コバンザメを食べてみた。サメじゃなかった!

コバンザメ


友人から

「コバンザメを買ったから、さばいて食べよう!」

というお誘いがありました。

コバンザメ!

大きい魚に張り付いて、おこぼれを食べて暮らす珍しい魚のあいつ!売ってるんだ!!

コバンザメと私
コバンザメと私(友人撮影)

食べてみたくても食べられなかった魚の一つで、その特性から釣りではほとんど手に入りません。めちゃめちゃレア!!

コバンザメ
品名は「サメ」。はたしてきみは本当にサメなのか?

ごくまれに定置網に入って出回るそうで、友人が珍しい魚を扱うことで有名な「吉池」でゲットしてきたとのこと、さすが!!ありがとう!

そんなわけで「いきます!」と二つ返事で答えて友人宅へやってきました。

ゲンゴロウ
これは友人宅で飼育されていたゲンゴロウ

今回はそんなコバンザメをさばいて食べてみた話です。結論からいうとサメの味はしませんでした。(そもそもサメじゃない!)

コバンザメのコバンについて

ででん!こちちらがコバンザメ。

コバンザメ

トレードマークの額のコバン。これが吸盤になっていて、他の魚にひっついくんだそうです。

コバンザメのコバン

触るとゴツゴツしているんですが、これでくっつくの?本当に?と、まな板にあててみると…

くっついた!!

くっついたコバンザメ

コバンそのものはザラザラしてるんですが、周囲がゼラチン質?みたいになって、本当に吸盤そっくりな働きをするようです。

そのパワーは中々のもの。木のまな板一枚くらいなら余裕で支えられます。圧倒的吸着力!!

くっついたコバンザメ

これがすっごく良く出来ていて、後ろ向き(つまり、寄生した魚が泳ぐときに負荷がかかる方向)にひっぱっても中々外れないのですが、逆向きにひっぱると「すぽっ!」って外れるんですよね。面白い!!

くっついたコバンザメと私

友人と大騒ぎしつつコバンザメのコバンを堪能させていただきました。満足!!良い経験をさせていただいた!

コバンザメを観察する。サメじゃない!

さばく前に観察しておきましょう。

サイズを測ってみました。大きさは、70センチ弱くらい。ひょろ長い体型。

コバンザメのサイズ

おびれ、三日月型で意外にも泳ぐのが得意そうな形。サメっぽくはありません。

コバンザメ、おびれ
コバンザメ、おびれ

はらびれ。くっついて暮らしてる割にけっこう遊泳力は高そう。おこぼれを食べるときに泳ぎまくるのかな?もちろんサメらしさは皆無。

コバンザメのヒレ

顔。たらこくちびる。歯とかなくってやはりサメらしくはない。

コバンザメの口

ウロコはゴツゴツとした鮫肌。ここだけはサメっぽい!!

でも調べてみると、サメの仲間(軟骨魚類)ではなく、ふつーの魚(硬骨魚類)でスズキの仲間とのこと。

コバンザメのうろこ

コバンウオとかでよかったのでは?名前つけたやつでてこい!

コバンザメを料理する

ではでは調理開始、まずはお腹をひらいて内蔵を取り出します。

コバンザメをさばく

三枚におろしてみると…。なるほど、確かにふつーの魚っぽい!!

コバンザメの半身

皮を引いてみるとこんな感じ、タイとかスズキに似た白身でおいしそう。

コバンザメの皮をひく

削いで刺し身にしていきます。スズキの親戚なら美味しいのではなかろうか?

コバンザメの刺し身

“臭い"という噂もあるので。一部は香草(デイル)であえてみましょう。

デイル

骨の入ったハラミは焼いてみます。

コバンザメを焼く

そんな感じで、三品並べてみました。

コバンザメ定食。お刺身・デイルあえ・ソテー。

コバンザメの料理

さっそく食べてみます!騒いでおなかすいた!

コバンザメの味は?

さて、念願のコバンザメの味は?

まずはシンプルなお刺身から、

コバンザメのおつくり

九州刺身醤油で、いただきます。

コバンザメの料理

ちょいちょい、はむはむ。

おぉ~~~~~~~……?

コバンザメのおさしみ

ふつうの白身魚だ。

ぶりぶりとした食感。スズキみたいなかんじ。

ひっついて動かないから「筋肉が衰えてるんじゃないか?」と心配しましたが、考えてみると、ひっつくときは相手に追いつくわけで、むしろ瞬発力は高いのかもしれないですね?

友人と二人で食べましたが満場一致で「ふつうの魚」という感想。

コバンザメのデイルあえ

デイルあえも美味。食べ慣れない感じなので友人は「食べない味だ。」とのこと、むしろこっちが食べ慣れない感じかあ。

あっ!でも、ハラミのあたりだけ、独特な香りがしますね。

焼いたコバンザメ

若干内蔵に匂いがありました。この香りはサメ(の内蔵)に似ているかも?サメの排泄物食べてたりするのかな…

とはいえ総じて美味しい魚です。ふつーにアリ!

コバンザメの味は?

ごちそうさまです。

コバンザメを入手して、呼んでくださった友人に感謝!貴重な機会をありがとう!!

まとめ

友人宅でコバンザメを愛でて、さばいて、食べてきました。見た目や生態が特殊ゆえ、もっと奇抜な味かと思っていたんですけど、味は思ったよりふつうに美味しい。良いことなんですけど、なんか残念な気もしますね。

コバンをひっつけて遊んでる間が一番盛り上がったかも。面白くてぼちぼち美味しい。なんて素晴らしい魚であろうか。いつか船についてるのを引っ剥がしてみたいなあ。

コバンザメ(小判鮫)

【採取場所】船底とか
【採取時期】定置網にかかるほか、船についたのを引っ剥がして採ることもあるとか
コバンザメ科コバンザメ属。サメ肌をしているが、軟骨魚類ですらなくてスズキ目の硬骨魚類。大型のサメやウミガメなどに頭のコバン型の吸盤でひっついて、おこぼれ(食べかすや糞)を食べて暮らす。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia

宣伝コーナー

最近買ってよかったタモ網。とにかく長くてデカい

コバンザメを食べるシーンがでてくるマンガ。色々食べるので興味深いです!(コバンザメが出てくるのは二巻)

図鑑をもって水族館にいくと楽しい!

【おまけ料理レシピ】コバンザメのデイルあえ

【材料】
コバンザメ ※白身魚ならなんでもOK
デイル
オリーブオイル
コショウ
粉チーズ

【作り方】
1.
コバンザメは内臓をだしたあと、三枚におろして皮をひく。
ハラミと血合い骨をとって、それ以外の身を使う。

2.
デイルの葉っぱを手でちぎり、細かくきざんでおく。

3.
コバンザメの身を薄くスライスする。

4.
2と3をあえて、塩と粉チーズをふり、オリーブオイルでマリネする。

5.
冷蔵庫で10分ほどおいて、味が馴染んだら完成。