バスタードキャベッジ!クソ野郎キャベツを食べてみた【テキサス遠征】

野草・山菜★テキサス,バスタードキャベッジ,ミヤガラシ


アメリカに出張をしていたときに見かけた黄色い花。

菜の花…ナノカナ?って調べてみたらその菜も“バスタードキャベッジ"。日本語でクソ野郎キャベツ!!

バスタードキャベッジの花

あんまりにも酷いネーミングなのですが、どうやら外来種で繁殖力が強くて嫌われているらしい。

しかし!一部のアメリカのとって食べる人々は「唯一の救いは食べられること、食べようぜ!」ってことで、食用にしているのだそう。たくましいよね。

バスタードキャベッジの葉

菜の花と同じ、アブラナ科で食べられるというわけ。

それなら私も!ってことでとって食べてみました。今回はそんな嫌われキャベツの話。

テキサスの道路沿いに咲いている黄色い花はだれ?

アメリカはテキサス州の市街地。車を転がしていると黄色い花が目に付きます。

道路沿い、特に線路沿いでよく見かけるこの黄色い花、遠目には"菜の花“っぽい雰囲気。

車窓から「なんだろー?」と眺めていたのですが、

道端のバスタードキャベッジ

調べてみると、わかりました。こういうやつです!

黄色い花の正体は"クソ野郎キャベツ"

こちらがその黄色い花!

調べてみると、Bastardcabbages(バスタードキャベッジ)"という名前の植物であるとのこと。

バスタードキャベッジの花

バスタードは直訳すると“不愉快なやつ・クソ野郎・ろくでなし"

……つまりクソ野郎キャベツということになります。

中々にヘイトのこもったお名前ですねえ~~~~

バスタードキャベッジの花

調べてみると外来植物で、原産はヨーロッパ。

アメリカ大陸に帰化し、恐ろしく数を増やしているとのこと。

バスタードキャベッジの花
バスタードキャベッジの花、日本の菜の花によく似ていますが、やや小ぶり。

その増えっぷりは畑を埋め尽くすほど。クソ野郎がクソな理由はこのへんでしょうね。

畑作地帯ではとてもとても嫌われているようです。

バスタードキャベッジの葉
バスタードキャベッジの葉、典型的なアブラナ科のくびれのあるタイプ

ちなみに日本にも入ってきており、和名は“ミヤガラシ"

バスタードキャベッジの実
バスタードキャベッジの花穂

ミヤというのは宇都宮のことらしい。昭和初期には入ってきているそうなのですが、それほど増えていないようです。よほどテキサスは気候があっているのでしょうか?もしくは天敵がいないとか?

ミヤガラシこと"クソ野郎キャベツ"を食べてみる

バスタードキャベッジ、本当にクソ野郎な外来植物らしいのですが、唯一の救いは食べられるということ。

というわけで、一食分をとってきてみました。

バスタードキャベッジの葉

名前がキャベツなわけで、カラシナとか他のアブラナ科の野草より美味しいのではなかろうか?

バスタードキャベッジの葉

とりあえずシンプルに茹でて食べてみましょう。

バスタードキャベッジの葉

塩をひとつまみ加えたお湯で茹でてみます。

バスタードキャベッジを料理する

さっと湯通しするくらいでよかろう。加熱したら、だばーっとお湯を捨てまして~

バスタードキャベッジを料理する

ぎゅっ!としぼったら、醤油をちょこっとね。

バスタードキャベッジの茹でたやつ

バスタードキャベッジのおひたし、

完成です。

バスタードキャベッジの料理

さて、その味やいかに?

いただきます!

バスタードキャベッジの料理

ぱくり。むしゃむしゃ…

ん!

ちゃんと美味しい。

大きい葉っぱでも、小さ葉っぱでも、心地よい歯ごたえ。

ロールキャベツとかの茹でたキャベツ。あのもふっ!とした食感、いけますよ!

バスタードキャベッジの料理

せっかくなので、タコスにしましょう。テキサスですからね。

こちらメキシコ系スーパーで購入したトルティーヤシート。

バスタードキャベッジの料理

なんで赤いんだろ?

と思って調べたら着色料でした。なんで赤くするの??

バスタードキャベッジの料理

焼いたトルティーヤにバスタードキャベッジを挟んで…

クソ野郎キャベツのタコス。

完成★

バスタードキャベッジの料理

クソだのタコだの散々な言いようですが、これは間違いないハズ。

いただきまーす!

バスタードキャベッジの料理

カリッ!むぐむぐ…

ん!ちゃんと美味しい。

バスタードキャベッジの料理

醤油の風味とチーズの相性がとてもよい。

なによりバスタードキャベッジのやわらかな食感がタコスと合いますね。

ごちそうさまでした。

まとめ

テキサスで見かける菜の花のようで違う、バスタードキャベッジ…こと"クソ野郎キャベツ(和訳)"をとって食べてみました。

味はそれほどクソではなくむしろ美味しい部類。名前通りのキャベツ味。畑に生えまくって嫌われまくっているので、とって食べて仲良く…というのはアメリカの畑の規模感じゃあダメなんでしょうね。外来種問題、難しい。

ミヤガラシ・バスタードキャベッジ(Bastardcabbages)

【採取場所】テキサス州を含むアメリカ南部各地、農地、道端、荒れ地
【採取時期】春
アブラナ科ミヤガラシ属。学名は“Rapistrum rugosum"。ヨーロッパ原産のアブラナ科の一種。一年草~二年草。黄色く十字形の花をつける。"菜の花"に近い種類。アメリカ南部で侵略的に広がり、荒れ地を黄色く染めあげている。日本にも帰化しているが、それほど広がってはいない。全草が食用になる。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia、GKZ植物事典foragingtexas

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【おまけ料理レシピ】バスタードキャベッジのタコス

【材料】
バスタードキャベッジの葉 x10~20枚くらい ※キャベツでも可
めんつゆ x適量
チェダーチーズ x適量
トルティーヤ x2~3枚
ライム汁 x適量
ホットソース x適量

【作り方】
1.
バスタードキャベッジは汚れが少ないものをつむ。(テキサスの砂でよく汚れている)
大きい葉でも美味しく食べられる。

2.
塩をひとつまみ入れたお湯で、バスタードキャベッジをさっと湯通しする。

3.
めんつゆにライム汁を数滴加えたもので、2をあえる。
好みでホットソースを加えると美味しい。

4.
トルティーヤを焼く、コーンでもフラワー(小麦)でもどちらでもOK。
日本だと業務スーパーの冷凍コーナーで売られている。

5.
焼き立てのトルティーヤに、汁をきった3をのせ、チーズをふる。
あついうちにいただきましょう。