トゲチシャことテキサスの”ちくちくレタス”を食べてみる【海外遠征】

2023年4月30日野草・山菜★テキサス,トゲチシャ,季節【春】

とある事情でテキサスに滞在しており、試しにあっちでも“とって食べる活動"をやってみました。

テキサスでとにかく何処にでも生えていたのがこいつちくちくレタス(直訳)。

英名は"Prickly Lettuce“。

Prickly(プリックリー)“は「とげらだらけの」「ちくちくした」などを表す形容詞。それでちくちくレタスというわけ。

和名はトゲチシャ。なおチシャとはレタスの別名で、言いたいことはだいたいおんなじ。

他にも、単にワイルドレタスと呼ばれたりすることもあるようで、そうつまりレタスの原種に近い仲間で美味しく食べられれるヤツ。

今回はそんなちくちくレタスこと、トゲチシャを食べてみた話です。

ちくちくレタス(トゲチシャ)ってどんな植物?

原産はヨーロッパから北アメリカ。

先ほどお伝えしたとおり、レタスの原種に近い野生種。

日本にも侵入しており、和名はトゲチシャ。一部地域の路地に生えているとのこと。

アメリカではPrickly Lettuce(プリックリーレタス)、和訳すると"チクチクする"もしくは"トゲトゲの"レタス。

特徴はまずまっすぐと伸びる茎と、上部の葉が上を向いていること。

葉っぱはアザミに似ていますが、名前のとおり葉の縁に細かいトゲが生えています。

しかも、葉の裏側にも、このとおり!

葉脈に沿って、びっしりとトゲが生えています。まるで歯ブラシみたい!

日本では見慣れないので、ちょっと気持ち悪いかも…。

もう一つ葉っぱの特徴、それは白い乳液。

茎や葉の切断面から白い乳液を出すのです。レタスの仲間にありがちなやつ。日本でもノゲシやタンポポが同様の特徴を持ちますね。

葉から出る乳液。ちなみに英語ではラテックスと呼ぶようです。

ちなみにこの乳液、催眠効果があるようで、昔のひとは儀式に使用されていたとのこと。大量に集めて乾燥させると効くらしい。ちなみに野菜のレタスにも含まれていて、それゆえレタスを食べると眠くなるののです(豆知識)。

なお、成長するとてっぺんに黄色い花をつけるとのこと。

トゲチシャの花(wikipediaより)

花の見た目はノゲシに似ていて、近い仲間であることを連想させてくれますね。

トゲチシャ(ちくちくレタス)をとってきた

トゲチシャ(ちくレタ)のとりかた

テキサスではそこら中にこいつが生えておりまして、日当たりのいい草むらを見れば100%と言っていいほどいます。

ホテルから出て1分も歩けばもういますし、車を走らせて道路わきを見ればずらっとこいつ!

テキサスのサバイバルで飢えたらこいつを探して食べることにしましょうね。

さて、どうやってつんだものか?というところですが、触ってみると穂先がやわらかい。

ポキッとな、

ゲット!

ここより下は硬いし、ちくちくするしで、ダメそう。

ちなみに成長して蕾が形成されてくると、穂先も硬くなってくるようです。とれるのは春だけかも。

おまけ、テキサスの草花

採取が簡単でにストーリーがなさすぎたので、テキサスの植物でも貼っておきましょう。そうしよう。

テキサスの州花。ブルーボネット(Bluebonnet

アザミ(Onopordumの仲間)。白い体色が特徴的。トゲは非常に鋭い。ヨーロッパ原産。

テンニンギクの仲間(gaillardia)、別名はBlanket flower、ブランケットフラワー。これもたくさん生えていました。

なんか紫色の花、単体だったので栽培種?

野生のヒマワリ(Wild Sunflowerの若いやつ。そこら中にいます。

おしまい!

トゲチシャ(ちくちくレタス)を料理してみる

トゲチシャをゆでる

さて、そんなわけで持ち帰ってきたトゲチシャ(ちくちくレタス)の先端。
※長いので以降はトゲチシャで統一

冷凍庫の奥に入れていたら、半冷凍させてしまいました。

まぁ食味はそう変わらんでしょ!

