イタドリは酸味がクセになる巨大アスパラタケノコ
タケノコとアスパラガスを足して割ったような見た目のイタドリさん、美味しいですよね。皆さん大好きですか?
なんですって、イタドリを知らない!?
それはもったいない、知りましょう。今すぐに。
イタドリってこんなやつ
イタドリとは春の新芽が美味しい野草で、桜が散る頃にそこらじゅうからニョキニョキ生えてきます。
ぱっと見は葉っぱのついたアスパラガスのような見た目なのですが、割ってみると竹と同じように空洞で節があるのが特徴的。ほうっておくとすぐに大きくなり、大きいものは1メートルを超えて育つほど。
東京にもモチロン生えていますが山菜としての知名度は高くなくマイナーポジション。他県では普通に食べられる地域もあり例えば、高知ではスカンポ、秋田ではさしぼ、と呼ばれ山菜コーナーで売られるくらいにメジャーな食べ物です。
私の家(九州)では食卓にのぼることはありませんでしたが、ちいさいころ親戚の家におじゃまして晩御飯をいただいたときに「フシギな味のする漬物だな~」と食べたものが実はイタドリだったことを最近知りました。古い記憶ですが鮮明に残っています。よっぽど好きな味だったのでしょう。
ちなみにアマゾンでも塩蔵のものが売っています。春に塩漬けにしておけば通年食べられるのだそう。
余談ですが、イタドリは世界の侵略的外来種ワースト100にノミネートされている植物であります。
しかし日本では在来種、つまり海外で侵略をしている植物なわけですね。
ヨーロッパでは観賞用に輸入されたものが野生化してしまい、旺盛な繁殖力で在来の植物を侵略。また地下茎をのばし得意のイタドリルでアスファルトを破壊し問題になっているんだそう。
日本ではそこまでトラブルにならないのに、なぜ?
というのには理由が。ちなみに異常に増える理由が「天敵がいないため」という動物も植物も同じ、日本にはイタドリを専門に食べる虫がいますが、海外にはいないんですね。だから新天地ではすごく増える。ちなみにイギリスでは対策として日本の昆虫を生物農薬として移入しています。
余談おしまい。
イタドリを採取する
さて、ではそんなイタドリをとっていきましょう。
だいたい河原や山裾の日当たりの良いところに行けば生えています。採取されにくい場所や、土が良い場所は太くなります。太いものほどウマイ。
イタドリはぐんぐん育ち、育ってくると茎が木質化して食べられなくなります。
シーズンは桜の花が散る頃、東京であれば4月下旬~5月上旬といったところでしょうか。
土から顔をだして1週間~2週間くらいのものが食べごろ。手で折ろうとして気持ちよくポキッ♪と心地よく折れるものを取りましょう。きれいに折れず繊維が残るものはオススメしません。
採取するときは折っても良いですし、ナイフやカマなどがあれば、ザクザク刈り取ってしまうのが効率がよいです。
繁殖力旺盛で、根さえ残っていれば再生しちゃう力強い植物ですので、採取量にはそれほど気をつかわなくても大丈夫、太いものを狙ってガンガンとっていきましょう。
イタドリを食べてみる
それでは、とってきたイタドリを料理していきましょう。
まずは皮を剥いていきます。生のまま剥いたり、熱湯をかけて剥いたり、色々とやりかたがありますが、私はピーラー派です。楽なので!
外側の硬い皮がとれて、柔らかい内側がでてきたらOK。
このあとアク抜きをやるので、大きいものは二つに割り、一口サイズにカットしておきましょう。
続いてアク抜き。イタドリはシュウ酸という成分を多分に含んでおり、このシュウ酸は尿結石の原因になる成分であるため体によくありません。
熱湯でやる方法と粗塩で漬ける方法があるのですが、今回はカンタンな熱湯でやってみます。
熱を加えすぎると食感がなくなってしまうので、熱湯でやる場合のコツは短時間ですませること。どれくらい短時間かというと、写真をとる暇がないくらいサッと!
あげたらすぐに冷水でさまします。
シュウ酸が気になる場合は、水につけたまま数時間放置しておくとより抜けます。だんだんとスッパさが抜けていくので自分の好みの塩梅を見つけましょう。私は一晩くらいが好み。
その後は水気をきり、タレにつけるのですがこの後は必ず1日~2日冷蔵庫におくこと!コレが旨さの最大の秘訣。イタドリはスローフードなのです。観念してお待ち下さい。
2日ほどおいて、タレの色がイタドリに馴染んできたら完成!
ご飯と一緒にほおばると、はふううう!もうたまらんって味。イタドリの酸っぱさがタレとよく合うのです。スーパーのお漬物コーナーに売ってたら間違いなく買います。うまい。
最後に料理をもう一品、イタドリの穂先料理をやっていきます。
この部分はアクが少ないそうなので、10秒ほど茹でた後、米とともに炊飯器で炊いてみました。
炊きあがったらパラリと塩をふって、イタドリご飯の完成です。シンプルイズベスト。
コレがめちゃくちゃ大当たり!
なぜだか分からないのですが枝豆ご飯のような味わいに。お米にタンパク質の旨味があわさってスーパー無敵モード発動。おかずがないとお米が食べられない私がバクバク食べられるウマさ。アリアリのアリ、リピートしたい!
まとめ
イタドリは美味しい春の味覚。他の食材に代えがたいうまさをもっています。もし、食べたことがない方、ぜひともいちど食べてみていただきたい。その魅力のトリコになるはずです!
ちなみに酸味と熱でトロける実質のためジャムなどスイーツもいけるそう。万能選手感すごい、こんどそっちもやってみたいものです。
イタドリ
【採取場所】山裾、河原
【採取時期】4月~5月
タデ科ソバカズラ属の多年草。日本から中国などのアジア原産の植物。名前の由来は民間薬として痛み取り(いたどり)に使われた事からとのこと。葉と茎は食べられ、根は虎杖と呼ばれ漢方や薬草茶の原料になる。昔から親しまれてきた食材だけあり、スカンポ、ゴンパチ、すっぽん、さど、などなど地域ごとに多数の呼び名がある。
宣伝コーナー
【おまけ料理レシピ】イタドリのお漬物
【材料】
イタドリ x中サイズ4~5本
塩 x少々
A
しょうゆ x大さじ3
みりん x大さじ3
【作り方】
1.
イタドリは皮をむき、太い部分を半分にわり、食べやすい大きさに切り分けておく。
2.
お湯をわかし塩を軽くふっておく、沸騰したお湯に1のイタドリをつけ、30秒~60秒ほど茹でる。
3.
湯からあげたらすばやく冷水でさます。その後はたっぷりの水につけアクをぬく、時間は1時間~6時間ほどの間で好みのタイミング、最初は6時間ほど漬けてみるとよい。
4.
Aを混ぜて火にかけ軽く水気をとばしタレを作り、冷ましておく。
5.
3のイタドリを水からあげよく水気をきったら、4のタレをかける。
6.
冷蔵庫にいれ、1~2日漬け込んだら完成。
ディスカッション
コメント一覧
そうやって食べるんですね
広島ではカッポンって呼ばれてます。
外れ引いたら無茶苦茶すっぱくて
それから食べてません(笑)
カッポン!初めて聞きましたが、折るときの音がそんな感じですよね(笑)
元々かなり酸味がつよいので、酸味が苦手であれば、アク抜きをきっちりやると美味しいですよ。水に漬けていれば抜けます
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