ホトトギス(草)はおいしい

野草・山菜ホトトギス


とある里山の道を歩いてたときのこと。

初夏の山野で植生観察をしつつ、植生観察がてらにてくてく。

道中、野生のライトニングケーブルがひからびていました。今日は暑いですからね~~。

野生のライトニングケーブル

そのとき、目についたのはとある植物。

これ!

ホトトギス

カラムシみたいなやつの隙間からにゅっ!と生えているユリ的な植物。

そしてユリにしてはやたら毛深い…

ホトトギス

あぁ~!これ、以前教えてもらった事がありますね。知ってるやつ。ホトトギスだ。

ホトトギスといっても、鳥のあいつではなく、植物のほう!

ホトトギスってどんな植物?

前回ホトトギスを見たのはちょうど昨年の夏の終わりごろ、紫ブチのある、不気味な花をつけていたのが印象的。ユリの仲間なんですが、毛深くて独特な雰囲気のある植物なんですよね。

ちなみにこのブチ模様が鳥のほうのホトトギスの模様に似てるから、ホトトギス(草)らしいですよ。

ホトトギスの花
ホトトギスの花

初夏はまだ花をつけていませんでしたが、毛深いのですぐわかる…!

で、これ三菜図鑑にのっていて食べられるやつだったはず。

ホトトギス(6月)
ホトトギス(6月)

山裾のやや日陰の斜面とかに生息する植物で都内ではほぼ見かけません。

数が少ないからなあ…って食べるのを遠慮していたのですが、これだけまとまって生えていれば、味見してもいいですよね?

ホトトギスの葉
ホトトギスの葉。黒ブチがあるのが特徴

ちょっともらってみましょう…と、試しに茹でて食べてみたんですが、成長しすぎて硬くなっていてイマイチでした。

ホトトギスの葉の裏
ホトトギスの葉、裏側。

せっかくなら美味しい新芽を食べたい…!

ホトトギスの新芽を手に入れる

というわけで、さらに翌年。

食いしん坊な私はまた同じ山道を訪れたのでした。花を見かけてから二年越し。

狙い通り、まだ地面からでてすぐのホトトギスを発見!

ホトトギスの新芽
ホトトギスの新芽

毛深くて大きい葉っぱにブチ模様。小さいですが、間違いなく同じホトトギス。

ホトトギス

先端のぶぶんを触った感じ、柔らかくて美味しそう!

ホトトギスの葉

ぷちっとな。根をしっかりはる多年草なので、ここをとるだけならまた再生するでしょう。

採取したホトトギス

ある程度まとまった数を採取してみました。

ホトトギス(草)の味は?

持ち帰ったホトトギスを改めて食べてみたいと思いますよ。

ホトトギスを料理する

シンプルに茹でておひたしにしてみましょう、

ひとつまみの塩を加えたお湯でさっ!と火を通します。

ホトトギスを料理する

ちょっとお湯が少なかったかな…

ホトトギスを料理する

茹でたら、ザルにあげて水にさらす。

ホトトギスを料理する

ギュッ!と水気をしぼりました。

加熱しても柔らかさはそのまんま。加熱してなおゴワゴワと毛深く、存在感のある葉っぱ。

うーん?はたしてうまいのか?

ホトトギスを料理する

ほぐして、めんつゆとあえて、カツオブシをまぶしてみました。

ホトトギスのおひたし
ホトトギスのおひたし

美味しいのか心配ですが…

いただきます!

ジャッキジャッキ…!!

ホトトギスの料理

しっかりと存在感のある歯ごたえ、

「アレッ!?」

でも、それでいて繊維感がなく、ほどよい噛み応えとともにほぐれていきます。

味のほうも雑味がなく、これはうまいやつなのでは!?

これは珍味、なるほどね。こういうものを味わえると「食材さがしやっててよかった!」と思えますね。

ごちそうさまでした。

まとめ

花の時期に知ったホトトギスを二年追いかけ、たくさん生えてるポイントを見つけて新芽を食べてみました。

毛深くて茹でても硬いままでちょっと警戒したものの、食べてみたら美味。草は見かけによりませんね。1年に1回くらい食べたい味。また良い時期にいって先端だけもらってこようかな。次はどんな料理にしよう?

ホトトギス(杜鵑草)

【採取場所】山すそ
【採取時期】春
ユリ科ホトトギス属。日本固有のユリ科の植物、山すその湿った斜面に生える。形態はユリに似ているが全体的に毛むくじゃら。葉っぱに染みのような斑点がつく。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia

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【おまけ料理レシピ】ホトトギス(草)のおひたし

【材料】
ホトトギス(草) ※5月上旬の新芽
めんつゆ

【作り方】
1.
お湯を沸かし、塩をひとつまみいれる。

2.
ホトトギス(草)を一口サイズにきざんでおく。

3.
ホトトギス(草)さっと茹でる。30秒~1分くらい。

4.
冷水でさましたのち、ぎゅっ!としぼったのち、軽くほぐす。
めんつゆであえ、カツオブシをかけて完成。