というわけで茹でます。

ほんのり塩をしたお湯で、1分ほど。

レタスなので生でもいけるのかもしれませんが、アメリカのお外のものなのでね、用心しましょう。それとちくちく対策です。大事。

しばらくしたら引き上げ。

ひきあげたものがこちら。

しんなり、

触ってみるとちくちく感はありません。いけそう。

トゲチシャをタコスにする

どう料理したものか?というところですが、

テキサスなのでタコスにしましょう。

まずは醤油を少々、

そこにサルサソース、

赤いのも入れましょう。

これにタマネギのみじん切りを入れて~

塩と砂糖でちょっと調味したら、

ざく切りにしたトゲチシャとあえて…

完成!

トゲチシャのサルサソース。

これを焼いたトルティーヤにオンすれば~

トゲチシャタコスのできあがり。美味しそうじゃないですか♪

トゲチシャ(ちくちくレタス)を食べてみる

では、トゲチシャの味を見てみましょう。

まずは、シンプルに茹でてドレッシングをかけたものから!

いただきまーす!

ジャキジャキ…

なるほどなるほど、食感はレタスに近いですが、味は別物ですね。

まず野草独特のクセがあります。

フキのような、エグみに近いヤツ。
これがダメな人はダメかも…

そして苦い。かなり苦い。
ピーマンというかゴーヤくらいの苦さ!

あと、でかい葉っぱは硬いのと、茹でてもなおちくちくする…

てっぺんの上を向いている若葉は、ちょうどいい食感。まさにレタスのよう。個人的にはアリ。ほぼ野菜。

続いて、タコス。

黄色いのはフムス(豆とオリーブオイルのペースト)です。

こいつのまろやかさで苦味をカバーする作戦。いただきます!

ガブリ。

むっしゃむっしゃ…

おっ!

いいんじゃないですか。

サルサソースにしこんだのおかげか、エグみをほぼ感じなくなりました。

フムスのまろやかさで苦味もカバーできています。ほんのり後味に苦さがありますが、これはこれで味でしょう。

トゲチシャ、調理次第では普通にいけます!アリ!!

ごちそうさまでした。

まとめ

テキサスでそこら中に生えているトゲチシャこと、ちくちくレタスをとって食べてみました。穂先がやわらかく触感はレタス似ですが、味はレタスとほど遠く、強い苦みに山菜のエグみ。しかし調理方法次第では美味しくいただけました。食材としてはそこそこアリ。春にテキサスで遭難したらこいつを食べてしのぎましょう。

ちくちく感はしっかり茹でるのと穂先を食べることでカバー。エグみは湯で時間を増やすとか、タレに漬け込むとかで対応可能。苦味に関しては好みの問題かでしょう。好きな人はクセになりそうですよ。

トゲチシャ(PricklyLettuce:ちくちくレタス)

【採取場所】日当たりの良い露地
【採取時期】春
キク科アキノノゲシ属。レタスの原種に近い野生種。葉の縁と葉脈に沿ってブラシのような細いトゲが生える。新しい葉が上を向く事、また断面から乳液を分泌する事が特徴。大型で2m近くにまで成長する。晩春に黄色い花をつける。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia、松江の花図鑑、Foraging Texas

宣伝コーナー

日本は綺麗な採食図鑑が充実してて素晴らしい!

“とって食べる"は英語でForagingです!こちらはテキサスの本。文字おおめ

海外の本を読むと、日本と違う情報が出てきて面白い!

【おまけ料理レシピ】トゲチシャのサルサソース

【材料】
トゲチシャの新芽 x10本
玉ねぎ x1/2 ※市販の具入りサルサソースで代用可
ニンニク x1片 ※同
トマト x中1個 ※同
ハラペーニョ缶詰 x数枚 ※同

【作り方】
1.
トゲチシャの新芽を採取する。先端の上を向いている葉っぱを折り取る。
折り取れないのは硬いのでダメ。

2.
トゲチシャをよく洗い、塩をひとふりした湯で茹でる。
食感を重視するのであれば1分ほど、アクをしっかり抜くのであれば3~5分ほどで引き上げる。

3.
トゲチシャをみじん切りにする。

4.
玉ねぎはみじん切りにしたあと、水に10分ほどさらし辛みをとる。水をよくきる。
ニンニクは包丁でつぶしてから、みじん切りにする。
トマトはワタをぬきみじん切りにする。
※4の材料は市販の具入りサルサソースで代用可能

5.
3と4を合わせ、塩を軽くふり、よく混ぜる。
一晩冷蔵庫でなじませる。

6.
タコミートと一緒にトルティーヤで巻き、ライムをふって、タコスにしたり。
焼いたチキンにかけて食べる。美味しい。