オニタビラコは七草”ほとけのざ”の代わりになるのか?
春の七草のうち"ほとけのざ"、
七草というくらいで、だいたいどの草もその辺に生えているのですが、そのうち“ほとけのざ“には近縁の野草がいて、それがオニタビラコ。
でもって、オニタビラコは都内にもたーくさん生えてるのです。
("ほとけのざ"はあまり生えていません)
近縁種なら、食べて旨いのでは?
ということで、試しに見つけた新芽を食べてみました。これが意外な食感でとてもよかったのです。
オニタビラコってどんな野草?
オニタビラコはこんな↓やつ。
特徴的に茶色い茎をすーーーっと伸ばすため目に付きます。都内にもたくさん生えているので、見たことあるハズ。
ロゼットと呼ばれる円形に葉を広げるスタイルで冬を超すのですが、春になると中心から花茎を伸ばし、てっぺんに複数の黄色い花をつけるのです。かわいいかわいい。
また葉や茎に毛がもさもさ生えているのもわかりやすいポイントです。
んで本題。
春の七草として有名な“ほとけのざ"はコオニタビラコという名前でして…
その差は鬼か子鬼かだけ、
ほぼ同じと言っていいでしょう。例えばラムは確実に旨いがマトンもちゃんと美味しく食べられるわけです。鬼と子鬼も似たような関係ですきっと。
これは美味しいはず…!(たぶん)
食べてみなくてはっ。
■怒られないためのメモ
※コオニタビラコはヤブタビラコ属、オニタビラコはオニタビラコ属、明確に違う植物なのでご注意ください。
オニタビラコをとってみる
さて、そんなオニタビラコなんですけど、都内だとだいたいコンクリのワキに生えがち。
こうなると、とりづらいんですよね…
ほら、犬のオシッコとかかかってたらヤじゃあないですか?
どっかに良い感じの生えてないかなぁ…と思っていたところ、
とある露地で状態のいいオニタビラコの群れを発見!
しかも、花穂が出始めたばっかりで、まさに新芽という雰囲気。
ラッキー!
この機会に味見をしてみましょうそうしよう。
ぽきっとね。
おっ、断面から白い乳液がでてきました。
コオニタビラコもこれがでるようで、やはり仲間。いけるはず…!
花穂、複数のつぼみがついています。ミニミニ菜の花みたいな見た目。ちなみにコオニタビラコはこれが単体の花です。
いくらか採取してみました。
フサフサと全体に綿毛が生えていますね。コオニタビラコはこれがない、この差が吉と出るかどうか…?
これで旨ければ、都内でよくとれるオニタビラコがコオニタビラコに代わる日も近いんですが。レッツ下剋上。
オニ(鬼)がコオニ(子鬼)に下剋上って違和感がありますね。うーん?上剋下(じょこくげー)????
ま、まぁ持ち帰って味見してみましょうか。
オニタビラコの味は?
持ち帰ったオニタビラコはシンプルにおひたしで味をみてみましょう。
沸騰したお湯に、塩をひとつまみ。
んで茹でます。
30秒ほどで取り出して、流水でさまします。
ぎゅっ!と絞ってみました。
茹でるとふわふわ食感は落ち着きましたね。なんとなく美味しそう。ホウレンソウっぽい。
めんつゆでお浸しにします。
ででん。
オニタビラコのおひたし。
(隣のは友人が栽培したニンニクの芽の卵とじです。美味しかったですよありがとう)
ではいただきます。
まずは葉っぱから、
ジャキジャキ。
ややしっかりめの食感。綿毛の感覚はほぼありませんが、舌触りにやや毛の感覚があります。
味はほんのり苦みがあり、タンポポと似ています。つまりタンポポくらいの美味しさ。そこそこ美味しいんですが、コオニタビラコ優勢、下剋上は厳しい。
つづいて花穂、
シャクシャク。
あっ、これ美味しい!
中空なので軽い食感で、なんとなく空心菜っぽいような?集めて中華炒めにしたら美味しいのではなかろうかっ。
良いんじゃないですかね。オニタビラコ。花穂だけは。
ごちそうさまでした。
まとめ
春の七草のほとけのざ(コオニタビラコ)の近縁である、オニタビラコを食べてみました。ほんのり苦みがあるタンポポ風の味です。
とくに美味しいのが花穂。中空シャキシャキでこれだけ集めて食べたい味です。花穂だけなら子鬼にも勝るとも劣らぬと言えるでしょう。春の七草に下剋上は…花穂が間に合わないかなあ季節的に。残念。
オニタビラコ(鬼田平子)
【採取場所】公園、山すそ、道端
【採取時期】5月ごろ
キク科オニタビラコ属。タンポポに似た容姿をしており、葉や茎が産毛に覆われている。初夏に花穂が伸び、複数の黄色い小さな花をつける。茎や葉を折り取ると白い乳液を出す。春の七草の"ホトケノザ"であるコオニタビラコと似ているが属が微妙に異なる。
参考にさせていただいた資料:Wikipedia
宣伝コーナー
野草を食べる本。コオニタビラコは乗ってます。オニタビラコは乗ってません。おのれ!
植物図鑑は数冊持っていると内容が違うので面白い
【おまけ料理レシピ】オニタビラコの花穂中華炒め
【材料】
オニタビラコの花穂 x10本くらい ※葉を入れてもOK
ニンニク x2片 ※チューブでもよい
トウガラシ x少々 ※一味でもよい
ごま油 x大さじ1
塩 x少々
【作り方】
1.
オニタビラコの花穂を伸び切る前につむ。
4月下旬~5月上旬ごろ、まだ綿毛でふわふわなうちにつむ。
2.
ニンニクとトウガラシを薄切りにする。
3.
フライパンでごま油とニンニクをキツネ色になるまで炒める。
トウガラシを加え軽く熱する。
4.
オニタビラコの花穂を加え、塩ふり、ざっと油をからめるように炒める。
5.
1分ほど加熱し、しんなりしたら完成。
食感がシャキシャキのうちにいただく。
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