ホシハジロの味はハジロか鴨か?見極める!

2022年4月23日ホシハジロ,季節【冬】


茨城の某所にエアライフル猟にいったときのこと。

バイクでぶーんと湖畔を走らせていたのですが、

ずごーん!!

とひびく盛大な音。

音のもとにいってみるとじーさま猟師が鴨猟をやっているではないですか。

話を聞くと、特別な散弾銃を使っているそう、

150メートル先の水面くらいまで射程なんだとか。スゴイ!
(通常の散弾銃はせいぜい40mくらい)

「ふえ~!すごーいそんな銃もあるんですねえ~。」などと話しつつ、

とった鴨を見せてもらうと…

あっ!

ホシハジロ。

ホシハジロ(写真ACより)

そう、あの悪名高き海鴨はハジロ属の一角!

じーさまいわく「鍋で食べる。うまい。」とのこと。

まじか~~~!
うまいのか~~~!?

じーさまがそう仰るなら!
ということで私もホシハジロチャレンジ、

水面のホシハジロ、沢山おりました(写真ACより)

エアライフルですぱーんと打ち取り、ぶじ一羽ゲット!

さっそく持ち帰って味見をしてみましょう~。

ホシハジロを湯剥きする

さてさて、じーさまの言葉を信じて鴨鍋を作りましょうか。

材料はこんなカンジ、

とってきたホシハジロの下ごしらえをやっていきます。

まず羽をむしるのですが、今回は湯剥きでやってみます。

湯剥きとは?

その名の通り、お湯を使って羽をむしる手法。

50度~60度ほどのお湯に鴨をつけつつむくのですが、

・毛穴が開いて剥きやすくなる
・羽が散らないため清潔に作業ができる

という利点があります。

欠点は熱いこと。

やけどしないよう適度に冷ましつつやっていきます。

15分ほどでこのとおり、綺麗にむけました!

そうしたら丁寧に水気をふきとって、

バーナーで残りの羽毛を燃やします。

既にうまそう!
(ハジロ属ですけどね)

羽と足はハサミでチョッキン。

ハイ!

丸鶏いっちょうあがり。

続きは解体です!

ホシハジロを解体する

今回は内蔵を極力出さない捌き方でやってみます。

胸肉の中央の骨に包丁を当てまして~

骨に沿って包丁を這わせると、ちょうど胸肉肩肉(ウィング)が取り出せます。

パカりとな、

綺麗に取れました。気持ちいい!

きれいな胸肉♪

この時点では嫌な香りはしません。

続いてモモ肉も切り出して、

お肉とりは以上!

肉へ内臓の臭みを移さずに解体ができる、ってわけですね!

最後に砂肝チェックしときましょう。

んん~~~これは???

軟体っぽいもの、貝殻っぽいもの。あと丸石が入ってました。

魚介類を食べているようですが、さて味に影響するのでしょうか?

料理に続きます!

ホシハジロを鍋にする

スープはカモガラを使います。

ガラはよく洗い、血や膜を落として使います

あと、モモ肉とウィングもダシに使っちゃいましょう。

包丁を入れて開いておくといい感じ

これをフライパンにどーんして、

少量の油で、表面にうっすら焦げ目がつくまで加熱します。

コガさないのがコツ!

そうしたら薬味と一緒にお鍋に移動、
薬味はシンプルにネギの青い部分とショウガ。

これをネギがくたくたになるまで煮ます。

おフランスてきにいうとフォン・ド・ジビエというやつ

その間にお肉の準備、

薄切りにしたモモ肉の表面に焼き色をつけます。ちょっとだけね。

試しにひとつ味見してみましょう。

どれどれ…?

あんまりの味だったら鍋をカレー味にしよう

ぱくり。

もぎゅもぎゅ…

あっ…!

意外とクセがない。

いわゆる"ハジロ的"な魚感はないですね。

アッサリしています。
コガモの味ににているかな?

このまま鍋に使っていけそうでひと安心。

安心したところでスープの仕上げ。
ネギと豆腐をちらし、醤油とミリンで味を整えてひと煮立ち。

最後にお肉を合体させて、予熱で火を通したら。

ホシハジロ鍋、

完成です!

ホシハジロ鍋のお味はいかに?

アツアツのうちにいただいちゃいましょう!

まずはスープから。

ずずず…

うん、滋味深くて美味しい!

なんともいえない奥深いダシがでています。

お次はお肉、ムネ肉から!

ぱくり。

もっきゅもっきゅ…

うん!良いですね。

フツーに旨い鴨肉です。
予熱で火を通していったこともあり、絶妙な柔らかさ。

ホシハジロ鍋、うまいですよ。

スープのダシに使ったモモ肉、

食感が強めで、ブリブリッとしてます。

もともとこってりした味わいのところに、ダシがしっかり染みてたまらん。

味わい的にはムネよりこちらのほうが普段食べている鶏肉に近いかも。

大満足。

ごちそうさまです!

まとめ

ホシハジロはハジロ属の名を関するものの、普通に美味しい鳥でした。ハジロか鴨か?というと鴨です!

生息地が淡水域だったせいもあるのかもしれませんが、とはいえ同じ淡水域の他のハジロ属(キンクロハジロ・スズガモ)は魚くさいのですよね。この違いは何なのでしょう?不思議!でもそれがジビエの楽しさ。ありがとうホシハジロ!

ホシハジロ(星羽白)

【採取場所】湖、河川、池、海岸
【採取時期】11/15~2/15(猟期、東京の場合)
カモ目カモ科ハジロ属。赤い顔・腹部の黒・背中にかけての灰色という独特な配色で区別しやすい。冬に日本にやってくる渡り鳥。雑食で植物から魚介類まで幅広く捕食する。

【注意】
本種は鳥獣保護法により保護されております。とるには狩猟法にしたがう必要がありますのでご注意ください。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia、狩猟読本

書籍紹介

ンガで入りやすい狩猟の世界。オススメの本です。

アライフルで狩猟を始める方向けのガイドブック。私も読んで学びました。

格的に狩猟を始める方向けのガイドブック。イラストや写真が豊富で非常にわかりやすい!

【おまけ料理レシピ】ホシハジロ鍋

【材料】
ホシハジロ x1羽
ショウガ x小1/2個
ネギ x2本
焼き豆腐 x一丁
醤油 x適量
塩 x適量
砂糖 x適量
みりん x適量

【作り方】
1.
ヒドリガモを剥き、ガラとお肉に分ける。

2.
胸肉は薄切りにしておく、モモ肉とウィングは骨まで切れ目を入れておく。
ガラはよく洗い内蔵や血を落とす。

3.
ガラ・モモ肉・ウィングをフライパンで軽く炒める。
オーブンや魚焼きグリルでもOK。焦がさないこと。

4.
3を鍋にあけ、ネギの青い部分とショウガ、それにひたひたの水、醤油・みりんを少量(大さじ1づつくらい)加え、煮る。
15~30分ほど煮たら、スープを濾し、ウィングとモモ肉だけ戻す。

5.
味見をしつつスープに醤油・みりんを加える。
入れすぎると醤油味になるので注意。
最後に塩・砂糖で味を整える。

6.
油をひいたフライパンで胸肉を焼く、表面に焼き色をつけるだけでよい。
できあがったら5のスープに落として、豆腐と一緒に予熱で火を通して完成。

具は最低限がカモの味が活きてよいとされるが、好みでコンニャクなどを入れてもうまい。