イランでとって食べられそうなもの総集編【海外遠征】

旅行★イラン


こないだ、イランに行ってきまして、

二週間ほど滞在したわけですが、せっかくなので“とって食べられるもの探し"をやってみました。

イラン、テヘランの風景
イラン、テヘランの風景

イランはユーラシア大陸のうち、アジアとヨーロッパのかけはし、中東エリア。

イラン、北部の山岳地帯
イラン、北部の山岳地帯。ピクニックをしました(イラン人はピクニックが大好き!)

日本とは正反対のステップ気候な乾燥地帯ですが、果たして食べられるものはあるか!?親族に連れ回される傍ら、ちょいちょい探してみました。

イランでとって食べられそうな植物

まずはそのへんの道端に生えてる植物から。比較的食べやすいものがけっこうありました。

木の実系

まずはクルミ。特に北部の山岳地帯にたくさん生えていました。

おそらく洋グルミ。オニじゃない。鈴なりにならず、2~3個ずつくっついてました。知らなかった~!

カラが柔らかくて。食い出がある。ちょっと羨ましい。

イランのクルミ
イランのその辺の山に生えてたクルミ

フルーツ系は前回の記事で紹介しました。街路樹としてたくさん植わっています。

野草系

最強にうまい野草ことスベリヒユ。おそらく自生種なんでしょう。乾燥に強いためか、そこら中に生えていました。

イランのスベリヒユ
イランのスベリヒユ。その辺の道端より

このスベリヒユはよく利用される食材のようで、ふつーにスーパーで売ってます(この露天はとってきてそうですね?)

イランのその辺で売ってたスベリヒユ
イランのその辺で売ってたスベリヒユ(とってきてそう)

宿泊先の親戚の家でもでてきました。肉といっしょに口にいれるんだそうです。酸味が羊肉に合う!

イランのスベリヒユ
イランのスベリヒユ。手は嫁

たっぷり使うメニューもあるみたいなので、日本でもやってみようかな!

イランの食事風景
イランの食事風景

ハナウドの仲間。これは北部の水けが多いとことでは、どこにでも生えていました。種類は詳しくわからんのですがペルシアンホグウィードってやつでしょうか?新芽は美味しく食べられそうだけど、光毒性に注意。

イランの湿潤地帯で繁茂するハナウドの仲間
イラン北部の湿潤地帯で繁茂するハナウドの仲間

ちなみにハナウド類の種がスパイスになるようで、売っている売店がたくさんありました。とってきたのかな?

このタネはゴルパルと呼び、すりつぶして、ソラマメにかけるらしい。私もやってみようかな、日本のやつで!

イランのハーブ、ゴルパル
イランのハーブ、ゴルパル

オオバコの仲間、公園の水辺に生えていました。食用というより、どちらかというと薬として使うようです。

イランのオオバコ
イランのオオバコ

シロザ。原産地なので市街地でも隙間さえあれば生えていました(日本では帰化種)。食用にするようですが、これもどちらかというと薬用寄りとのこと。

イランのシロザ
イランのシロザ

ウチワサボテン。市場でサボテンの実のドライフルーツが売っていたので、実を利用しているようです。これは確かアメリカ原産だから外来種かな?果物好きな誰かが植えてるんでしょう。

イランのウチワサボテン
イランのウチワサボテン

ぱっと見、目についたのはこんなところ、首都圏は水気がないだけあって、植生が豊かとはいえませんでした。荒れ地適性のある植物がメイン。逆に北部(ギーラーン州)は日本のように湿潤で、様々な植物が生えています。二極性があるのがイランの面白さかもしれません。

ちなみにイランでは薬草をよく使うようで、日本でいう漢方屋みたいな?乾燥させた植物を売っている店を沢山見かけました。

イランの薬草店
イランの薬草店’(ギーラーン州)

このあたりを深堀りしていくと、もっと利用できる食材が増えるかもしれませんが…

イランのハーブ
イランの薬草。ゴルパルとかなんか紫色の花とか?

さすがにちょっとわからん…

イランの薬草店
イランの薬草店、なにもわからない

それはまたいずれということで…!

イランの食べられそうな生き物

生き物も探したのですが、乾燥地帯ではあんまりいないんですよね~~~!

昆虫は館博物館でざっと国産種を見せてもらいましたが、種類は少なめ、主にバッタかな。

テヘランの昆虫博物館に展示されていたバッタ
テヘランの昆虫博物館に展示されていたバッタ

実際に捕獲したものだと、サバクトビバッタ

穀倉地帯の天敵として有名ですね。とって食べてそうですが、どうでしょう。イスラム教も昆虫食の禁忌はありませんし。

イランで見つけたサバクトビバッタ
イランで見つけたサバクトビバッタ

食べられそうだけどあんまり食べなさそうなイランの生き物

イランの亀、種類は産地からの推測ですが、ペルシャヌマガメ(E. o. persica)かな?

