アライグマを東京でカジュアルにとる方法③ アライグマの罠にかけ方

2022年4月18日狩猟アライグマ,季節【冬】


何かと敷居が高いと思われがちなシュミ、狩猟。

その登竜門として私がおすすめしたいターゲットはアライグマ。

理由はお手軽なターゲットであるためです!!

第一回で狩猟の準備が整い、

アライグマを東京でカジュアルにとる方法① 狩猟の準備と道具

第二回でアライグマが居着いている畑を見つけた!

アライグマを東京でカジュアルにとる方法② アライグマはこうやって見つける

さーて、罠をおくぞーーーっ!

ということで適当にぽーんと罠を置いてもアライグマが入るものではありません。

※追われてるときなど、稀に入る場合もありますが!!

うまいことアライグマを罠に入れるにはコツがあります。今回はそのコツについて簡単にお話したいと思います。

罠にかけるにはまずはエサ選びから!

奴らは常にハラペコ!

常に貪欲にエサを探しており、旨そうなものがあれば植物性・動物性関わらず食します。

お気に入りのエサを見つけたら毎日のようにやってきますよ。農家の野菜とか!

とはいえアライグマにも好みがあるようで、有効なエサ・あまり効かないエサがあるようです。

ここを抑えるのが罠猟のキホン。

我々ニンゲンも、

ラーメン屋の旨そうな看板が見えたら、ついつい覗いてみてしまったりしませんか?

焼き肉屋のイイ香りがすれば、ついふらっと引き寄せられたりするでしょう。

※個人の好みはあると思います!

アライグマも同じ。好みのエサを見せれば積極的にやってくるわけです。

経験上アライグマに有効なものは、

・甘いもの
・香りの強いもの
・脂肪分の豊富なもの

などなど。

それをガッツリ抑えた、

キャラメルコーン

のような甘いお菓子が最も効きます。慣れないうちはコレを使うのが間違いないでしょう。

※アメリカの獣にはアメリカのお菓子。個アライグマの好みはあると思います!

慣れてきたらアライグマの行動を観察し彼らの食べている物を使うのも有効です。

例えば、柿の木が近くにあるなら柿の実を、野菜が食害されてるならその野菜を、といった具合に食べ慣れているものを用意するわけですね。

ちなみに動物性のエサも効果的なのですが、肉や魚を使うと猫など狙っていない獲物がかかる可能性があるためあまりオススメしません。

エサは三種類を使い分ける!

さて畑にドン!と罠を置いても、アライグマがそれに気づかなければ意味がありません。

例えば、公園に一億円入ったトランクケースが置いてあったとして、

そのまんまでは、誰もが気づかずスルーしてしまうのでは?

では、周囲に万札散らばっていたらどうでしょう。

気になってついつい近づいてしまうのではないのでしょうか!

使い方としてはそんなイメージでOK、

箱罠でアライグマを狙う場合を想定し、ざっくり三種類のエサの使い方を紹介させてください。

寄せるエサ

第一にターゲットにエサ(と罠)に気づいてもらう必要があります。

どうすれば良いかというと、

まず動物の通り道がわかっているのであれば、通り道から誘導するようにエサをまきます。

イメージ図。黄色いのがエサ

くいしんぼなアライグマはエサにつられて罠に誘導されるというワケですね。ちょうど童話にでてくるパンくずの道しるべようなイメージ!

また、通り道がはっきりしないのであれば広範囲にばらまいておくパターンもアリ。

黄色いのがエサ。花粉を撒いているわけではありません

エサの味をしめたアライグマは周囲を丹念に探すため、いずれは罠にたどり着くことでしょう。

どうやるのが良いのかは場所によりけり。観察しつつ撒き方を工夫してみるのがコツです。

誘うエサ

次にエサに食いついたターゲットを罠に寄せるのですが、これは罠の入り口にエサを巻きます。

トリガーは踏み板のイメージ。逆さにしたゴミ箱ではありません

そして罠の玄関からにかけて誘いかけるようにエサを撒いておきます。

アライグマに一時の夢を見させるイメージでエサをまいておくイメージでどうぞ。

食わせエサ

最後は罠のトリガー作動させるエサです。

踏み板式の箱罠であれば、以下の図のように踏み板の奥にデンとたっぷり!

黄色いのがエサ、脳内メーカーではありません

釣り餌式の箱罠であれば、とびきりのごちそうをひっかけておきましょう。三角コーナーのネットのような丈夫な入れ物にエサを詰めておくのも有効です。

エサの使い分けが大事!

