トウオオバコのバカデカ葉で肉を巻きたい
初夏のとある日、植物の観察&採取の会にお誘いいただきまして、食材集めをしてきました。
植物の先生である"仙人"がそこらに生えている植物の利用方法についてイロイロ教えてくれるという会。上の写真は、右上から、ボタンボウフウ、トウオオバコ、ツルナ、アシタバ、フキ、ヤダケ、などなどといったラインナップ。
知らなかった植物や、気になっていた植物について教えていただけたりして、学びの多い一日でした。
さて、今回はその中でトウオオバコという気になるバカデカいオオバコを教えてもらったので、その食レポになります。どうぞご査収下さい。
オオバコについておさらい
トウオオバコの話をする前に一般的なオオバコお話もしておきましょう。
オオバコ
形容詞のつかないただのオオバコがこちら。
楕円形で、5センチくらいの一口サイズの葉っぱが特徴的な雑草ライクな植物。公園や堤防などで見られる植物で、誰しも一度見たことあるのではないでしょーか。
靴の裏にくっつく種と、踏まれても平気な丈夫な葉っぱという性質で、ひとの行くところにだいたい生えているヤツ。昔は馬車の通り道に生えていることから車前草と呼ばれていました。
ちなみにほぼ同じ見た目でやや大型種に“セイヨウオオバコ"という外来種もいるそうですが、見分けがつかないため割愛!
ちなみにオオバコは食べらる植物で、主に葉を利用します。美味しくて薬用効果もある優秀な食材ですよ。
これの食レポは過去記事をどうぞ。
ヘラオオバコ
葉っぱの形がちょっと違って細長い、という特徴を持つヘラオオバコという種もよく見かけます。
オオバコより土と日当たりのいい場所を好む印象。
オオバコよりもぐぐっと穂が伸びるのがポイント。ぐぐぐぐ~~~っとね。
こちらも通常オオバコと変わらず食用にできますよ。
トウオオバコ
さて今回のテーマなトウオオバコがこちら。
ぱっと見は、ただのオオバコと同様に楕円形の葉っぱなのですが・・・
めちゃめちゃでっかい!!
どれくらいでっかいかというと、
顔が隠れるくらい。
です。パワーを感じますね~~~!
生息地は海岸。
塩に強いのか?けっこうな波打ち際にまで生えています。
これもオオバコと同じように利用できるよーで、これだけデカいと食べごたえが素晴らしいのではないでしょうか。
それともデカすぎて大味だったり、硬かったりするのでしょうかね~
ま、食べて確かめてみましょう。
ってことで、なるべく柔らかそうな、葉が開ききってない新芽を採取。
採取会から持ち帰ったのでした。
関係ないのですが、一緒にとったヤダケが帰りにちょー邪魔だったことをここに報告させていただきます!
トウオオバコで肉を巻きたい
さて持ち帰ってきたトウオオバコ。
どう料理するかを帰り道にうんうんと悩んだのですが、せっかくなのでこのバカデカさを生かしたい。
では…?
ということで、肉を巻いてみることにしましょう。あえて一切カットせずにね。
トウオオバコの下ごしらえ
でっかいので葉っぱはかるーく下ごしらえしておきましょう。
とはいっても、塩をひとふりしたお湯で茹でるだけ。
ゆで時間は10秒くらい。
さっと取り出します。茎はとるか悩んだのですが、いったんそのままにしました。
続いて肉あんの作成
続いて肉ぶぶんをやります。
肉あんに深み的なヤツを出すためタマネギを入れるんですが、最近野菜が高いので、業務スーパーの冷凍のを使っちゃいます。飴色にする手間がはぶけて便利。
ちなみに、
ドンッとこう!!
袋ごとカットして使うのが私流。
間違ってないですよね??
