モミジガサをトリカブトと見分けて食べた。美味い!
最近食べた山菜でとびきりウマかったやつ。
それはモミジガサ。
山菜の女王とも呼ばれる山菜で、トロリとほどけるような触感でとても美味でした。
シカシ、
とるのにちょっぴり勇気がいる食材で…
なぜかというと有毒植物トリカブトと似ている…!!
というわけで、モミジガサの見分け方と、その味の話をさせて下さい。
モミジガサを見つけた場所
春、とある山でHさんと山菜探しをしていたときの話。
この日は沢沿いにコゴミを目当てにきていて、
「コゴミが沢山とれて嬉しいね~~♪」
なんて話をしつつ斜面を歩いていたのですが…
ふと斜面を見ると、存在感のある植物がまとまって生えています。
私がなーーーんか見覚えがある植物なんだよなあ…
と私、
知らないなあ。見たことない奴は怖くてね~
とHさん。
ですよね~
トリカブトにも似てるんですよね~~
そう、猛毒植物トリカブトにちょっと似てるんですよね。
でも違うんですよ!
と…あきらめきれない私が山菜ハンドブックをぺらぺらと…
あっ!わかった。
これ、モミジガサだ!
よくシドケと呼ばれるめっちゃ有名な山菜ですよ!!
モミジガサはシドケと呼ばれる山菜!
モミジガサ、この時点では図鑑でしか見たことがない存在で実物を見るのは初めて。
そういえば図鑑には、“日陰で、湿度がある場所を好む"…と書かれていました!
“群落を作ることが多く、まとまって生えている。"とも書いていました。確かにそんな感じで沢山はえています。
見つけた場所は山道の沢沿いで日陰も湿度もちょうどよさげ。いつの間にかベスト・モミジガサ・ポイントつまりBMPにいたわけです!やったぜ非圧縮!
ちなみに美味しい山菜で、一部地域では"山菜の王様"と呼ばれることもあるほど!(その場合、同じく山菜の王様なタラの芽の扱いはどうなんでしょうね?)
…と、うれしい獲物なのですが、このモミジガサ、採取をためらう理由がひとつありまして…!
モミジガサとトリカブトの見分け方
採取をためらう理由というのは、先ほどもお伝えしたように猛毒のトリカブトとよく似ているのです。
花が出ていればカンタンに区別できるのですが、あいにく春先には花はなく、葉や茎で判断しなければなりません。
これがよく似ていて、とってもわかりづらい。
どれくらいわかりづらいか?と言いますと…、“モミジガサとトリカブトを間違えて食べて病院に運ばれる方が後を絶たない"くらいには分かりづらい…!!
幸い私はトリカブトをけっこう見慣れており、違いを認識できたので、メモしておきましょう。
トリカブトの葉
まずこっちがトリカブト。
やや細めで暗色の茎がすーっと伸びて、若草色の葉をつけます。
葉は、手のひら状といいますか、ヨモギのような切れ込みの入って、斑点があったりなかったり。この辺がトリカブトの種類によって多様化してるのも恐ろしいポイント。
トリカブトの葉の裏、つるりとしてやや光沢があります。ここがポイント。
モミジガサの葉
対してモミジガサがこんな感じ。
茎や、葉の色・形、葉脈までよく似ています。並べてみれば分かるでしょうが、片方だけみたらわっかんなくなります。
私は以下の二つの点で見分けました!
見分けポイント①
見分けるポイントの一つ目は、若葉の状態。
地面から出たばっかりのモミジガサは、葉が閉じています。
ちょうど閉じたカサのように垂れ下がっています。対するトリカブトはこうはならないので、まずは若葉を確認しましょう。
見分けポイント②
続いて葉の質感をチェック。
以下がモミジガサの写真なのですが、細かな産毛が生えているのがわかりますでしょうか。ここがポイント。
対してトリカブトはどの品種も産毛がなく、つるりとして光沢があります。ここを見て私は「間違いない」と判断しました。
ちなみに、モミジガサの近縁種に"ヤブレガサ"というものもおり、これにも産毛がありますが、これはどちらも食べられるのでセーフ!
