ヒラツメガニをケジャン風にする。生で食べられるカニの条件は?

2025年12月7日海ヒラツメガニ


寒くなってくるととれるカニ、ヒラツメガニ。今年はたくさんとれました。さてどう食べようかな?

ヒラツメガニ
ヒラツメガニ

そういえばこないだ新大久保のコリアンタウンを歩いたときに、ケジャンを売っているのを見ました。

ただキロ3000円とかして高くて買えなかったんですよ。カニは買うと高い。

「じゃあ試しに作ってみるか?」

そんなわけで今回はカニでケジャンを作ってみます。やっていきましょう。

ケジャンに使えるカニの条件は?

カニには大きく二種類、淡水ガニと海ガニがおります。

文字通り障害を川や池で暮らすカニと、海で暮らすカニですね。正確には陸ガニもいるんですけど、淡水で水分補給するタイプは淡水ガニとさせてください。空で暮らす空ガニはいないはずたぶん。

ショウジンガニ(海ガニ、泳がないタイプ)
ショウジンガニ(海ガニ、泳がないタイプ)

あっ!もっと言うと、産卵で海といったりきたりするカニが多いんですけど、それもいったん無視させて!(生物屋対策)

んで、その海ガニと淡水ガニで気にしなければならないのは寄生虫。

寄生虫の存在は「生で食べられるかどうか?」という観点にかかわってまして、一般的に淡水ガニは”人間に害をもたらす寄生虫”がつきやすく、逆に海ガニはつきにくいとされています。

モクズガニ(淡水ガニ)
モクズガニ(淡水ガニ)

例えば淡水ガニの有名なサワガニやモクズガニなんかは肺吸虫という寄生虫がつきます。この寄生虫をヒトがカニを経由で食べると、消化管経由で体内に侵入し肺など主要臓器に悪さをします。これがいわゆる肺吸虫症、場合によっては死に至る病気です。こわいよね。参考リンク:東邦大学医療センター サワガニにまつわる寄生虫

じゃあ海ガニには寄生虫がつかないのか?っていうとそうでもなくて、当然ついています。いっぱい。違いは“ヒトに害を与えるかどうか。"害がないものは名前も知られず無視されているだけだったり、虫だけにね。

ウチダザリガニ
ウチダザリガニ、ザリガニも肺吸虫がつきます

「なんで淡水ガニにだけ嫌な寄生虫がいるのか?」

これは淡水ガニ、サワガニやモクズガニはヒトを含む”陸生哺乳類”の生活と密着しているためだと考えられています。想像ではありますが、食べられたときに害をなしたほうが生存戦略的に有利だったんじゃないですかね。

逆に海ガニはそれほど陸生哺乳類と密接な関係にないため、その生存戦略が育ってないのではなかろうか。もしかするとイルカやクジラみたいな海性哺乳類には害を及ぼす寄生虫がいるのかな?教えてく詳しい人!

アメリカザリガニ
アメリカザリガニ、これも大枠では淡水ガニ

というわけで淡水ガニは寄生虫が「基本的にまずいる」と思ったほうがよいです。加熱して食べましょう。

海ガニは「いない可能性が高い」ので、「生で食べても大丈夫な可能性がある。」って感じ?

言い切れないのは個体によっては時折淡水に入ってきたりすること、100%大丈夫!とは言い切れないんですよね。そうつまり確率の問題です。生食はどうぞ自己責任でお願いしますヨ!

ヒラツメガニは生で食べられるのか?

そう、今回チャレンジするケジャンとはカニを生食する料理、カニが海型なのか淡水型なのかが超重要なのですよね。

で、ヒラツメガニはどちらかというと、海ガニに属します。つまりいけるやつ!

ヒラツメガニ

念のためにヒラツメガニの生活環を調べてみました

9月~1月に海岸沖で親ガニが産卵
→ 誕生、1月~3月
→ 3月~4月、浮遊期を経て砂底に着底
→ 7月~12月にかけて海岸線で成長、1歳で50mmほど
→ 成熟して産卵可能になる
→ 2歳で85mmほど、寿命は2年~2.5年

参考資料①:茨城県におけるヒラツメガニの成長と繁殖

参考資料②:ヒラツメガニ 令和 6(2024)年度 資源評価調査報告書(拡大種)

ふむふむ…

“生涯を通して河川にいくことはない" みたいですね、

つまり生で食べても寄生虫に当たる可能性は低い。よし。オーケー!言質とった!やっていきますよ。

その辺のカニでケジャンを作りたい

まずはソースづくりから、ケジャンは主に醤油ベースの「カンジャンケジャン」とキムチベースの「ヤンニョムケジャン」に分かれるらしい。

フムフム。なんとなく辛くて醤油が入ったタレがあればいいのね?