味付けは塩とオイスターソースと、あとテキトーなスパイス。ナツメグ・オールスパイスなど。
トウオオバコで肉を巻く
それでは、オオバコで肉を巻いていきましょうか。
トウオオバコの葉を広げ、その上に肉あんをスプーンひとさじ。
うーん!葉っぱがデカくて感覚がバグりますね…
一般的なロールキャベツくらいのデカさがあるんですが、脳がオオバコだと認識してるせいか?小さく見えてしまいます。
大小の葉っぱをとってきたので、肉あんを増やしたり減らしたり試行錯誤しつつ巻いてみましたよ。
小さい葉っぱは、あえて肉がはみ出るくらいで。これならそこらの公園のオオバコでも作れるかも。
これを蒸し器にセット、
ちょっと長めにもくもくもく~っと蒸しちゃいます。
蒸しあがったものがコチラ!
オオッ、見た目は良い感じなのではーーーーっ!?
トウオオバコの肉巻き、完成です。
トウオオバコを食べてみる
盛り付けてみました。
ゴマダレ・ケバブという濃いめのタレ2種類を用意。
ではでは、いただきまーす!
がぶり。
モグモグ…
(食べごたえがすごい…)
でもいけますよこれ!!
まず歯切れがGood。すじがほんのり口にあたりますが、気にならないレベル。若い葉っぱを選んだおかげかな。
風味に関しては、予想通りというか…かなり大味。オオバコ特有の苦味やクセは弱め。
しかしそれは食べやすいという事で、オオバコの中でも初心者向けの食材かもしれません。つまりはアリです。
肉あんにスパイスたっぷり入れたおかげか、ケバブソースとの相性が特に良い。
実は苦味を警戒してのチョイスだったのですが、無用でした。もっとサッパリめにシュウマイ風の味付けで十分だったかも。
改善点は茎かな。
圧倒的に外したヤツのほうが食べやすいのです。
決してマズイわけではないんですが、歯ごたえと食べ応えがすさまじいんですよ。茎でお腹いっぱいになっちゃう…。
肉巻きにするときはカットして、茎はそれだけで一口サイズの炒め物がいいかな。チンゲンサイとかニンニクの茎炒めみたいな感じで。
それ以外は大満足です。ごちそうさまでした~。
まとめ
会で教えていただいた海岸に生えるトウオオバコはバカでかいわりに、クセなくマイルドな味わいでした。とにかく食べごたえがすさまじくて、食材としては優秀と言えるでしょう。海辺を訪れた際はぜひお試しいただきたい。
余談ですが、残ったのをトマトソースで食べたりもしえみましたが、こちらも美味しかったですよ。
トウオオバコ(唐大葉子)
【採取場所】日本全国の海岸
【採取時期】通年
オオバコ科オオバコ属の多年草。大型のオオバコで、葉の大きさは30センチ近くにもなり、穂は60センチを超える。日当たりのよい海辺に自生する。名前に唐とつくように外来…ではなく在来種だったりする。
参考にさせていただいた資料:Wikipedia
スペシャルサンクス:野草仙人
宣伝コーナー
今回教えていただいた仙人の出してる本です
植物図鑑は数冊持っていると内容が違うので面白い
【おまけ料理レシピ】トウオオバコの肉巻き
【材料】
牛豚合い挽き x200g
タマネギ x1個
トウオオバコの葉 x5枚 ※普通のオオバコでも可、枚数をそれなりに増やして下さい
塩 x適量
・肉あんの味付け
オイスターソース x少々
クミン x少々
ナツメグ x少々
コショウ x少々
※ガラムマサラ適量でも可
【作り方】
1.
トウオオバコの葉は塩をひとつまみ入れたお湯でさっと茹で、
余った茎をカットしておく。
2.
タマネギを少量の油(分量外)と塩で茶色くなるまで炒める。
超弱火でフタをして10分くらい放置するだけでOK。
面倒なら業務スーパーの出来合いを使いましょう。
3.
ひき肉に2と塩、肉あんの味付けを加えてよく練る。
4.
3をトウオオバコの葉でくるみ、蒸し器で蒸す。
なければ油を少量ひいたフライパンで焼くでもOK。
5.
焼けたら好みのタレで食べる。
酸味があるやつがオススメ。