ハシビロガモをとって食べたらマズくなかった件

ハシビロガモ


とある冬、マズいことに定評のあるハシビロガモをとりました。

ハシビロガモ

以前に食べたことがあって金魚鉢の味を経験してはいたんですけど、(他の鴨とれないし)もう一回くらい食べておくか…と食べてみたところ。

なぜか美味しかったので報告をさせて下さい。

ハシビロガモってどんなカモ?

日本でよく見る鴨の一種。

多くのカモ類と違う点がひとつ。クチバシがデカいこと。

ハシビロガモのオス。
ハシビロガモのオス@写真ACより

鴨類はだいた雑食でで、海藻食べたり、ムシを食べたり、穀物食べたり…って感じなんですけど、

ハシビロガモはプランクトンをよく食べる鴨。クチバシにブラシがついてて、これで水から濾しとって食べるのですよね。

でもって、

マズいとよく言われます。

私も過去に一度食べたことがあるのですが、

金魚の水槽の味

がしました。

プランクトンをよく食べるので、植物プラクトンの味がするのカモ…?

ハシビロガモを匍匐前進してとった

とある猟期、朝から池巡りをしてたある日、

そうカモ狙いの旅。バイクで空気銃を背負ってね。

猟場とバイク
猟場とバイク

あらかじめgoogleMapにピンを打っておいた池をめぐります。1日10個以上めぐるんですよ。

池の100mほど前でバイクを停め、そーーーーっと池を覗きにいくと…

遠目に見える鴨。

池とカモ。イメージ画像
池と鴨。 ※イメージ画像

何カモだ?

と双眼鏡をのぞくと、特徴的な“幅広のクチバシ"。なるほどハシビロガモです。とっていいカモ食べられるカモ!

「でも味がイマイチなんだよなあ…」

と、思うのですが

「今年まだカモとってないんだよねえ…」

とも思う私。

決定、せっかくだしとることにしましょう。その場でそーっと…

フォルムチェンジ☆匍匐前進スタイル!!!

池の稜線に沿って、ゆっくり前進。頭だけ稜線を出すところまで進んだら…スコープをカモに向けて…

ぱん。

と一撃。当たりました。

ハシビロガモのメス。

ゲット!

さっそく持ち帰って食べてみましょう。

ハシビロガモがマズくなかった件

持ち帰ってきたハシビロガモはさっそく羽をむいてしまいます。

こうすればホラもうお肉!

ハシビロガモの肉

今回は

・なるべく美味しく食べるため
・内臓の金魚鉢臭をつけないため

内蔵を出さずにお肉をとっていきますよ。

ハシビロガモの肉

ほい。ハシビロガモのお肉はこんな感じ。

左から、ムネ、ササミ、ハツ。上のは手羽先とモモですね。

ハシビロガモの肉

んで、

これを加熱するとこんな感じ!

(オリーブオイルを薄くひいたフライパンで弱火でじっくり焼きました)

ハシビロガモの肉

お肉はほんのりピンク。良い感じなのではなかろうか?

ハシビロガモの肉

試しに塩をつけて食べてみますか、

ハシビロガモの肉

ぱく。

あっ…!?

美味しい。

マズくないですよこのカモ。ぜんぜん"金魚の水槽の味"しませんし、なんならマガモ寄りの味です。

美味いぞ…?

せっかくなので何となくソースも作りましょう。

ハシビロガモの料理

残った油にワインと醤油でソースをね、何となくあった野菜も添えてみました。

ハシビロガモの料理

ソースを付けてパクリ。

うん!

うまい。

脂はないけど、すっごくジビエ的で良い感じ。

前に食べた個体とは何が違うのか…?

・メインで食べていたものが違う
・渡ってきてすぐで脂がなかった
・内蔵を出さなかったから
・鮮度

などが想像できますが、なんでしょーね?

とりあえず、

『ハシビロガモにも美味いやつがいる』

…という事を知りました。ごちそうさまでした。

まとめ

猟期に狩猟鳥獣のハシビロガモをとって食べてみました。

以前に食べた経験から、クセを覚悟で食べてみたのですが、意外とちゃんとしたカモ味。金魚鉢の味はしません。かなり偏った食性のカモに見えて、意外と個体差があるのかも…?またとって食べてみようと思います。ごちそうさまでした。

【注意】
本種は鳥獣保護法により保護されております。とるには狩猟法にしたがう必要がありますのでご注意ください。

余談

ハシビロガモはエサを濾し取るためか?舌がふとくてデカい。

超レア食材、カモタンが食べられる…!?

ハシビロガモ(嘴広鴨)

【採取場所】池
【採取時期】冬(猟期)
カモ科マガモ属。冬に日本にやってくる渡り鳥の一種。冬に流れの穏やかな河川や池などで見られる。クチバシがシャベルのように立派なのが特徴。雑食だがプランクトン食に寄っており、水ごと吸い込んで、クチバシで濾し取って食べる。それ以外に昆虫や魚なども食べるとのこと。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia

書籍紹介コーナー

狩猟をはじめるなら、まずこの本!

リアル寄り狩猟マンガ。ためになります

狩猟の刺激に触れたい方には"熊撃ちの女"、重い話なんで注意!

【おまけ料理レシピ】ハシビロガモの燻製

次まずいやつをとったら作る予定のメニューを乗せておきます。

【材料】
ハシビロガモ

砂糖
コショウ
ローリエ

【作り方】

1.
砂糖・塩・コショウ・ローリエと水を鍋で沸かし、ソミュール液を作る。
砂糖2・塩2・水100くらいの割合。できたら冷まして冷蔵庫に入れておく。

2.
ハシビロガモの身を取り出す。内蔵を出さずに剥くこと。

3.
ムネ肉は薄切りにする。
カタとモモ肉は骨から外して開いておく。

4.
1のソミュール液に3を浸ける。
15分ほどおく。

6.
4を燻製にする。

燻製器がなければ、ダメにしていいパスタ鍋+粉ふるい+網、で即席燻製器ができる。
燻製チップはダイソーで売ってます。

7.
温燻で、30分ほどやったら完成。
多少くさくてもなんとかなるハズ。