ノビルのお料理便利帳
ノビル、あいつは本当に何処にでも生えていますよね。
河原にはもちろん。
ホラ、生えてる。
都心の公園にだってモサモサ生えてる。
道路脇の植え込みにすらギュギュっと生えてる。
それどころか、コンクリのすみっこにもほらシャッキーン…!(ノビルくんがんばった)
とまあ、こんな勢いでどこにでも生えるノビル。
今回はそんな何処にでも生えるノビルを料理に取り入れて活用しよう!というお話です。
ノビルとは?
これからノビルをはじめていく方のために、ノビルについて簡単に説明しておきます。
ノビルとは… 野生のネギ です。
以上!
ハイ、スミマセン。簡単にしすぎました。
ノビルは野蒜と書き、昔から平地に自生しているネギの一種です。先述の通りとても生命力と繁殖力が旺盛で、日本のほとんど何処にでも生えています。
ちなみに韓国などではキムチやチヂミに積極的に利用される庶民的な野草なんだとか。
見た目はスーパーに売られている「ワケギ」に似た雰囲気なのですが、さて味はといいますとしっかりとした固さで白い部分に辛味をもつ「長ネギ」寄りの風味。
また引っこ抜くと根部にタマネギのような鱗茎を持つ事が特徴。
この部位はそのまんまタマネギに似た味わいで、葉とは別の使い方ができます。
よく話題になるノビルに似た毒草にスイセンなどがありますが、ノビルは以下のような特徴を持つため比較的かんたんに判別可能。
・中空であること
・断面が三角形であること
・ネギのにおいがすること
見分けるポイントが多く間違いづらいのも評価ポイントだと言えるでしょう。
このノビルの何がスゴイって、誰も世話をしていないのに美味しいこと!
荒れ地で誰も水をやってくれるわけでもないのに、このプリッとした根とシャキシャキした葉を提供してくれるのです。例えばこれがニンジンだったらきっとゴボウのように固く細くなっていることでしょう。ノビルえらすぎか!
ノビルをとる
さて、そんな偉いノビルをとるには「ちょっと掘る」のがコツ、引っこ抜こうと強い力をかけるとプチッと折れてしまいます。
スコップなどで掘る場合、せっかくの根を傷つけるともったいないのでノビルの少し手前から入れていきましょう。
手前から削るようにノビル側に掘っていき、近くまできたら後はやさしく手でほぐすように崩すとベター。
また、採取が終わったら、掘った穴は食べないくらい小さいノビルと共にきちんと埋めましょう。そうすると同じ場所にまたノビルが生えてきます。つまり無限ノビル、必ず埋めましょう。約束ですよ。
ノビルを食べる
それでは本題、とったノビルを食べます。
ノビルは極論そのまま味噌つけて食べられるくらい優秀な食材なのですが、調理をするとよいっそう美味しくいただけます。
ノビルの下ごしらえ
ノビルはよく洗って、根っこの鱗茎ぶぶんの薄皮をペリッと剥いておきましょう。
茎と根で食感が異なりますので、切り分けて使ってもOKですし、
分けずに、ノビルの根に葉を巻いて一口サイズにするのもアリです。
さて、下ごしらえが済んだら調理していきましょう。
ひとくち湯でノビル
シンプルに茹でただけ。味噌をつけて食べるとシャキッとカリッ。ほのかな甘さと味噌が合います。口の中が芳醇な香りでいっぱいになり「酒をもてえー!日本酒を所望するーーー!」ってなることうけあい。
先述の「ノビルくるくる」をやって一口サイズにすると食べやすくてよろしい。
ノビルソース
下ごしらえのすんだノビルをお好みの大きさに刻みまして、
醤油1:みりん1のタレを加えサッと火を通します。お酢と、ゴマ油もしくはラー油もお好みでどうぞ。
これだけで出来上がる常備菜がノビルソース。
蒸し鶏にタップリかけてみました。ほおばるとさわやかなネギの香りがブワッと広がりたまらない美味しさ♪たまに歯に当たる根のコリコリっとした食感がノーマルなネギにはない特別な喜び、すばらしきかな~!
ノビル入り卵焼き
湯でノビルで鱗茎だけ食べたいときがあったりします。そんなときに残る葉っぱ、これは卵焼きに混ぜ込んでしまいましょう。
割った卵にきざんだノビルをタップリと。少しの醤油と砂糖を加えて焼き上げます。ノビルの野性味がネギというよりなんだかニラ?これはニラなのでは?という雰囲気を醸し出し、ニラタマ焼きのような味わいに。アリです!
ノビル餃子
ニラっぽさがでるのであれば!!ということでニラの申し子である餃子もイケます。
ノビルの鱗茎を包丁でざくざくきざみまして~
豚肉とまぜまぜ。このときは葉っぱを別に使ったために入れませんでしたが、入れるとよりニラっぽさがでてGood。
餃子の皮でテキトーにそれっぽくにつつんだら~
フライパンで蒸し焼きにしましょう。
でん!ノビル餃子。皮に封印されたノビルの野性味がはちきれるそのとき、約束されたウマさがあなたに訪れるでしょう!
ノビルのてんぷら
野草・山菜界においててんぷらでマズいものはないと言われておりますが、ノビルもいわずもがな。
刻んでかき揚げにするのもステキなのですが、今回はノビルくるくるに天ぷら粉をまとわせ揚げてみました。
カリッといっちょう揚がり。揚げることで鱗茎に甘みがでてきて、香りとのマリアージュがたまりません!塩だけで十分、上品な味わいで何個でも食べられそうです。ビールかな~??いやハイボールもアリですね~~~!!
以上!
ノビル料理の紹介でした。
他にもうまいレシピをお持ちの皆様ぜひコメント欄で紹介してください♪
まとめ
ノビルは色々な料理に使える万能選手。万能ネギよりも万能かもしれません!それでいて、どこにでも生えており簡単に採取することができます。
きっとあなたの身近にもノビルは生えてます。ぜひぜひ探してお好きな料理に使ってみていただきたい。それではよいノビルライフを。
ノビル
【採取場所】山裾、河原、空き地、土があればどこでも
【採取時期】1年中
ヒガンバナ科ネギ属の多年草。野蒜と書き、蒜(ヒル)は昔の言葉でニンニク。野生の蒜ということで野蒜という名前になったんだとか。古事記にもその名前が出てくるほど古くから食べられていた。春が旬だがほとんど年中採取できる優秀な野草。鱗茎が分裂して増えるほか、夏にはムカゴでも増えるたくましいヤツ。
書籍紹介
食べ方と野草がわかりやすく紹介されてます!
山菜を探すならハンディサイズの本は必携ですよ~!