リョウブの新芽をつんで食べたら旨かった件

2023年9月20日野草・山菜リョウブ,季節【春】


春の野山でつんで美味しい山菜…というと、タラの芽?それともコシアブラ?

それもいいのですが、リョウブが美味しいのです。

春先、それこそタラの季節に芽吹く木の芽の一種なのですが、とって食べてみたところ非常に美味でした。

「救荒植物として食べられてた」タイプの山菜なんですが、クセがなく、それでいて1本の木を見つければ数とれるんです。

リョウブ飯

しかもけっこう美味い!道の駅とかで売られておらず盲点でした。どうしてこんな美味しいのに売ってないのだろう…?

というわけで、今回は意外とうまいリョウブの話をさせて下さい!

リョウブとの出会い

とある春。山菜を探して山道を走っていたところ…

リョウブの生えていた山道

橋の下を流れる清流を発見。

「沢沿いって色々生えてるんだよね~~~!」と、身を乗り出して辺りを見回していたところ。

リョウブの生えていた山道

気になる植物を発見…!

リョウブの生えていた山道

このポツポツとした葉…っ

山菜図鑑で見かけたことありますよ…!

リョウブの生えていた山道

間違いないです。

“リョウブ"という植物ですねこれは。

リョウブの新芽

新芽が食べられるヤツ!

リョウブってどんなやつ?

リョウブってのは新芽を食べる山菜のひとつ。

春先、枝先に出てくる新芽を食べます。むかし飢えたときはよく食べたんだそーですよ。たくさん生えていたのかな?

葉っぱは特徴的で、ツルツルと光沢のある葉に、ふちのギザギザ。葉の出方も合わさって一度見たら忘れないかも…!

参考までに夏のリョウブ。大きくなっても枝先に出てくる葉っぱは変わらないみたい。ぐるりと広げた葉っぱは太陽の恩恵をめいっぱい受けられそう。

リョウブの葉
リョウブの葉@wikipediaより

幹も樹皮が特徴的でした。こちらがリョウブの木なんですけど、

リョウブの幹

ところどころ白く斑模様になっているのがわかりますか。これ樹皮がハゲているんです。剥げたところが白く見えるわけですね。

剥げてつるつるしていることから"さるすべり"という俗称もあるんだろう。

リョウブの幹

そういえば枯れた花もついていました。

どうやら沢山花をつけるタイプらしい。葉っぱは最小限なクセに!ぜいたくな。

リョウブの花殻

こちらがリョウブの花。

スズランみたいに鈴なりになった姿が美しい。ハゲだのツルツルだの言ってごめんよ…。

リョウブの花
リョウブの花。この花を頼りにしてれば簡単に見つかりそうです@wikipediaより

そんなリョウブ、救荒植物として食べられていたとのことですし、

いちど味を見ておきましょうか。

手の届く枝先のはをむっし!むっし!

リョウブ

オーケー!

山菜もいくらかとれましたし、持ち帰って山菜飯としゃれこみますか。

リョウブを食べてみる

持ち帰ってきたリョウブはシンプルに“リョウブご飯"にしてみます。

むかし食料がなくなったときの定番メニューなんだそう。

リョウブの葉

葉脈がくっきり。つくりがしっかりしていてリョウブはかわいいですね~。食べちゃいたいくらい。

リョウブの葉

まずは塩茹でにします。

リョウブの葉をゆでる

塩を加えたお湯で、さっとゆでちゃいます。

リョウブの葉をゆでる

あんまり長時間茹でると食感が悪くなりそうなので、1分程度にしておきました。

リョウブの葉をゆでる

これに塩をふって、味付け。

ゆでたリョウブの葉

そうしたら炊いたご飯を用意しまして、

そこに塩であえたリョウブをぽん。

リョウブ飯

さっくり混ぜたら完成!

リョウブの味は?

この日の山菜飯こんな感じ、

どれも同じ山でとってきたのですが、美味しそうですよ♪

山菜定食
左から、コゴミマヨ・イタドリの漬物・モミジガサのおひたし。

ではでは、リョウブ飯を食べてみましょう~~~。

リョウブ飯

まずはリョウブ本体から…いただきま~~す!

もぐもぐ…

リョウブ飯

おっ、豆っぽい。

まず新芽にありがちなエグみや苦味がまったくありません。

リョウブ飯

それでいて感じるのは豆らしい旨味とほどよい食感。繊維が残る感じもそれほどなくって…

リョウブ、美味しいです。

リョウブ飯

…かなり優秀な山菜なのでは!?

実際に味がいいからか、“良母(リョウブ)"なんて字もあてられてたりしますし(wikipedia調べ)、たいへんにリョウブ。

そこそこ量があったので、残りは塩ゆで後にパッケージングしておきました。

リョウブ飯セット

これでまた食べたくなったら、すぐに食べられるわけです。

ごちそうさまでした。

まとめ

ツルツルとした葉に、ハゲかかった樹皮をしたリョウブ。新芽が食べられるということで味見をしてみたら、これが中々に美味でした。山菜売りの店先になんで並ばないのか疑問なくらいです。どうして売っていないのだろう…?(食べ飽きたから?)

春先に山地に行ったら採取するリストに入れておかねばね。いたるところに生えているみたいなので、ぜひ食べて見てください。うまいですよ。

リョウブ(令法・良母)

【採取場所】山地
【採取時期】春、4月~5月
リョウブ科リョウブ属。山林に自生する落葉小高木。葉は光沢があり、外周や葉脈が赤みがかる。樹皮がはがれやすく斑模様になる。若葉が山菜として利用可能。救荒植物であり、むかしはこの葉を少ない穀物に混ぜて飢えをしのいだ。飢饉にそなえて"植えるのを法令で定めた"からリョウブ(令法)らしい。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia、ヤマケイポケットガイド 山菜・木の実、庭木図鑑 植木ペディア

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自衛のため、毒植物の知識も忘れずに

【おまけ料理レシピ】リョウブ飯

【材料】
リョウブ x手のひらいっぱい
ご飯 x1合
塩 x適量

【作り方】
1.
塩を加えた湯をわかし、リョウブを茹でる。

2.
1分ほど茹でから、ざっくり包丁できざむ。

3.
炊いた米にリョウブをあえる。
食べる直前に塩をふっていただく。