この三種類のエサは基本同時に使うのですが、量を使い分けるのが重要です。

まだアライグマが居着いてないのであれば、寄せるエサを強めに!

すでにアライグマが通ってきてるのであれば、誘うエサをたっぷりと!

誘うエサを食べきってなおかからないのであれば、あえて誘うエサをやめて食わせエサオンリーにしてみるとか!

色々工夫してやってみるのがオススメです。

また、ここで活躍するのがトレイルカメラ、

トレイルカメラでワナの様子を撮影しておくと、アライグマがどのようにエサやワナにアプローチしているのか実際に見て観察できます。そこから攻略方法を見出す事も可能。

ワナから少し離れた場所に設置し俯瞰で撮影するのがコツ。

かかったアライグマは決して逃さない!

最後に、ある意味で最も大切な事、それは逃さないこと。

アライグマが可愛くてついつい釈放してしまう…。

なんて甘い話ではありません!

アライグマは手先が器用かつ力が強い生物。油断をしていると罠を破壊して逃げてしまうのです。

逃げられた罠。コンクリで縛って固定していたつもりがコンクリごと動かされる始末

それに、罠から逃げたアライグマは罠を学習してしまい、罠にかかりづらい非常に厄介なアライグマを生み出してしまいます。

そこで逃さない為の対策をみっつ紹介致します。

罠を完全に固定する

罠によるかとは思いますが、一般的に逆さになると扉が開きやすくなります。

重たい罠でも獣が暴れれば簡単に転がっていってしまいます。

杭を使ったり、十分な重しを載せたり、周囲の建造物に固定するなど、ガッチリ支えておきましょう。

アライグマの手が抜けないよう目張りする

アライグマは手先が器用です。罠の網目をすり抜けて手を伸ばしロックを解除してしまう事がありあます。

ですので、特にロック機構のある面(前面など)は針金などでアライグマの手が通らないよう対策として目張りをしておきましょう。

もしくは、最初から前面パネルが鉄板でできている対策済みの製品を用意するのもオススメ。

また、背面のエサ交換口など強度の低い箇所は針金やインシュロックで補強をしておきましょう。

大型のアライグマは多少のロック機構では引きちぎってしまうほどのパワー。決して油断してはいけません。

何はともあれすぐに回収すること

最後に最も大事なことは、罠にかかったアライグマはなるべく早く回収すること!

理想はかかった翌朝の回収。

夜間でも可能な限りすぐ回収できればベスト

時間をかければそれだけ逃げる猶予を与えることになりますし、場合によっては他のアライグマに警戒されます。

シメる時間がなくとも、一旦結束バンドなどで扉を補強しておくだけでも逃亡率はグッと下がります。

そのためには小まめに見回りをすること、難しければLTE対応トレイルカメラなどで逐次状況を確認する事も有効でしょう。

まとめ

以上、今回はアライグマをワナにかける為のエサの選び方・使い方、そして逃さない方法について触れさせていただきました。

次は実際に確保したアライグマをどうやって処理するか、説明をさせていただきます!

アライグマ

【採取場所】畑、水辺、山裾
【採取時期】猟期(11/15~2/15)
食肉目アライグマ科アライグマ属、タヌキに似ているが別種で、北アメリカ原産の外来種。ペットとして日本に持ち込まれた。非常に手先が器用かつパワフル。エサ箱のフタを開けて中身を食べたり、防鳥ネットを引きちぎって池のコイを食べてしまったりする。

【注意】
本種は鳥獣保護法により保護されております。とるには狩猟法にしたがう必要がありますのでご注意ください。

参考にさせていただいた資料:狩猟読本、これから始める人のためのわな猟の教科書

参考書籍のコーナー

ほのぼの罠猟マンガ。入りやすいので、狩猟に興味あるけどよくわからんって方におすすめです!


狩猟をある程度知っている方はこんな本がオススメ。基礎が丁寧にわかりやすくまとめられています。

アライグマを東京でカジュアルにとる方法【次回予告】

本コラムは、以下を予定しております!

第一回

・狩猟の準備と道具

第二回

・アライグマがいる場所の探し方

第三回

・アライグマの罠のかけ方

第四回(予定)

・罠にかかったアライグマの処理方法

・アライグマの血抜きと解体について

・アライグマの美味しい食べ方