その他の特徴
また、モミジガサは「フキのような香り」がするのもポイント、
対するトリカブトはほぼ無臭なので、見分けられます。
…とはいえ猛毒のトリカブトの茎を切ってかぐのもリスキーなので、この方法はあんまりおすすめしません。
トリカブトとモミジガサを見分けて楽しい山菜ライフ(生存)を
そんな感じで
「「これはモミジガサだ!」」
と判断づけた二人、違いが分かれば話は早いもの。
Hさんも私もウキウキ♪特徴を丁寧に確かめつつ。モミジガサ採取にいそしみます。
とはいえ、このモミジガサ、生息条件のあうBMP(ベスト・モミジガサ・ポイント)にはたくさんいるものの、それ以外にはあまり生えていませんでした。
「貴重っぽいから採取はほどほどにね!」ということで、数本のうち1本を間引くようにつんでいき、サイドバックいっぱいくらいのモミジガサをゲット!
やったぜ。持ち帰って食べるの楽しみっ♪
モミジガサを食べてみる
さて持ち帰ってきたモミジガサ。
せっかく初物なのでシンプルに食べましょうね、ってことでシンプルにおひたしにしてみます。
下ごしらえもほぼ要らないらしく、塩をすこーし加えたお湯で、サッと湯通し。
これを流水でさますだけ。
あとは好みの味付けにするだけとのこと、簡単ですね♪
モミジガサの味は?
その日からしばらくは山菜ごはんをいただきました。
この時作ったのは左から、イタドリのお漬物、ハコベの炒め物、モミジガサのおひたし(アサリ入り)。
特別な理由はなくって、たまたま山菜取りの前日にとりにいってただけというね。
それでは、いただきます!モミジガサ!
ぱくり。
もぐもぐ…とろっ…
うまい。
おぉ~~~トロリとした触感、ほんのりフキの仲間の香りがするのもたまんないですね!すばらしい。確かに旨いですよこいつは。
“山菜の王様"と呼ばれるだけのことはあります。
「タラの芽とどっちが王様か?」
と言われたら甲乙つけがたいかも。
うーん!どっちも譲れないなー!両方が王様で良いんじゃないですかね、ダブルキングがダブルブッキングで!!
ごちそうさまでした。
まとめ
山で見つけた山菜、モミジガサを食べてみました。初めての山菜で、見た目がちょっぴりトリカブトと似ていてるのですがキッチリ見分けて採取。
さっと茹でて食べてみたところ、とろっとした触感にフキの香りで他にない美味しさ。これは毎年とりにいきたい!ありがとうモミジガサっ。
※山菜には有毒で、似た見た目のものがおり、安易にとって食べるのは危険です。有識者のもと十分に観察したうえで採取しましょう。自己責任でお願いしますヨ!
モミジガサ・シドケ(紅葉傘)
【採取場所】里山
【採取時期】
キク科モミジガサ属。地方によってはシドケとも呼ばれる山菜。その名の通りモミジに似た葉をつけ、カサのように開いてゆく。日陰で湿地のある場所を好み、敵地には群生している。とりすぎないよう間引くようにつむ。猛毒トリカブトと似ているため、区別できない場合は採取しないほうがよい。
参考にさせていただいた資料:Wikipedia
宣伝コーナー
【おまけ料理レシピ】モミジガサのおひたし
【材料】
モミジガサ
水
塩
めんつゆ
【作り方】
1.
モミジガサをトリカブトと間違えないようにつむ。
2.
お湯を沸かし、塩をひとつまみ。
3.
モミジガサをゆでる。火加減が肝心ですぐトロトロ触感になってしまう。
シャキシャキを味わいたい場合は、入れてかき回したらすぐあげるくらいサッと過熱する程度にとどめる。
4.
冷水にさらし、さます。
5.
めんつゆをかけ、しばらくおいたら完成。
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