サボテンの実を食べてみた。ケーキを作ってみた
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キョンを拾って食べてみた(特定外来生物in千葉)
食べたことのない憧れの果物、というものが皆ひとつはあるのではなかろうか。
私はそれがサボテンの実でした。
そのなかでもウチワサボテンのトゥナと呼ばれる実。
アメリカはテキサスに行くときに知って「あんなトゲだらけの植物に果物が!?」「どんな味がするんだ!?」とめちゃめちゃ気になったのですが…
行ったタイミングが時期ではなく見当たらなくって、食べられなかったのです。
帰国してもしばらくはサボテンの実を探す日々。とうぜん日本では出回っていません。見つかるわけもなく…
ところが、ある日ついに、日本で野生のサボテンの実を発見したのです!(やったぜ)
そんなわけで、サボテンにさされて痛い思いをしつつ実を食べてみた話です。
サボテンの実は食べられる
サボテンの実は食べられることが有名、
そう「ドラゴンフルーツ」として売られているあいつ、じつはサボテンの実だったりします。
ただ今回私が食べたいサボテンはまた別で、ウチワサボテンという種類のサボテンの実。
ウチワサボテンというのはその名の通り、ひらぺったいサボテン。アメリカ南部では野生でどこにでも生えています。
その実はトゥナと呼ばれており、土地によってはメジャーな果物。私が知ったのは、テキサスに旅立つ前に、“アメリカでサバイバル生活"をやってるひとの動画で予習しているとき、出てきたのがキッカケ。
「ウチワサボテンなんて、あんなうすっぺらいサボテンに、食べられる実が??」
…と思ったんですけど、これがどうして立派な実。ちょうど卵くらいの大きさで、楕円形の実なのですが、本体と同じく針に被われていて食べるのに一苦労かかるタイプのフルーツのよう。
とはいえサバイバリストにとっては貴重な食料、焚き火で毛を焼いて、美味しそうに(ありがたそうに)食べる姿が印象的でした。
そのあとたまたまアメリカに行く機会があり、「とって食べてやる!」と思っていたのですが、あいにく行ったタイミングは春、サボテンの実はとれず。ちょっぴり悔しい気持ちで帰国。
そんなわけで、帰国後にサボテンを見かけるたびに、
「実を食べたい!」
「実をくれ!」
と言い続けるくやしさっぷり、
日本にもウチワサボテンは園芸用で移入されており、ちょいちょい植わっていて、もちろん都内にもいるのですが、多くの場合、気温が足りず実がつきません。悲しいですね。
とはいえ、暖かい地域、例えば静岡の一部とかでは条件を満たすようで、実際に実がついているのを何度か見かけました。マァだいたいがホテルとか施設の敷地などでとれないわけですが。
日本でサボテンの実を見つけた
ある秋。キノコ目当てに友人のA氏と海岸を走っていたときのこと。
運転をしてくれてたA氏が、
「あっ!!いいもの発見!!」
と、車を止めてくれ、そこにはナント実をつけたウチワサボテン!!
しかも管理されておらず、道路上に生え広がっていて、野生と言える状態のもの。
これは…千載一遇のチャンス!!
さっそく実をGETとしてみるものの…
「いてっ!」
ささりました。
先述の通り、実にも針がついているのですが、この針が思っていたより手強い。
先端だけでなく、ほぼ全周に針が…!それも目に見える針だけではなく、産毛のような細くって、なおかつ痛い針がたくさん。サボテンを相手するといつも刺さってる私ですハイ。
サボテンの実はトングでとる
「…これどうやってとるんだ?」
と思っていたのですが、車に超たまたま、長いトングが乗っていました。
てやーっ!必殺。トングdeキャッチ!
これが大正解。
サボテンの林とも言える状態で入っていくことができない中、ちょっと遠くのサボテンの実にも手(トング)を伸ばすことができるんです。
完熟のサボテンをチョイスし、ひたすらトングdeキャッチ!
ぶじサボテンの実をとることができました。
持つべきものはサボテンの実を見つけてくれる友人と、長いトング!
サボテンの実の下ごしらえ
さて、とったきたサボテンの実(トゥナ種)はトゲだらけなのでそのまま食べることができません。下ごしらえが必要。
テキサスのサバイバリストにならって、火で処理してみることにします。とはいえ焚き火は用意できないので、カセットコンロで。
トゲは燃えやすいようで、はじめはオレンジ色の火がポッと灯り、そのあとは赤く赤熱します。
おそらく赤熱するくらいまで焼けば痛くない…ハズ。
ってことで、ちまちまひとつづつ、トングで掴んで、ひっくり返して、焼いていきます。中の果肉がダメにならないのか?と心配になります、トゲをのんで痛い思いをするのがまっぴらごめん。丁寧にやります。
トゲをのんでしまって、病院にかかったとき、
お医者さん「魚の骨か?どれぬいてやろう」
私「違うんです…。サボテンで、細かいトゲなんです…」
お医者さん「えっ?サボテン…?なんで食べたの?」
などと、お医者さんを困惑させるわけにもいきませんしね。
なおちなみに後半にA氏が必殺技を編み出し、
「コンロの中央の穴にはめると、ちょうど外周が綺麗に焼ける!」
とのこと。
確かに完璧。おかげで後半は爆速で作業が終わりました。そうか、コンロのこの穴はこのためにあったんだ!!
ちなみにザルにおいて、ゆすりつつ焼くのも有効っぽい。
トゥナこと、サボテンの実の味は?
トゲを焼いたらさっそく味見してみましょう。
どんな味がするのでしょうか?
外側の皮をむいて、真っ赤な中身を食べます。なんとなくキウイフルーツみたいな感覚。
いただきます!
