ノゲシを食べてみたら爆発した件
図鑑をぱらぱらとめくっていると、
「昔は栽培していたが今は雑草。」
という記述のある植物がチラホラおります。
ノゲシもそのひとつ、
ヨーロッパあたりではいまでも野菜扱いだそうですが、日本では雑草。
栽培してたってことは美味しいんじゃない?
ということでひとつ味見してみました。ひどいめにあいました。
ノゲシを探しに河原へ
さて、やってきたのは西東京のとある河原。
土手沿いの草むらでノゲシを探します。
が、
意外と探すと見つからないもの。
二時間くらいウロウロしたところで、
なんとかノゲシを発見!
しかしめっちゃヨボヨボ、
花が終わっちゃってますね。
こんな固体でも食べられるのでしょうか?ダメ?
せっかく見つけたし、一本だけ採取してみましょう。
触れてみると葉っぱが思ったより鋭くてちくちくと痛い…!
手袋をしてぶじGET。
ノゲシの特徴は茎を切ると白い乳液が出てくること、
…が、この個体は古いせいか出が悪い。
やっぱダメ?
河原のノゲシを食べてみる
一応、持って帰ってきました。
ゴボウみたいな硬さ!
既に食べられる気がしません。
はんぶんに割ってみます。
中身は竹のように中空の節状になっているのですね~、
きんぴらにしてみましょう。
じゅーーーっ。
火を通せばまぁいけるんじゃないでしょうかね?
できあがりました。
ノゲシのキンピラ。
では、いただきます。
ガリッ。
あぁ…
ムリな食感、
草履でも食べてるかのようです。
明らかに固体がヨボヨボでした。
それに茎も細かったですね。
ヨボヨボノゲシは食べられない。覚えた。
良ノゲシを探して
良い感じのノゲシはどこにいるんだろう?
と探し回っていたところ、
西東京の山間部で具合のいいノゲシを発見。
山間部の土はいいのか?あからさまに河原のものより太い。
良ノゲ。
トゲの具合と葉の巻きっぷりからすると、
オニノゲシでしょうか。
よく見ると先客(毛虫)がいました。
こんな固くてチクチク痛いものよく食べますね~?
まぁ私もなんですけど~。
そんなわけで採取(毛虫ごめん)。
断面を見てみると乳液がだらっと、
明らかに前回より鮮度がいいです。ワクワクしながら持ち帰りますよ。
ノゲシが爆発した件
再び台所にやってきたノゲシ。
これが葉っぱ。
毛虫にも言いましたけど、
こんなトゲトゲした草、食べてもへいきなもん?
こっちは花。
花が食べられるとは聞かないのですが、一応試してみます。
ではではハサミで葉っぱと茎をジャキジャキ選り分け、
そのままだと鍋に入らないので茎も切ってしまおう。じゃきじゃき。
図鑑によると茹でればトゲは気にならないとのこと。
んじゃ茹でてしまいますよっと、
お湯にどぼーん。
ぐつぐつ…
すると…
うっわ!?
あっつ!!
爆発しました。
更に追討ちで…
ボン…ボンボン!!
たいひーーーーっ!退避退避ーーーーーっ!
周囲に撒き散らされる熱湯、
やけどしそうになる私。
地獄絵図…
加熱したらしたらで危険な植物とは思ってもみませんでした。
ご注意下さい!!
ノゲシの茎は爆発します。
これは竹っぽい節が爆ぜてるのだと思われます。対策として半分にしておけば大丈夫なハズ。(もしくはフタをする)
さて、爆発が落ち着いたところで、
葉っぱも茹でます。
茹で上がったものがコチラ、
葉っぱのトゲはしゅんとして触っても痛くありません。
小松菜レベルにまで落ち着きました。
あんなにパンクだった子がまぁ!変われば変わるのね的な。
良ノゲシを食べてみる
茹で上がった茎と葉っぱを食べてみます。
ゴマドレをどばーっとかけて、
まずは茎から、
いただきま~~す。
しゃくしゃく。
美味しい。
チンゲンサイの茎だけ食べてる感じ、
やや苦味があってサニーレタスみたいな味。
何も知らせずに食べさせたら、
「レタスに茎なんてあったっけ?」
とか言わるのではないでしょうか。
驚いたのは葉っぱのトゲも気にならずにいけること。口に入れてもほとんど違和感ありません。
あと花も面白い。
苦味と、
ほんのり花の爽やかな香りがあって…
なんだこれフキのとうじゃん。
夏にフキのとうが食べたくなったらノゲシの花をかじろう。覚えました。
ノゲシの野菜スティックがうまいよ
食べてわかった事は
茎がうまい。
ということ、
ベースの味が濃いめなので、肉味噌とかタルタルとかつけて食べるのがいいですね。
洋食のつけあわせにもピッタリ。
ローストビーフと一緒に並べてみました。
色合いが大変によろしい。
ちなみに真ん中のはノゲシのおひたし。おひたしにすると茹でただけよりもトゲの質感がなくなるので食べやすい。
さて、おおぶりの茎にたっぷりタルタルをつけて、
カリポリ。
これがめっちゃいい。
お肉で巻いて食べるのもかなりいい。
知らずに食べさせたら、
「サンチュに茎ってあったっけ。」
とか言われるのではないでしょうか。
ごちそうさまでした。
まとめ
ノゲシはちょっぴり危険な植物ですが(葉っぱが痛いし茎が爆発しますよ!)とても美味しい野草でした。さすが野菜として扱われるだけのことはあります。
サバイバルをやるとき現地食べしたい食べ物リストにノミネート、若いものをチョイスさせすればその場で茹でて食べられるハズ。味噌もって出かけなくっちゃですね。
ノゲシ
【採取場所】畑のそば、河原、山すそ
【採取時期】4月~5月
キク科ノゲシ属。ヨーロッパ原産の外来種、史実前帰化種とされている。茎は中空で折ると白い乳液が染み出す。記事に登場したものはオニノゲシ。ノゲシと比べると葉のトゲがより鋭く触れると痛い。
参考にさせていただいた資料:Wikipedia、野草をおいしく食べる本
書籍紹介
食べ方と野草がわかりやすく紹介されてます!
山菜を探すならハンディサイズの本は必携ですよ~!
【おまけ料理レシピ】ノゲシにつける肉味噌
【材料】
ノゲシ x2~3本
・肉味噌
ラード x大さじ2 ※ごま油やオリーブオイルでもよい
肉ミンチ(何でも、貝でもOK) x100~200g
おろしニンニク x大さじ3
おろしショウガ x大さじ3
一味 x好みで
醤油 x大さじ3
みりん x大さじ3
味噌 x大さじ3
砂糖 x大さじ3
【作り方】
1.
フライパンにラードを落とし、ニンニク・ショウガ・一味を弱火で炒め香りをだす。
2.
肉ミンチを加え、色が変わるまで火を通す。
3.
その他の調味料を加え、よく混ぜ合わせる。
4.
弱火でじっくり加熱し、箸でつまめるくらいまでドロッとさせたら完成。焦げやすいのでよく混ぜること。
5.
ノゲシをつんでくる。太くて花が出来る前のものがオススメ。
6.
ノゲシの茎を半分に割り(割らないと爆発します)ちょっぴり塩を入れたお湯で1分ほど茹でる。
キュウリ・ニンジン・セロリなど好みの野菜と盛り付け、4の肉味噌をつけて食べる。