ソメイヨシノの野良サクランボで桜リキュールを作ってみた

2021年8月11日木の実ソメイヨシノ,季節【春】


ソメイヨシノ、いわゆる桜の木。

見事な花をさかせる日本人の心ともいうべき木なのですが、花が咲いた後に実をつける(場合がある)というのはご存知でしょうか。

桜の実というとサクランボ。


さくらんぼ、大好きな果物です(Amazonより)

そう、

いうなればソメイヨシノの野良サクランボ。

そんなに珍しいものではなくて、よくある光景。

私も幼少期を過ごした公園でもソメイヨシノが実をつけていました。

子供の頃の私はそれをとって食べては、

ウェッ!! マズっ。

と毎年のようにやっておりました。
(毒とかなくて本当によかった)

さて、そんなマズいソメイヨシノのさくらんぼなのですが、リキュールにしてみたら思いの外おいしかったので紹介をさせて下さい。

ソメイヨシノにサクランボはできるの?

実のところ、ソメイヨシノは単体では結実できません。

ですのでソメイヨシノの木は、種から育てているのではなく接ぎ木などクローン増やしています。バナナと同じですね。

では、どうして実がついている木がいるのか?

それはサクランボをつけるパターンつけないパターンがあるからなんだそうです。

どういうパターンか?といいますと、

「ソメイヨシノの花に、別の種類の桜の木の花粉がついたとき。実をつける。」

という事なのだそう。

桜の花(写真ACより)

品種の違う桜(例えば実ザクラとかヤマザクラ)の花粉が飛んできた場合に実をつけるわけですね。

これは自家不和合性という性質をもっていることが理由だそうで、自分と全く同じ遺伝子では子実体を作らないんだそうです。

遺伝子の多様化を促すための素質なのでしょうか。生命って不思議ですね~。

野良サクランボを食べてみた

さて、外仕事のある日、公園で春うららかな陽気を感じつつもランチを食べていたときのことなのですが、

ベンチのすぐそばに桜の木が植わっておりまして、

実がコロコロ落ちていたのですよね。

「おお~野良サクランボか~。」

実が一回り大きかったので、ソメイヨシノとは別の品種だったかも

ということで、デザートがわりにひょいとぱくり。

苦い!

マズッ!!

※子供の頃と行動が変わっていませんね!

「ん、でも意外と桜の風味がして後味は悪くないぞ?」

“苦いサクランボはお酒につける"という話も聞いたことがあります。

追加採取して持ち帰ってみることにしました。

※でも知識が増えて応用力が身についたようです!やったね!

柔らかい実がぐちゃぐちゃになると嫌なので、水を入れたペットボトルで保管

野良サクランボでリキュールを作ってみた

とってきた野良サクランボは、その日のうちにお酒に漬けてしまいます。

家にあったウィスキーと、氷砂糖を切らしてたので普通のスプーン印の砂糖を使用。

うーん、

ちょっとサクランボの量が足りません。
追加でとりに行くことにしましょう。

ソメイヨシノの実を追加採取

やってきたのは都内のとある公園、

以前にソメイヨシノが実をつけていたのを確認していたポイントです。

予想通り、たわわに実っております。

まだ青い実が多い感じ、ちょっと早かったかも?

ひとつ味見してみよう。

ぱくり。

うん、苦い。わかってました。

よく熟れたのを選んで採取、これで追いチェリーしていきましょう!

 

野良サクランボリキュールを飲んでみる

追いチェリーから二ヶ月ほどが経過しました。

茶色だったウィスキーは真っ黒に!

そろそろ味をみてみましょう。

グラスについでみました。

赤黒いカラーが独特。

ウィスキーのブラウンも混じって、ワインとまた違う色。ブラックチェリーみたいな雰囲気。

では、このままストレートでいただいてみましょう。

ちびり。

ああ~!

美味しい。

それほど期間をおいていないのに、熟成酒のような深い香りがあります。

ブランデーとかシェリー酒みたいですね、チェリー酒か。

ちびちび。

うんうん。ベースをウィスキーにしたのは正解かも?

単体ではマズかった野良サクランボの苦味が良い方向に効いてます!

Twitterで教えてくださった方の話では「桜の香り成分クマリン(桜餅のあの香り)が熟成香につながっているのかもしれない。」とのことでした。

実も苦味が抜けて意外と美味しく食べられます。

ごちそうさまでした!

まとめ

ソメイヨシノの実をつけたウィスキーはとても美味しく仕上がり、私好みの熟成感の強い味でした。

少し苦味があるのですが、それがよいアクセントになります。
今回は実験で少量でしたが、来年は一瓶ぶん漬けてみようかな?
ジャムとかでも美味しそうですよね。

来年の桜の季節が楽しみになってきましたよ♫

ソメイヨシノ(染井吉野)

【採取場所】公園、河川敷、桜並木
【採取時期】5月~6月
バラ科サクラ属。春に一面にピンク色の見事な花をつける。サクラは日本の国花。エドヒガンとオオシマザクラとの交配種。単体では結実しない。各地の桜並木は接ぎ木などで増やされたもの。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia、 – Yahoo!知恵袋 「桜に実がならないのはナゼ?」

【おまけ料理レシピ】野良サクランボリキュール

【材料】
野良サクランボ x100g
ウィスキー x200g
砂糖 x100g
レモン x10~50g ※酸味が欲しい場合にお好みで

【作り方】
1.
野良サクランボを採取する。品種は問わないが、黒く熟してキズのないものをとる。

2.
熱湯消毒した容器に野良サクランボ・ウィスキー・砂糖、を入れる。
レモンを入れる場合はよく洗って輪切りにする。

3.
密閉して、冷暗所で1~3ヶ月保存する。
3ヶ月以上保存する場合は実を抜く。

4.
よく冷やしたものをストレートで飲む。
また、ソーダ割にしても美味しい。