もぐもぐ…
おおおお?
思ったよりさっぱりしています。
食感はやわらかく、ジューシー、スイカとキウイの中間みたいな?言っちゃえば同じサボテンのドラゴンフルーツと非常に似た風味。
サボテンの実の味じたいは、ほんのり甘くて、やや酸味。それと塩味。
塩味!?
海辺に生えていたサボテンだったからでしょうか?
潮風をあびて外側がしょっぱい、とかならまだわかるんですが、中身に塩味があるんですよね。根っこから水と一緒に塩を吸い上げて、体内に蓄えちゃうのでしょうか?
暑い日には水分と一緒に塩分をとれるので、サバイバリストには最高の食べものと言えるかも、ポカリス◯ェットみたいな感じで!
とはいえ、果物として食べるには味が独特すぎます。しょっぱい果物ってあんまりいませんよね。どうしようかな?
サボテンの実のケーキを作った
どういうレシピにしよう?と考えていたところ、A氏がアメリカのレシピを調べてくれて、
「レアチーズケーキにしよう!」との提案。確かにチーズはもともと塩味があるので、相性がいいかも。
材料はこんなかんじ!
作り方はシンプル。サボテンの実を剥いて、ミキサーで、ヨーグルト・クリーム・ゼラチン・砂糖とまぜ合わせ、
って!?
なんか毒沼みたいなビジュアルなソースができました。
ちょっとコポコポしてるんですが、
大丈夫かなこれ?
この毒沼ソースをクッキー生地の型に流し込んで、冷蔵庫で固めれば閑静です。
でろでろ~~~
冷蔵庫で1時間!
しばし休憩、
余談。ちなみにサボテン料理をすると手が真っ赤になります。
じゃん!こんな感じ。
ちなみにこの赤い色素は染め物に使われるほどのもので、一週間はそのままだったことを報告させていただきます。きをつけてね!
サボテンの実のケーキの味は?
ちーん♪ ※一般的な冷蔵庫は音がなりません
というわけで、完成。毒沼ケーキ!
…ではなくサボテンの実のヨーグルトケーキ。
凄まじい見た目ですね。
でも切り分けると、かわいい感じに。濃いベリー系のケーキみたな?
さっそく味見をしてみましょう。
いただきまーす!ぱくりとね。
んんっ!美味しい!!!
甘みとすっぱさで第一印象はヨーグルトケーキなんですが、サボテンの実のコクがアクセントになっており、これまでに食べたことのない深い味わい。
塩味は生地のビスケットにまぎれて気になりません。むしろ、塩味が甘みをひきたてチーズケーキみたいな趣き。これがたいへん良い。
また、サボテンの実は中に種が入っていて、少しザリザリした噛みごたえがあるのですが、これがイチゴやブラックベリーの種の感じと似ていて、総じて「フルーツケーキを食べてる!」という感覚に。
サボテンの実(トゥナ種)、アリです!
非常にうまい!!
レシピを考案してくださったA氏よありがとう!
ごちそうさまでした。
まとめ
野生化しているサボテンの実をとって食べてみたところ、トゲがものすっごく、とるのが大変でした…。なんとかGETして剥いて食べてみたところ、甘酸っぱくてほんのり塩味。
そのままだと「珍味!」という感じでしたが、これをケーキにアレンジしてみたところ非常に美味。これは毎年とって食べてみたいですね。
トゥナ(ウチワサボテンの実)
【採取場所】原産地はアメリカ南部からメキシコ、草原地帯
【採取時期】9月~11月
サボテン科オプンティア属。アメリカ原産。日本での通称はウチワサボテン。日本でも定着でき、河川敷や道路ワキでたまに見かける。葉っぱ一枚から挿し木で増える丈夫さをもつため要注意外来生物に指定されている。日本の気候で結実できる場所は少ないが、暖地では身をつける。実も葉も食べられる。ちなみにドラゴンフルーツはヒモサボテン属(Y字形の葉をつける種)の実。
参考にさせていただいた資料:Wikipedia
スペシャルサンクス:A氏(活動サポート、レシピ考案)
宣伝コーナー
ウチワサボテンの塩漬け。南米の民のハートがぎっしり
“とって食べる"は英語でForaging!こちらはテキサスの本。文字おおめ
海外の本を読むと、日本と違う情報が出てきて面白い!
【おまけ料理レシピ】サボテンの実のヨーグルトケーキ
※A氏がアメリカのレシピを参考に考案
【材料】
・ムース液
サボテンの実
生クリーム
ゼラチン
ヨーグルト
砂糖
・クッキー生地
クッキー
無塩バター
【作り方】
1.
サボテンの実は火であぶってトゲを燃やす。
トゲを燃やしたら皮を剥いておく。
2.
クッキーを袋に入れ、コップの底で砕く、溶かしたバターを加え、クッキー生地を作る。
3.
生クリームを泡立てる。
4.
剥いたサボテンの実・ヨーグルト・生クリーム・砂糖・溶かしたゼラチンをミキサーで混ぜ合わせムース液を作る。
5.
クッキー生地を、油(分量外)をぬった型に敷き詰める。
6.
型にムース液を流し込み、冷蔵庫で一時間固める。
7.
切り分けて、ミントかライム(分量外)を添えて完成。
追いヨーグルトをかけてもよい。
ディスカッション
コメント一覧
すっげぇ赤いwww
イタリア辺りだとウチワサボテンの一種の実が”インドイチジク”なんて呼ばれてて、地元の方にも馴染み深い存在みたいですね!
ジェラートのフレーバーとかにもなってて美味しいらしいですが、気になりますね…
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