イヌマキの実をまた食べたい!思い出の二色団子の話

木の実


“二つの実がくっついて、二色だんごみたくなってて、片方は食べられて、片方は食べられない"

そんな実があったんだよね~~~?

…という幼少期の記憶。

子供のころ亡き父に実家の駐車場の生け垣の前で「この実が食べられる」て教えてもらったんですよ。

甘さは控えめでそんな美味しいものではないけど他の果物どれとも違ったんです。

「またあの実を食べてみたいけれど、売ってないし?いったいあれはなんだったのか?」

と想いをはせていたわけですが、この活動をはじめて木の実図鑑をぺらぺらめくっていたとき、ついに見つけました。あれはイヌマキというらしい?

…というわけで今回はそんな思い出ぶかいイヌマキの話。

イヌマキってどんなやつ?

これは奇麗に刈り込まれた公園の垣根なわけですが、

イヌマキの生け垣

細長くて短い葉っぱがギュッと詰まっているところを、よ~~く見ると…なんか実めいたものがついています。

イヌマキの実

これがイヌマキ。ほらほら、かわいい二色だんごがついていますよ!!

イヌマキの実

マキ科イヌマキ。強い植物でありかつ挿し木で簡単に増えるので、垣根によく使われます。

イヌマキの実

うちの実家もそうで、駐車場と家の間にイヌマキの生け垣がありました。ちなみに今はリフォームしちゃってもうなくて、背の高いのが1本だけ残ってます。

右手の駐車場との塀が昔はイヌマキでした
実家、右手の駐車場との塀が昔はイヌマキでした
左奥の頭をちょんぎられたのがイヌマキ(親がやらかした~って後悔してた)
左奥の頭をちょんぎられたのがイヌマキ(親がやらかした~って後悔してた)

問題です。じつはこの二色団子片方が毒であり、もうかたっぽが美味なフルーツなのですが、

…さてどっちが食べられるでしょう?

イヌマキの実

正解は~~~!

この粉をふいたブドウめいた紫のほうが可食部!

緑は種なので食べられません。

ちなみにこのイヌマキというのはマツやスギに近い針葉樹。果物には近い仲間がありません。だからこんな独特な見た目なのですよね。

余談、イヌマキの大害虫「キオビエダシャク」がこわい!

祖父母の家にも立派なイヌマキの生け垣がある(あった)のですが、帰省したらなんかボロボロになっていました…

イヌマキ

話を聞くと今年は毛虫が大量発生して、葉っぱを食い尽くしてしまったそうです。えぇぇぇぇぇぇ!?

気がついたときには大半の木が丸裸にされてて、あわてた祖母は竹ぼうきではたいて回って落として、キンチョールを吹きかけて被害を食い止めたんだそうです。

あわや危機一髪。ちなみに祖母はその騒動で腰をやったそうな…被害甚大!!

そのあと駆除剤をかけたおかげで被害は一角ですんだそうですが、くわばらくわばら…

キオビエダシャク(wikipediaより)
キオビエダシャク(wikipediaより) ※幼虫の写真は自粛

数年おきに一度大発生するらしい。生活のそばにあるからこそ、虫害もそばにある。

イヌマキの実を食べてみる

いくつかつんで持ち帰ってきました。

イヌマキの実

さっそく食べてみましょう。いただきま…

おっと!その前に、タネのほうをはずさないと…(ぷち)

イヌマキの実

いただきもぐもぐ。

うん美味しい。酸味はほぼなく、上品な甘味とわずかな香り。ジューシーかつぷるんとした弾力がいい。

イヌマキの実
イヌマキの実。種は外側にあるので、中にタネが入ってないのも偉(えら)ポイント。たべやすい

駄菓子のゼリーみたいな感じかなあ。もしくはやや味の抜けたマスカット?(ひどい)

めちゃうま、てわけではないのですが、そこらの公園に駄菓子がなってるとおもえばかなり良いのではなかろうか。

何より思い出の実をまた食べられて嬉しいのです♪

イヌマキのタネ

そういえば種はどんな感じなんだろう?

ためしに半分に割って、ぱっかーこんな感じ、

イヌマキのタネ

緑色の皮の中に胚があるかんじ?

断面をなめてみます、ぺろ(良い子は真似しないでね)

うーん?しぶくてまずい味?まぁ間違えて食べることはなさそうですね。

ごちそうさまでした。

もっとつんでくればよかったかな~

まとめ

幼少期の思い出の果実、イヌマキの話でした。子供の頃にいちどかじってから幾星霜、思い出の味を再び味わう話でした。激甘でも甘酸っぱくも刺激もなくてほのかな味なのですが、それがまたいいのですよね。

この活動を始めなければ再認識することはできなかったかもしれません。いやむしろ子供の頃の経験があったからこの活動をしている?これは宿命…?

イヌマキ(犬槇)

【採取場所】公園・その辺の生け垣
【採取時期】秋
マキ科マキ属。日本在来の常緑針葉樹で関東から九州の山野で普通に見られる植物。強い植物であり、家庭や公園の生け垣としてよく利用される。こう見えてマツやスギに近い針葉樹の一種。このグループでは珍しく液果をつけそしてうまい。緑の種は有毒(毒成分イヌマキラクトン等)なので食べないように。

種子は、イヌマキラクトンA、B、C、E、ナギラクトンC、Fを含む。茎葉は、精油のα-、β-ピネン、カンフェン、カジネン、カウレン、昆虫変態ホルモンのエクジステロン、ナポステロンA、マキステロンA~D、ヒノキフラボン、ネオクリプトメリン、ステアドピチシンを含む。(奄美群島生物資源Webデーターベース より引用)

参考にさせていただいた資料:Wikipedia

宣伝コーナー

生け垣にイヌマキいかがでしょう。Amazonでも売っていますよ

イヌマキ長者のあなた。手作り薬用酒はどうでしょう

77%とかの高アルコール製品で果実酒つくったらめちゃうまなのではなかろうか…?

【おまけ料理レシピ】イヌマキの果実酒

【材料】
イヌマキの果実
ホワイトリカー 35度
氷砂糖(もしくはグラニュー糖)
レモン ※好みで

【作り方】
1.
イヌマキの実は紫~青のよく熟したものを摘む。
緑の種をはずしておく。

2.
よく洗ってアルコール消毒したビンに、イヌマキと氷砂糖を2:1の割合で詰める。
ホワイトリカーをそそぐ。

3.
半年寝かせたら果実を抜き取る。

4.
1年熟成させたら完成。

イヌマキの果実は羅漢松実(ラカンショウジツ)と呼ばれる生薬であり、果実酒として服用可。主な効能は胃痛・頭痛などに効果あるとのこと

参考: 熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース