ウチワサボテンの味と調理方法【海外遠征】

2023年9月20日野草・山菜★テキサス,ウチワサボテン,季節【春】


テキサスに行ことになり、まず「食べたい!」と思った植物はサボテンでした。

ウチワサボテン

なんかこう、テキサスっていうと荒野サボテンというイメージがありませんか?

ありますよね?

テキサスといえば"夕日の荒野でガンマンが決闘!背景は荒野にサボテン"ですよ。

しかし…!

実際に現地に赴いてみたところ、意外と湿潤でそれほど荒れた野はなくって、

ちょっぴりガッカリ?したのですが、しかしそれでもサボテンは至る所に生えていました。

特に生えていたのがウチワサボテン。そりゃもう、郊外に出れば必ずといっていいほど生えています。

ウチワサボテン

しかも(メキシコ系の)スーパーなら売ってるんですよ。食材として!

そんなん食べてみるしかないじゃあないですか!!ってことでウチワサボテンをいっぱい食べてみました。

今回はそんなサボテンの味や、サボテンの調理方法のまとめです。

ウチワサボテンとはどんなサボテン?

ウチワサボテンってどんなの?刺されると痛いよ

ウチワサボテンというのは、“Opuntiaという品種で、その名の通りウチワみたいな平ぺったい形をした。サボテンの一種。

ウチワサボテン

テキサスだとごくごく一般的な雑草。

公園にいけばまず生えていますし、空き地や山道、それどころか道路の脇にも生えているくらい、そこら中に生えている植物です。

ウチワサボテン

ウチワ型をしているとはいえ、ぼちぼち肉厚な形をしており、全面にがついたいかにもサボテンという見た目。

ウチワサボテン

この針は鋭く、容易に刺さります。

それでいて、一度刺さると抜け落ち、触れた相手にくっつくのがいやらしい。私も何度か刺されました。痛い!

ウチワサボテンの針

ウチワサボテンの実は食べられる

とはいえ美味しく食べられるというのがサボテンのにくめないところ、

まず、秋につく実はトゥナと呼ばれ食用になります。

ウチワサボテンの実
サボテンの実@写真AC

甘酸っぱくて美味しいのですが、この実にも針がついてるのがサボテンらしい。季節になるとこの針を落としたものが市場に出回ります。

ウチワサボテンの実
サボテンの実@写真AC

ウチワサボテンの葉も食べられる

また、肉厚の葉っぱも食べることができます。

特にメキシコの民に人気のようで、メキシコ系スーパーに行くとすごくたくさん売っていました。

ウチワサボテン、スーパーで販売されていた

このウチワサボテンはノパルと呼ばれ、炒めものやらサラダやら、幅広く使われるとのこと。

私が訪れた時期は春で、特に種類が豊富でした。

ウチワサボテン、メキシコ系スーパーより

針つきのものだけでなく、針を処理したものから、事前にカットされたものまでズラリ。

パック詰めにされたウチワサボテン

南米の民の愛する雑草にして野菜、それがウチワサボテンなのですね。

野良ウチワサボテンを見つけた

さて、そんなウチワサボテン。

「とって食べてみたい!!」ということで、森の中でサボテンが自生しているポイントを見つけ、採取しました。

ウチワサボテン

ちょうど木がないところにワサワサと群生していました。水分を必要としないぶん、日光をしっかり浴びたいのでしょうか。

朽ちたサボテンが積み重なり、その上に新しいサボテンが育っています。

ウチワサボテン

普通の植物のように根っこから上に伸びていくのではなく、発芽したクローンが、そのうち朽ちた本体から落ち、独立して根付いていくようです。

ウチワサボテン

これだけあるなら、ちょっとくらいつまんでも大丈夫ですよね?っと

素手で触ると刺さるので、ペンチで採取!

ウチワサボテン

おそらくサボテンのツボミ。これも採取してみましょう。

ウチワサボテン

若芽を数個採取してみました。

サボテンの若芽なんて贅沢なのでは?さっそく持ち帰って味見をしてみましょう。

ウチワサボテン

ウチワサボテンの新芽の唐揚げ

とってきたウチワサボテンを試しに味見してみます。

ウチワサボテン

食べ方はテキサスのYouTuberの番組で学びました。棘を焼いてから食べるみたいです。

しかしなんか新芽は棘カバーがついていて焼けない…

まずはピンセットで棘を抜くところから。

ウチワサボテンの新芽

ぬっきぬっき。

超しんどいですよコレ!

ウチワサボテン新芽、トゲをぬいた

そうしたら、ライターで炙ります。

本当は焚き火がほしいのですが、ホテルにそんなものはナイっ!

ウチワサボテンを炙るライター

全体をしっかりと炙り、素手で触って痛くないくらいまでやりました。

炙ったウチワサボテン

このあと、とってきたものを全部やりました。

合計二時間くらいかけてやりました。もうハイパーめんどくさいですねこれ!

炙ったウチワサボテン

苦労したサボテンを醤油ダレにつけて、

ウチワサボテンの味付け

粉(コーンスターチ)にくぐらせたら、

ウチワサボテンの調理

じゅわっと揚げちゃいます。

ウチワサボテンの調理

これで完成、サボテンの新芽の唐揚げ。

ウチワサボテンの料理

揚げたら縮んで指先サイズに…

ちっちゃいですねえ。

ウチワサボテンの料理

まぁ食べてみましょう。

パリっ。もぐもぐ…

ウチワサボテンを食べる

おぉ!

酸っぱい!!!

アロエのような食感に、キリッとした酸味。
青臭く見えたのですが、意外にも風味はほぼありません。

例えるなら何だろう…

レモンをふったきゅうりみたいな?

スイカの皮の酸味があるやつみたいな?

面白い味です。

足りないぞ!もっと食べてみたい!

ウチワサボテン料理① サボテンのたたき

…というわけで、スーパーでサボテンを買ってきました。

ウチワサボテンを買ってきた
左から、モレ、トルティーヤ、チリ、カルニタス、ノパル

なんとトゲを切り落とす処理をしてくれています。

やった!
あの地獄のトゲ抜きをしなくていいぞ最高か!
(もうやりたくないですアレ…)

意外とクセがないことがわかったので、シンプルにたたきで食べてみたい。

というわけで、さっと塩茹で

ウチワサボテンの調理

するとこんな感じ、色が悪くなった!!

ウチワサボテンの調理

これをみじん切りにして、塩であえてみます。

ウチワサボテンの料理

なんか漬物みたいになりましたが、

ウチワサボテンのたたき、完成ですよ。

ウチワサボテンの料理

お味は…もっきゅもっきゅ…

んー!独特。
酸味が強調されたのに加え、ヌメリを感じますね。

すっぱいオクラみたいな風味でちょー独特。

ウチワサボテンを食べる

醤油を入れると本当に漬物っぽい。意外と日本人スキなのではなかろうかこれ!

次行ってみましょう!

ウチワサボテン料理② サボテンチキン

お次は炒めもの。

すっぱさを生かせば、酢豚みたいな感じにならんだろうか?

というわけで鶏肉サボテンを炒めてみます。

ウチワサボテンの料理

トマトを入れじゃじゃじゃじゃっ!とからめて、

ウチワサボテンの料理

火が通ったら仕上げにチーズ。

ウチワサボテンの料理

サボテンチキンの完成。

ウチワサボテンの料理

お味は想定通り、酢を入れなくても酢鶏になるエラさ。

酸味のキツい酢豚って感じです。サボテンはキュウリのポジションに落ち着きました。

ウチワサボテンを食べる

料理によって違う食材に見えてくる不思議なやつですねサボテンは…!

もう一品いっときましょう。

ウチワサボテン料理③ サボテンカレー

ラストはサボテンカレー!

ウチワサボテンの料理

サボテンのヌメリが、カレーに合うのではないかと思いまして。

ウチワサボテンの料理

カレー粉でみじん切りにした鶏肉とサボテンを炒めて、

ウチワサボテンの料理

隠し味に余ってたサワークリーム、それとトマト。

ウチワサボテンの料理

味付けは、酸味と戦えるようスパイスたっぷり砂糖たっぷり。辛いよ!

ウチワサボテンのカレー

盛り付けて、完成!

ウチワサボテンのカレー、ボルケーノ風。

ウチワサボテンのカレー

試しに食べてみたところ…

すーーーーーーーーーーっぱい!!

考えてみたら、トマトもヨーグルトもサボテンも酸っぱい要素ですからね、トリプル酸味のカレーができました。

とはいえ酸味に押し負けないスパイス感と甘みのおかげで意外とバランスは悪くない。

ウチワサボテンのカレー

すっぱいけど、これはこれでアリです。

ごちそうさまでした。

まとめ

テキサスでそこらじゅうに生えてるウチワサボテンを食べてみました。その味は…ものすごい酸味とヌメリ。料理の仕方によって、すっぱいオクラのようであり、すっぱいキュウリのようであり、トマトのようでもある…不思議なやつです。

意外と日本人の味覚に合っているので、食卓になじみそうなもんですが、八百屋で売ってくれないでしょーかね?やっぱりアレかな、トゲの処理が大変だから売らないのかな…?

ウチワサボテン(Opuntia

【採取場所】荒れ地、草原
【採取時期】春
CactaceaeOpuntia属。ウチワサボテンの仲間の中で典型的なウチワ型をした種。生命力が高く、切った茎節(ウチワ型をしたカタマリ)を放っておくとそこから根が出て地に根付く、日本でも育つ。春になると既存の茎節から新しいものが芽吹き増える。メキシコではノパル (Nopal)と呼ばれ野菜として消費される。果実はトゥナと呼ばれ食べられる。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia

宣伝コーナー

ウチワサボテンの塩漬け。南米の民のハートがぎっしり

“とって食べる"は英語でForaging!こちらはテキサスの本。文字おおめ

海外の本を読むと、日本と違う情報が出てきて面白い!

【おまけ料理レシピ】ウチワサボテンのカレー

【材料】
カレー粉 x1箱
にんにく x2~3片
ウチワサボテン x1枚
鶏モモ肉 x1枚
玉ねぎ x1個
トマトペースト x100~200ml
プレーンヨーグルト x大さじ2~3くらい
砂糖 x適量
塩 x適量

【作り方】
1.
ウチワサボテンは新しくて大きいものをGETする。
焚き火であぶり、トゲを焼き払っておく。

2.
鶏モモ肉は細かくカットし、軽く塩とコショウをふっておく。

3.
玉ねぎ、ニンニクはすりおろすかみじん切りする。

4.
3を油をたっぷりひいたフライパンで茶色くなるまで炒める。

5.
一旦4をどけて、鶏モモ肉を炒める。火が通ればOK。

6.
5にサボテンを加え、サッと炒める。
どけておいた4を戻し、トマトペーストとヨーグルトペーストを加え、しっかりと炒める。
ここの炒めをしっかりやると、酸味がとんで食べやすくなる。
酸味を効かせたいならほどほどできりあげる。

7.
適量の水を加え、沸騰させる。

8.
カレー粉を加え、よく溶かす。
最後に塩と砂糖で味を整えて完成。
酸味がしっかり聞いてる場合は、塩と砂糖もしっかり効かせると美味しい。