べる。家族の絆が強い鳥で、先に生まれた子が次の子の世話をする。近年数を減らしているが住居である水田とヤブが減ったからだと思われる。生物多様性の土台作りが急務。
参考にさせていただいた資料:Wikipedia、狩猟読本、エアライフルの教科書
宣伝コーナー
エアライフルで狩猟を始める方向けのガイドブック。私も読んで学びました。
ロウはこれを使いました。格段に羽むしりが楽に!
ワッフルメーカーはこれ!
【おまけ料理レシピ】バンバンバン
【材料】
トマト x適量
きゅうり x適量
もやし x適量
バン x適量 ※なければ鶏ササミで
・たれ
炒りゴマ xたっぷり
味噌 x大さじ1
醤油 x大さじ1
みりん x大さじ1
砂糖 x大さじ1
【作り方】
1.
バンは蒸して、棒状にカットしておく。
2.
モヤシはさっと茹でて水をきっておく、
キュウリは棒状にカット。トマトは薄切りにする。
3.
ゴマをしっかりすって、調味料と合わせておく。
余裕があればかる~くみりんのアルコールを飛ばす程度に加熱する。
4.
皿に、トマト→モヤシ→きゅうり→バンの順で盛る。
最後に3のタレをかけて完成。冷やして食べると旨い。
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