ペルシャヌマガメ(ギーラーン州)
ペルシャヌマガメ(イラン、ギーラーン州)

クサガメと似てますが、匂いはありません。wikipediaには「生息地では食用とされることもあった」と書いてるので、昔は食べてたんでしょうきっと。こいつは逃がしました。保護種かもしれませんし。

ペルシャヌマガメ(ギーラーン州)
ペルシャヌマガメ(イラン、ギーラーン州)

コブラ。イスハファンの爬虫類館より。ヘビ類はたくさん生息してるので食べられるかも。売ってませんでしたが!

イスハファン爬虫類館より、コブラ
イスハファン爬虫類館より、コブラ

これも展示品ですが、サソリ。砂漠らしいですね。売ってませんでした。

イスハファン爬虫類館より、サソリ
イスハファン爬虫類館より、サソリ

てかどっちも危ない!乾燥地帯で生き残る生物はどれもひとクセありそうですね…

食べられそうなイランの魚

せっかくですし釣人として、イランの魚事情についても軽く触れておきます。

イランで魚が取れる場所といえば、北部のカスピ海(汽水)と、南部のペルシャ湾。

イランの地図(googleMAPより)
イランの地図(googleMAPより)

カスピ海は汽水域で、ペルシャ湾は海なので、それぞれ住んでる魚が全く違います。

イスハファン水族館の大水槽
イスハファン水族館の大水槽

今回の旅程ではカスピ海の近くの街まで行ったのですが、それほど海産物(汽水だけど)を扱ってる店はありませんでした。干物が売っているくらい。魚を食べる文化はそれほどないようです。

ただ、カスピ海はチョウザメの生息地で、キャビアがとれ、名産物になっています。

チョウザメ(イランの水族館)
チョウザメ(イランの水族館)

とはいえ最近は取りすぎて、数が減っているらしく、保護種扱い。釣って食べるなんてもってのほか。キャビアを採取したあと逃がすんですよね。

大事な資源であり、チョウザメ釣って食べてるのが見つかったら、間違いなく牢屋行きでしょう…

イスハファン水族館のチョウザメ(カスピ海)
イスハファン水族館のチョウザメ(カスピ海)

カスピ海の沿岸までは行けなかったのですが(釣具はバッグに入れていた!)、googleMapで見るかぎり釣りをしているヒトはいました。なんで、何かしらの魚は釣れそう。また行く機会あれば、釣り糸をたれてみたいものですが、また次回。

とはいえ首都のテヘランでは、スーパーに魚コーナーがありました。

イラン北部(ギーラーン州)のスーパー
イラン北部(ギーラーン州)の小型スーパー

そこで売ってるのはサケ/マス類。養殖しているらしく、一般化しているみたい。コンビニのような小さい店でもお肉の隣で売っていました。

牛のお肉と、マス
牛のお肉と、マス

それ以外は大陸系でよくあるティラピアやコイ類。あとはおそらくペルシャ湾から運んできたであろう海魚がチラホラ、種類は不明。

椅子はファン水族館の魚たち
椅子はファン水族館の魚たち。サメ類、エイ類、タイ類、イサキ、など日本と同じ種類も多数いました

気にはなったのですが、料理する機会がなかったので食べられずじまい、残念。

イラン南部の街では魚料理が名物な地域もあるそう。

イスハファンの水族館で展示されていたクエ(ペルシャ湾)
イスハファンの水族館で展示されていたクエ(ペルシャ湾)

広いだけあって地域差が激しいようです。色々行ってみないとですね。

まとめと余談

ざっくりそんな感じ。いがいと食べられるものがたくさんあることがわかりました。首都圏の乾燥地帯でも、乾燥に強くて美味しい植物が多数生えています。なんとなく食べて行けそうな感じがしました。

あと今回は未チャレンジだっのはキノコ。スーパーはマッシュルームくらいしかおいてないんですが、料理のソースにたびたびポルチーニ(ヤマドリタケ)が登場するんです。ステーキにも、ポテトにもかける。これは食べるのではないかな?と思うわけです。北部には亜高山の針葉樹林帯があるので、そこでとれるのではなかろうかっ。

なにはともあれ、次いくときは、キッチンも計画に入れなくては!また行くのが楽しみです。たのしみ!

参考文献&スペシャルサンクス:
Wikipedia(ペルシャ語・英語・日本語)
日本メディカルハーブ協会
delgarm.com
イスハファン水族館・爬虫類館のスタッフさん
テヘラン植物園・昆虫館のスタッフさん
一緒にイランに行ってくれた友人のみなさま