グチはアメリカだと川にいる!淡水グチを食べた話
日本だと定番の魚、グチ!
近海に住んでる魚で、定番の大衆魚。関東だと"イシモチ"などとも呼ばれますよね。
しかし、
ところが変われば定番の魚も変わる…!
そうアメリカではね、
なんとアメリカではこのグチが川に住んでいるんですよ。しかも1m以上にもデカくなるらしい!
今回はアメリカのグチをテキサスで釣って食べた話です。
アメリカで淡水グチが釣れた!
出張先のテキサスにて、川釣りをしていたときのこと。
釣りをするためにはまずガサガサをしてエサを確保するんですが、
この日はザリガニがとれました。
こいつで泳がせをすれば何かデカい魚が釣れるのでは…?
ってことで、ザリガニぶっこみ釣りにチャレンジ。
30分ほど泳がせっぱなしにしていたでしょうか…
夕日で景色が茜色に染まりきったくらいの頃合い…
突然のアタリ…!
あげてみると、なんか知らない魚が釣れてますよ!!
なんじゃこりゃーーー!
なんとなく雰囲気がグチっぽいんですが、ここはちょー淡水。
こんなところにいるわけないじぁないですか??
「なんだろーーこいつ?グチじゃないよねさすがに…」
ってことで、TPWD(テキサス州の自然ガイドサイド)で調べてみると、どうやらフレッシュウォータードラム(Freshwater Drum)という魚らしい。
日本語に約すと、
淡水グチ。
な、なんだってーーーーー!
グチなの!?
淡水にいるの!?
世界は広いなーーーー!
世にも奇妙な淡水グチとは?
まずグチというのは、スズキ目ニベ科の海水魚。
関東だとグチとかイシモチとか呼ぶほうが通りがよいでしょう。
スーパーでよく見る大衆魚の一種。沿岸で暮らす魚で、ゴカイを餌に釣りをしていると釣れます。
名前の由来はグウグウと鳴き声をあげることから、それが“愚痴(ぐち)"を言っているように見えてグチなのだそう。釣られたことに文句を言うてたのかな?ごめんね。
塩焼きや刺し身なんかで美味しくいただける魚で、旨味しっかりで美味。
んで、
これがテキサスのグチであって、フレッシュウォータードラムという魚。
名前のフレッシュウォーターは淡水を意味し、ドラムはグチ類の総称。海のグチはドラムフィッシュ。例のグウグウ音が"太鼓(ドラム)"に似てるんでしょう。
ついでに、学名の"Aplodinotus grunniens"のうち、"Grunniens"はラテン語で「うめき声」を意味するらしい。やっぱりこちらでも愚痴を言うんですねこいつは!
その名の通り、世界のだいたいの場所で海に生きているグチのうち珍しく完全淡水型。サケにも陸封型がいますが、あれと似たような感じなのでしょうか…?
ちなみにアメリカの淡水は栄養価豊富なせいか、1m以上にも育つらしいですよ…!恐ろしい子っ。
体型は日本のグチによく似ていますが、体がややふっくらしているのと、ややタラコクチビルっぽさがありますね~
底物を好んで食べるそうで、口は下向きにガバッと開くタイプ、コイに似てるかも…?
サイズは32センチ。テキサス州は持ち帰って良いサイズ制限が厳しいのですが、この淡水グチにはサイズ制限がないとのこと。
釣り人には不人気なんだそう。制限がないのはそのせい?
ま、おかげで美味しくいただけるワケです。
はたして日本のグチと味の差はあるのでしょうか?
淡水グチを料理しよう!
さてでは料理を初めていきましょう。
初めての魚ですが、体のつくりは日本のグチと同じっぽいのでらくらくいけそうですよ。
まずはお腹を開いて内蔵をとります。中身はグチとほぼおんなじですね。女の子らしく卵が入っていました。
鱗も落とすとこんな感じ。左上のは卵。
メニューはグチ類の定番の揚げ焼きでいっときましょうか。
塩をふり、ヌメリを落として。
たっぷりめのオリーブオイルで揚げていきます。
ホテルのフライパンにギリギリおさまりましたね!セーフっ!
これにアツアツの油をかけつつ、じっくり焼いていきます。アロゼってやつ?
コゲないよう温度はなるべく弱火~中火をキープ。
ひっくり返さず、じ~~~っくり焼いていきます。
淡水グチを食べてみる
んで、焼けたのがコチラ!
フレッシュウォータードラム、こと淡水グチの揚げ焼き。
味付けの粉はアメリカでよく売っているBBQシーズニング。緑色のソースはグリーンサルサ。どうやら淡水グチは味が薄いらしく、濃いめの味付けがうまいらしい。
せっかくの獲物ですし、ビールもついじゃいますよ~~~~
ビールを一口いただいて…!
「あーっ!釣りの後の一杯は染みますね~~~~~!」
それでは。いただいてみましょう!川のグチの味はいかにっ!!
はむ…もぐもぐ…
あっ!
美味しい…。
川魚のくさみなんてなくって、ふわぷりっとした白身。
人気のない魚ゆえ、あまり釣り人は持ち帰ろうとしないそう。釣り場で手伝ってくれたおっちゃんも第一声は「Kind?(逃してやるかい?)」でした。
…しかしですよ!
私からしてみてば、この淡水グチはかなりの美味。
海の魚のような風味でクセがない白身。コイみたいな小骨もないし、肉付きがよく食べやすい。
なぜ人気がないか疑問でしょうがない。
もしかしたらアメリカ人はややクセのある川魚を好むのでしょうか?バスとかクラッピーとか。
調理方法がよかったのかも。
うーーーん!
うまい。これはまた食べたい味。
ごちそうさまでした。
まとめ
アメリカの河川で釣りをしたところ、日本では海にいるグチに似た魚、フレッシュウォータードラムが釣れました。見た目も習性も日本のグチ・イシモチにそっくり。世界は広い!
持ち帰って食べてみるとそれは慣れ親しんだ海の魚の味で旨いんです。アメリカくんずるいなー!川にこんな美味しい魚がいるなんてっ!!
フレッシュウォータードラム(Aplodinotus grunniens)
【採取場所】河川
【採取時期】※州のルールによる
ニベ科Aplodinotus属。アメリカ大陸に生息する淡水グチ。下向きについた口は底生生物を捕食するのに適していて、水底の動物食中心をよく食べる。貝でも軟体動物でも何でも食べる雑食性。だいたいは雑魚(Rough fish)であり不人気な魚とのことだが、地域によっては優秀な食用魚とのこと。
参考にさせていただいた資料:Texas Parks and Wildlife
宣伝コーナー
すっごい魚図鑑がこれ!
緑のサルサソース。魚に合います!
ケイジャン風スパイス。うまいですよ!
【おまけ料理レシピ】グチのアロゼ
【材料】
グチ x1匹(海水でも淡水でもOK)
塩 x適量
オリーブオイル xたっぷり
ケイジャン風スパイス xたっぷり
【作り方】
1.
グチは鱗を落とし、中までしっかり洗う。
血合いもナイフでこすって落とすこと。
2.
グチの両面に塩をまぶし、5~10分ほど置く。
でた水けはキッチンペーパーできる。
焼く前に両面にバツ印の切れ目を入れておく。
3.
グチのおさまるフライパンにオリーブオイルをたっぷり入れ、加熱。
4.
コゲないよう、弱火~中火で加熱。グチを焼く。
アツアツの油をスプーンでグチに流しかける。
5.
10~15分ほど、スプーンでずっと油を流しかける。ひっくり返さない。
火が通ってない部位のないようまんべんなくかける。
6.
表側が全体的にきつね色にコゲ目がついたら焼き上がり。
焼き上がる直前に、ケイジャン風スパイスをふり、最後に油をまわしかけて完成。
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