ケジャンのたれ

ミリンと醤油を混ぜたものを沸かして、塩・砂糖、あとは前に作ったノビルラー油で味付け。甘くて辛くてしょっぱい感じにすればいいんじゃないですかね?(雑)

ケジャンのたれ

カニは大きいのをチョイス。このあと中身をほじりだすことを考えると、単純にでかいほうが沢山食べられそうなので。

ヒラツメガニ

洗って簡単に下ごしらえ、まずフンドシをとります。一緒に腸管がとれて雑味がなくなるらしい。

ヒラツメガニのふんどし
ヒラツメガニのふんどし

そのうえで味がよく染みるよう真っ二つにしていきます。

ヒラツメガニ

口元に胃袋があるので、それもとっておきましょう。砂とか入ってるしね。

ヒラツメガニの断面

これを粗熱をとったタレと一緒にジップロックに入れて2,3日熟成させます。

漬け込んだヒラツメガニ

そういえばカニって死んでおいとくと身が自己分解をはじめてすぐマズくなるイメージだったのですが、大丈夫なのかな・…?

ヒラツメガニのケジャンを食べてみる

こちらが3日ほどおいといたカニ。なんとなく全体的に茶色く色づいています。

漬け込んだヒラツメガニ
漬け込んだヒラツメガニ

ヒラツメガニのカンジャンケジャン

「完成…?」

クンクン…

腐敗集はなし。食べられそう?

あとはいえ、カラが柔らかくなることはなくってカッチカチ(どうやって食べるんだ?)

ヒラツメガニのケジャン

身は全体的にタレがまわって茶色く色づいています。(どうやって食べるの?)

ヒラツメガニのケジャン

うん。とにかく食べ方がわからないですね。先に専門店で食べておくべきだった…。

とりあえずカラを外して、エラとかをとって、

ヒラツメガニのケジャン

そのままかぶりついてみよう。がぶり。

おぉ…

美味しい。

腕の付け根の部分をかじってみましたが、カニの身が分解しかかってるのか、柔らかくなっています。味は甘えびのお刺身に似てるかな?甘くてトロっとしていてまろやかな海のうま味。

カラに残った汁もうまい!カニが溶け出してるかんじがします。

ヒラツメガニのケジャン

とろとろの身…

これ、もしかしたら吸ったら出てくるのでは…?

ヒラツメガニのケジャン

ちゅう…ちゅう…

!!!???

「カニが…でてきた!!」

ヒラツメガニのケジャンを吸う私

殻に口をつけて吸うと、チューペット(通じるのかな?)のごとくカニの身が流れ込んできます。なるほどこれは!!ケジャンでしか楽しめない体験がここにありますね、これは旨い(ずぞぞぞ)

“生き物の中身を溶かして食べるタイプの生き物"っているじゃないですか?クモとかスライム(異世界もの)とか。

「彼らって、こういう感じの味を楽しんでるのかな…?」

て気持ちになります。

これで翌日おなか痛くならなければ完璧!そしたら残りも美味しくたいらげちゃおう。

ごちそうさまでした。

まとめ

追伸。元気です。翌日に腹痛はなし、ちゃんとケジャンになっていたはず。

ヒラツメガニをタレに漬けてケジャンにしてみました。身がトロトロになって、甘く、これまでのカニとは全く違ううまさ。アリじゃん。

そういえば醤油とトウガラシ両方入れたらどっちケジャンなんでしょうね。まぁナンデモイイジャン?

ヒラツメガニ(ヒラツメガニ)

【採取場所】海岸
【採取時期】秋~冬
ワタリガニ科ヒラツメガニ属。遊泳脚を持つ海ガニの一種。波打ち際から遠くない浅い海で生活するカニ。寒い季節に接岸してくるので投網などで捕獲できる。砂の中に隠れていて生魚などの餌によって来る。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia

東邦大学医療センター サワガニにまつわる寄生虫

茨城県におけるヒラツメガニの成長と繁殖

ヒラツメガニ 令和 6(2024)年度 資源評価調査報告書(拡大種)

宣伝コーナー

図鑑をもって水族館にいくと楽しい!

九州醤油。最強に甘くてこってりのやつ。これでケジャンを作ると甘みが深い!

国産のケジャン。これはワタリガニで作ってるやつ、食べてみたい…

【おまけ料理レシピ】ヒラツメガニのなんとかケジャン

※生物の生食は自己責任でお願いしますヨ。

【材料】
ヒラツメガニ

・たれ
ニンニク
ショウガ
長ネギ
醤油
ミリン
昆布だし
塩
砂糖

【作り方】
1.
ニンニクとショウガをすりおろし、長ネギはきざんでおく。
それらを醤油とミリンと共に煮て一度沸騰させる。昆布だしを加え、塩・砂糖で味を調える。
できたら冷ましておく。

2.
ヒラツメガニをとってくる。なるべく新鮮なものがいい。
水で洗い、ブラシで砂をこすり落とす。
フンドシをもぎとっておく。

3.
2を1に漬ける。ジップロックないしはタッパーで密閉する。
ジップロックはカニのエッジで破かないように注意(ダイソーの70ミクロンの袋が厚くて丈夫)、
もしくは再利用可能なシリコーンバッグがいい(宣伝コーナー参照!)。

4.
冷蔵庫で三日ほどおく。

5.
冷蔵庫から出してただく。

殻を外して、エラと口まわりのパーツを取り除き、足の付け根の肉をいただく。
手足を外し、吸う。うまい