アカニシは一見サザエな貝を食べる貝。味見レポート
普段食べない食材を食べてみたレポート、今回はアカニシ貝。
サザエっぽい見た目だけど、だいぶ違うやつ。
過去に何度か東京湾でゲットしたのですが「権利ありそうで心配」ってことでスルーしていたのですが…
“貝を食べる貝"らしく嫌われているらしい。
そんなら食べてみなきゃね、ということでたまたま採れた日に食べてみたレポートです。
アカニシってどんな貝？
アカニシというのは巻き貝の一種。
大きさは10～15cmほど、どことなくサザエを思わせるシルエットをしていますが、明らかになんか茶色くて違うヤツ。
アッキガイ科チリメンボラ属。聞いたこと無い科属すぎてびびりますね。チリメンボラって誰さん？
名前の由来は、貝の口の部分が赤（オレンジ色）に色づいていることから。
でも今回取ってきた個体はシマシマ入でした。そういうのもいるらしい。オシャレですね。
磯で藻を食べるサザエとは違って、砂地に住む貝でなんと食性は貝食。
アサリとかを食べちゃうのだそう。
そういえば過去にゲットしたのもアサリとかがとれる海岸でした。
初見は「巻き貝だし漁業権アウトか？」と思っていたのですが…
貴重な食用貝を食害するため「むしろ積極的に食べてくれ！」なポジションっぽいです。少なくとも関東では権利対象になっていません。
貝を食べる貝というと、以前食べたツメタガイ（美味しかった）を思い出しますね～
ツメタガイはカラに穴をあけて食べるタイプなんですが、
対して、アカニシは隙間に口をねじこんで食べるのだそう。
※参考資料 肉食性巻貝類アカニシとツメタガイの捕食行動と捕食痕の比較
なんというパワータイプ…
貝たちの世界では押し入り強盗が横行しているようです。貝に生まれなくてよかった…
なぜか投網でとれたアカニシ貝
さて、とある漁港で投網を投げていた日。
なんか網にデカめのアカニシ貝がかかりまして…
貝って投網で採れるんだ！？
しかもデカいな。
というWオドロキ。
この日の網果はシタビラメというヒラメの仲間や、ワタリガニ。さすがに貝はアカニシいっこだけ。
網にかかっただけあってアカニシは大粒。あんまり食べるという話を聞きませんが旨いのでしょうか…？
せっかくだし食べて味見しておきましょうかね。
アカニシ貝を食べてみる
どうやって食べてやろう？
…というところですが、初物ですしシンプルにバター焼きでいってみましょう。
軽く塩ゆでにし、中身を取り出してみます。
サザエと同じ感じにやったらすぐ出てきましたよ。
中身を食べやすい大きさにカット、貝毒がたまってそうな内蔵部分は捨てましょう。怖いし。
これを魚と一緒にフライパンでバターで焼いたものが…
コチラ！
アカニシ貝のバター焼き。
ではいただきまーす！
んぐんぐ…
他の巻き貝よりやわらかめ？サザエみたいなコリコリした感じはしません。
でも風味はサザエに近いかな、しっかり貝の味。いけます。
しいていうとちょっと苦味が強いか？
もう少し沢山食べたかったかも。ごちそうさまです！
まとめ
サザエっぽい見た目だけど貝を食べる恐ろしい貝、アカニシはけっこう美味しいヤツでした。
食感が柔らかめなのは、波間で岩に張り付くサザエと違って砂場でぬくぬくしてるからでしょうおそらく。ちゃんと美味しかったので、今後も積極的に食べていきたいところ。
アカニシ（赤螺）
【採取場所】砂浜
【採取時期】初夏
アッキガイ科チリメンボラ属。浅い海に生息する巻き貝の一種。肉食性でアサリなどを他の貝類を食べる。ニシ（螺）は巻き貝の総称で、貝殻の口のぶぶんが赤いニシという意味でアカニシ。日本近海が産地なのですが、船にくっついて海外に運ばれ繁殖しているとのこと。あっちではトップシェルと呼ばれ、美味しく食べられているのだとか。
参考にさせていただいた資料：Wikipedia、ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑
宣伝コーナー
アカニシ貝はAmazoにも売ってましたよ
貝って知らんヤツ多いし、図鑑買ってみようかな？
【おまけ料理レシピ】アカニシのバターソテー
【材料】
アカニシ x1～3個
バター x1片
ニンニク x1片
【作り方】
１．
アカニシは下茹でをし、鉄ぐしで殻から取り出しておく。
２．
アカニシの黒い腸のぶぶんを除き、白い部分を一口サイズにカットする。
※内蔵は貝毒が蓄積されている可能性が高いため、食べないのがオススメ
３．
ニンニクは薄くスライスするか、みじん切りにする。
４．
バターをフライパンに落とし、ニンニクを炒めて香りを出す。
５．
アカニシにさっとバターを絡める。
塩で味付け、好みで醤油をたらしても良い。白ワインによく合う。