バンダイキノリ?パンジャム地衣類を食べてみた

2023年11月30日野草・山菜パンジャム,バンダイキノリ,ヤマヒコノリ


とある山で友人と山菜採りをしていたときのこと…

モジャモジャした塊がたくさん生えてるんですよね。

こ、これは!

Oak Moss(オークモス)!!

テキサスのWEBサイトで見た食べられる苔(地衣類)じゃあないですか。

見た目だけだと、日本でいうところのバンダイキノリと言う種類っぽく見えますが?

日本でも青森とかで食べるらしい!
パンジャム
と呼ばれて、煮て柔らかくして食べるんだそうです。

そんなわけで、今回は意外と世界各地で食べてる"キノリ"をとって食べてみた話です。

バンダイキノリってどんなやつ?

キノリとは、主に木の上でモジャモジャしてる苔の仲間、梅の木とかについてる"ウメノキゴケ"とかの遠い親戚。

こんな感じ↓のうっそうとした森の中に生えていました。

木の上だけでなく、地面の上でモジャモジャしている場合も、

どういう生物なんでしょう…?

触ってみると、ゴワゴワした質感。

ノリというより、乾燥した海藻?本当に生きてるのか疑問。

でもこれはこれで生きているハズ。

なぜなら、キノコの子実体みたいなのができてます。これは子器盤という組織で、胞子を作る役割を持ってるらしい。つまり繁殖してるってコト!?

このモジャモジャ、至る所にいて、太いやつ細いやつ、モジャモジャしてないやつ…などなど、見た目がちょっとづつ違うんですよね。成長過程かも?と思ったんですけど、違う種類なのかもしれません。

さきほどは「日本でも食べるバンダイキノリかも?」と言いましたが、怪しくなってきました。

とはいえ、こんなもの区別せずに食べていたはず…(想像)

それっぽいのを持ち帰って食べてみましょう。

※良い子は真似しないでね

バンダイキノリ?ヤマヒコノリ?パンジャム苔の下ごしらえ

とったこれ。

針葉樹林帯だったので、バンダイキノリではなくてヤマヒコノリかも?

バンダイキノリはブナらしいんですよね。それに子器盤も褐色だし。

まぁ、針葉樹帯のもブナのも変わらずパンジャムとして食べるらしいので、毒はないはず、レッツチャレンジ!

※真似をして食べる際は自己責任でお願いします。

参考にした資料によると「米の研ぎ汁で茹でてから食べる」とのことですが、水じゃだめなの?

試しに普通に茹でてみよう。

ぐつぐつ~

2~3分ほど茹でてみました。

結果、あんまりかわらんですね。やわらかくなってゴミくらいは取れるかと思ったんですがダメ。

ごわごわして明らかにマズそう。

これはあれを使うしかないのでは?

てててっててー!
変なものを食べる皆の味方、重曹!!

例のテキサスのWEBサイトに、重曹でアクぬきをして食べると記載があったのです。

重曹を大さじ一杯入れたお湯でリトライ。

沸騰したタイミングで入れ、火を止めて、冷めるまで30分は放置…

チッチッチッ…ポーン!

おっ、なんか変わってきましたね!?

取り出してみるとこんな感じ!

海藻みたいなテロテロ質感に変わっています。なんとなく美味しそうな雰囲気!

少なくともゴミ掃除はできそうです。

パンジャム苔の味は?

なんとなく質感がもずくに似ているので、

それっぽい味付けにしてみましょうか。

石垣島で食べた「ニンニク・シークーワーサー味」でいってみましょう。

めんつゆに、ニンニク・シークワーサー果汁を入れるだけっ!

完成、

パンジャムの石垣島もずく風。

いただきます!!

つるつる…もぐもぐ…

これは…

完全に、もずく。

言わないで出したらバレないのでは?

つるつるとした食味で、クセはほぼありません。とはいえ味もほぼなくて、タレの味。

(でも、アク抜きの手間を考えるとモズクで良いかな)

とはいえ、山のど真ん中でこういう食味のモノは中々ありません。

「山菜採りをしたとき、一緒にモズクを食べたくなったとき」

…とかにはアリかも!!

ごちそうさまでした。

まとめ

パンジャムと呼ばれて食用にされる、バンダイキノリか、ヤマヒコノリか?を食べてみました。

重曹でアクぬきをしてみたところ、モズクみたいな食味で、意外とイケます。ちょっと茹で具合を調整したらコリコリ感を楽しめるのかも。また挑戦してみます。

※有毒な地衣類もおります。また本種には食べる際は自己責任でお願いします。

バンダイキノリ(磐梯木海苔)

【採取場所】ブナの生える山
【採取時期】通年
サルオガセ科ホネキノリ属。木につく地衣類の一種。ブナにつきやすい。テキサスでは"Oak Moss(ナラ苔)"と呼ばれ、腹痛を避けるためアク抜きをして食用にするとのこと。サバイバルで使われるほか、香りつけにも使う。日本でも青森の一部では米のとぎ汁でアク抜きをして食べる。

ヤマヒコノリ(山彦海苔)

【採取場所】針葉樹の生える山
【採取時期】通年
サルオガセ科ヤマヒコノリ属。こちらは針葉樹につく地衣類。カラタチゴケなど他にも複数の似た地衣類がおり同定は困難。ヤマヒコノリは子器盤が褐色であるとのこと。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia、理科教材データベース日本の地衣類(ウェブ図鑑)ForagingTexas

宣伝コーナー

普段意識しない地衣類に目を向けてみると楽しい!

もずくを食べるなら太もずくがうまいよ!

ウメノキゴケのインク。地衣類は紫色の染料になるのです!

【おまけ料理レシピ】バンダイキノリのモズク風

【材料】
バンダイキノリ ※なければモズクを食べよう!

重曹

・タレ
砂糖
めんつゆ
シークワーサー汁(なければレモン汁)
おろしニンニク

【作り方】
1.
たっぷりのお湯を沸かし、バンダイキノリを1~2分ゆでる。
水にあけ、土など汚れを軽く落とす。

2.
再びたっぷりのお湯を沸かし、山菜のアクぬきするときくらいの重曹を加える。

3.
バンダイキノリを重曹湯につけ、火を止め、覚めるまで放置する(10~20分ほど)。
お湯からあけ、汚れを丁寧にとり、たっぷりの水にさらす。30分~1時間ほど。

4.
タレの材料を混ぜておく。

5.
水をきり、タレをつけたり、スープに入れたりしていただく。