野ゼリで山賊たちのあこがれセリしゃぶをやった話
春の七草にノミネートされているおいしい野草、セリ(芹)。
とって食べてみたいんだけれども、野ゼリは田舎の水の綺麗な川でなければ出会えないよなあ…と思っていたら、
東京にも生えてました。
わりと身近に、荒川にも、多摩川にも普通に生えていました。
野セリとの出会い
春まっさかりの4月のある日、イタドリを探して川まわりをパトロールしていたところ、
河原の草むらで熱心に野草をつんでる老夫婦を発見!
ははぁ…これはなにかあるなと、
草むらに分け入って聞いてみました。
こんにちは~!何をとられてるんですか、山菜ですか?
と聞いてみるとおばあちゃんが
これ?セリよ。
と一言。
セリ!!
きました!
セリを探して三千里、ここにきて出会えるとはーーーっ!!
話を聞いてみると、老夫婦はこのシーズンに週いちどセリを摘みにくるんだそうな。
私も摘みたいです!とお願いし一緒に摘ませていただきました。
さっそく探してみたところ、あるわあるわ、
これがセリなわけですね!
間違えていると怖いのでおばあちゃんに聞いてみると、そうだとのこと。
いざ採取!
セリは、有毒なドクゼリというセリに見た目が似た植物がおりまして、これと見分けるために根っこからとるのが推奨されています。
というわけで、根本のあたりを引っ張ってみます。
ぷっちーん…
失敗。根っこがとれずに切れてしまいました。
これではドクゼリと見分けがつかない。なかなか難しいようです。
試行錯誤しつつ、地面が柔らかいところで五体満足のセリをゲット。
感無量、ついにセリを取ることができました。
いやあ、東京でとってたべる生活をやっててよかった。
さて、同じように取りやすい個体を選んでとっていると、不意におばあちゃんから声がかかりました。
そんなちっこいのじゃなくて、おおきいのを選んで摘みなさい。
とるときは、ほら、こうやって太い根っこからとるの。太い根っこがうまいのよ。
ありがとうおばあちゃん。
アドバイスに従い大きいセリを狙ってみることにします、アシのような草をかき分け、隠れてる大きいセリをひっこぬきます。
根本の地面をえぐりつつ、ぐっと掴んで…
ばばばーーん!
とれました、でっかいセリ。
こうですか?と、おばあちゃんに聞くと、
そう。それが美味しいの。
褒められた、嬉しい!
やってるうちに根っこから抜くメソッドが完成、
1.大きく太いものはしっかりしているのでちぎれにくい
2.下草をかき分けて、しっかり根っこまで探ること
3.密集していない場所は地面が柔らかく抜きやすい
さて、そんなコツを掴んでくることにはけっこうな量のセリを摘めていました。
老夫婦は帰るそうなので、お礼を言って私も撤収!
手がどろんこになるまで夢中で採取してしまいました(笑)
早く帰って食べたいのでぴゃっと帰りましょう。
とったので食べます
というわけで台所わ~~~~ぷ!
さっそく料理して食べるべく、とってきたセリをよく洗っていきます。
そして大切な鑑定タイム。
なれないうちにはとびきり丁寧に確認しておきます。
洗いながら1本づつ、セリであることを確認、
・根っこが太くない
・断面からセリ香がする
この二つをクリアしていればドクゼリは混入しないでしょう。
ちなみに、セリは以下の写真のような見た目をしております。
根元はのぶぶんは茎と同じ太さで、割ってみると竹のような節があります。
断面からは強い柑橘系の香りがします。それは花粉症で鼻がつまった私でもわかるほど!
逆に、ドクゼリは以下の写真のような根をしており、セリ特有の香りもないそうです。
根からとれば間違えない事は確かなようです。
さて、チェックが終わったらさっそくいただきます。
今回のメニューはセリしゃぶ!
このセリ料理は私のあこがれのメニューのひとつでした。
私だけでなく、きっと山賊を志すみんなのあこがれ。
わからない方に説明しますと、狩猟ビギナーのバイブルとも言える名著「山賊ダイアリー」
これの六巻にセリしゃぶがでてくるのです。
マンガに出てくる セリ入りジビエつみれ鍋、最高にうまそうじゃないですか…
そして、特に思いで深いのが
セリしゃぶを岡本さんがうまそうに食べるシーン!
ああああ~羨ましい!おいしそうすぎる!
食べさせて~~~~。
そりゃあもう美味しそうに食べいたのが目に焼き付いてしまいまして、「いつか自分も食べてやるぞ」と、ずっと野セリをとることを目標にしていたのです。
サァ、ついに食べられるときがきました。
材料はセリ!
あと猪を用意できなかったので豚肉を用意しました。
軽く出汁をきかせた汁で、セリをサッとしゃぶって…
タレはポン酢を用意、
ちょいとつけて…ぱくり、
はあああああああぁぁぁぁぁぁぁ………
うまい!
噛みしめるとセリの独特な爽やかな香りが広がります
野のものだからかとても強い香り、
春風のようにギュンッと鼻孔を突き抜けます。
これは他に代えがたい美味ししさ!
香りが強いのはわかったので、豚肉で巻いて食べてみましょう。
くるっと巻いて~もぐもぐ~
あああ~美味しい、セリの香りは化物か。豚のパワーに打ち勝つほどとは。
しかもこれは脂身とセリの香りのバランスがたいへんよい、さっぱりしていくらでも食べられる味。
セリのパワーが強すぎる…
美味しすぎて死んでしまうので、ここはあいつに登場願いましょう。
でん!
セリをしゃぶしゃぶして…
いいちこ頂いて…
はあ~、幸せ!!
生きててよかった!!
まとめ
野ゼリは東京近辺でも摘めました。生えている場所さえ見つけることができれば沢山はえています。これで食べたいときにいつでも美味しいセリしゃぶができそう。幸せ!
※たいへん美味しいセリですが、採取するときはドクゼリと間違えないよう、念入りにチェックして採取しましょう。
セリ(芹)
【採取場所】河川、池、沼などの湿地
【採取時期】4月~5月
セリ目セリ科の多年草、漢字で書くと芹 河原の水辺や湿度の高い土手に群生する。7~8月は花をつけるためとらない。日本では昔から食べられてきた野草で、春の七草粥の材料の一つであり、また秋田県ではきりたんぽ鍋の具材としても欠かせないもの。
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【おまけ料理レシピ】あこがれのセリしゃぶ
【材料】
野ゼリ x20~30本
豚肉 x100~200g
かつおだし x適量
こんぶだし x適量
ポン酢 x適量
【作り方】
1.
とってきた野セリはよく洗い、ドクゼリが混入していないことを念入りに確認する。
2.
豚肉とセリを一口サイズにカット。
セリは葉・茎・根で食感が異なるので分けておくとよい。
3.
たっぷりのお湯を沸かし、軽くかつお出汁とこんぶだしを加えておく
4.
軽くお湯にくぐらせてポン酢でいただきましょう。
それぞれの部位ごとに好みの茹で加減で食べるのがポイントです。
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