タンポポを野菜としてサラダで食べてみた
春先に見かける黄色い花、雑草と扱われがちなタンポポ。
そんなタンポポが食べられる…という話は有名な話かと思います。
では、食べたことがある?
どんな味なの?
と言われると…どうでしょう。
かくいう私も「タンポポは食べられる野草」となんとなく知ってはいましたが、実際に食べたことはありませんでした。
子供のころにかじってみたら苦かった…なんて思い出がうっすらとありますが、実際にちゃんと食べようと口にした事はありません。
今回はそんなボンヤリとしたタンポポとの関係にけじめをつけるべく、野菜としてのタンポポと向き合ってみることにしました。
タンポポと食用の歴史は想像以上に野菜でした
ひとまずタンポポの食用の歴史について調べてみました。
引用ですが、コトバンクさんによりますと…
江戸時代には種子を播(ま)き、葉をゆがいて、ひたし物や和(あ)え物、汁の実などにして食べた。セイヨウタンポポはフランスなどでは現在も野菜で、改良された品種がある。セイヨウタンポポは明治初期に札幌農学校のアメリカ人教師ブルックスが種子を導入し、それが北海道に広がった。さらに明治10年代には東京にもフランスから野菜として輸入された。中国では唐代にすでに催乳や健胃などの薬に使われている。
日本でも江戸時代におひたしや汁物に入れて食べられていたそうです。なんと歴史の深いこと。
また中国では薬にしたようで、薬効があり栄養価の高い野菜との情報もありました。
続いて、現代ではタンポポを食べているのか?と調べてみたところ、ヨーロッパのほうでは一般的に食べられている野菜のひとつとのこと、ベビーリーフと同じ感覚で使ってサラダにするんだとか。
特にフランスがメジャー、ダンデリオンやピサンリと呼称し八百屋(フランスだとマルシェと呼ぶべきでしょうか)に並ぶほど家庭的な食材だそうな。
特に驚いたのはもやしのように遮光環境で育てたタンポポ、真っ白な見た目で、通常のものより苦味がマイルドなため慣れない人にもオススメとのこと。そうまでして食べたいほどのパワーのある食材でしたかタンポポは。
そんなヨーロッパの野菜タンポポなんですが、実は日本に既に到来済み。
セイヨウタンポポと呼ばれ明治の頃に野菜として入ってきて栽培されました。ところが日本人の口には合わずに栽培は廃れてしまい、今では日本全土で野生化。今では日本におけるタンポポの半数以上がセイヨウタンポポ(あるいは国産との交雑種)となってしまっているそうです。
そんなヨーロッパのマルシェで売られている人気の食材が雑草として道端にはえている。これは食べないと損なのではないだろうか?
さっそく取りにいってみましょう。
タンポポの採種と在来タンポポ・セイヨウタンポポの見分け方
タンポポを見たことがない!なん方はいないでしょう。
それだけ強くどこにでも生えている植物です。近所の公園どころか、へたをすると家をでて数秒の歩道の街路樹のワキにすらニョキニョキしているほど。さすが雑草。
でもやっぱり食べるならきれいなものが良いよね。ということで、京王線沿いのとある里山へ採種をしにいってきました。
山裾のくさっぱらにて、きれいな沢山のタンポポを発見。
タンポポはロゼットという、地上にへばりついて時計の針のようにぐるっと葉っぱをつける容姿が特徴的。ちょうど春先だったため、おなじみの可愛らしい黄色い花を咲かせていました。
生息地からするとカントウタンポポでしょうか?
それでは採集、
なるべく綺麗な葉っぱを、ひとつの株から数枚づつ間引くように頂いていきます。
このとき葉っぱの断面から白い乳液がでてくるのもタンポポの特徴のひとつ。牛乳のような見た目ですがなめると苦いのでぜひどうぞ。
葉っぱの生え変わりが遅い植物なので、ひとつの株からとりすぎないよう、ちょいちょい場所を変えつつ採種していきます。
こちらは外来のセイヨウタンポポ、先程の在来タンポポと異なり花の裏側の部分が反り返っています。
ちなみに在来タンポポは春にだけ花をつけますが、セイヨウタンポポは年中花をつけます。夏や秋に花をつけるタンポポは基本的にセイヨウタンポポなわけですね。
さて、そんなこんなで食べるのに十分な量のタンポポを採種できました。
早速帰って味見してみましょう。
野菜としてタンポポを食べてみる
こちらが採種してきたタンポポ。
ふだん雑草として見慣れているためか、まな板の上にのってなお草のオーラがぬぐえません。
真剣に野菜として向き合うならばまずは生食をしてみなくては…という使命感からまずはサラダにして食べてみます。
※野外の植物はどのような環境で育ってきたものかわからないため、採食には食中毒の危険性があります。じゅうぶんに加熱してから食べましょう。
お外で採種したものであるため食中毒が心配……念入りに洗浄をやっておきます。
水をきって盛り付けたものがコチラ。
うん…花を添えたせいか、
これからタンポポを食べるぞー!という感覚がズンと伝わってきます。
どうやっても草のオーラがヒシヒシと伝わってきて、サラダというよりなんか冒険をやってる感覚なのですが、意を決しいただいてみましょう。
ムシャァ…
はむはむ、ふむふむ…
食感はやたらとくどいレタス…という感じ。
やや繊維質なのですがそれほど気にならずさくさく噛み切れます。ルッコラやベビーリーフに近いかな?味は聞いてたとおり苦味が強いのですが個性といえるレベルで、ゴマドレの油っけのお陰でレタスとそう変わらない程。
確かに草よりも野菜寄りの存在、タンポポは野菜としてアリ!だといえるでしょう。
この苦味もうまく活かせばアクセントとして、例えばポテトサラダに添えたり混ぜたりなんかすればプラスに働きそうです。
とはいえ、山野のものなので、あまり非加熱で沢山は食べないほうがよさそう。考えすぎかもしれませんが野生の獣に踏まれてるかもしれませんし…。
不安だったので数枚いただいたのち、残りは料理してみることにしました。
まずは、レタスチャーハンよろしくタンポポチャーハンにしてみましょう。花も葉っぱもまとめて油でジャーッと炒めてしまいます。滅びよ雑菌!!
花の黄色と葉っぱの緑色が入ってたいへん見栄えのよいチャーハンの完成。
食べてみると…油炒めにしたおかげで苦味はすっかりきえてふつうにウマい!
…のですが、この調理法でウマいと言っても正直タンポポと向き合ったとは言えない気がしてきました。豊富な栄養を手軽に摂取できるので食べ方としてはアリなのですが。
これはいかんということで、最後にタンポポの湯通しにチャレンジ。
沸騰したお湯でさっと茹でただけ。しゃぶしゃぶに近い調理方法。
加熱してくたっとなると、草さがなりをひそめ野菜に見えてきますね、調理の工程には見栄えをよくする作用もあるということを実感しました。
さて、お味はといいますと、鍋の春菊のような味わい。食感はやわらかくなりましたが、それでもなおジャキジャキ。苦味もマイルドで食べやすい。
はい、この子は野菜です。認定!
結論、タンポポは野菜!クセはあるものの美味しく食べられます。
ごちそうさまでした。
まとめ
タンポポは想像以上に野菜としての歴史が深く、なおかつヨーロッパでは今も食べられており、実際に食べてみると思っていたより野菜でした、
火を通すのであればその辺の公園のものでも食べられそうですし、思いのほか生活にとりいれていけそうなのではないでしょうか。
タンポポ(蒲公英)
【採取場所】道端、どこでも
【採取時期】1年中
キク科の多年草、たくさんの種類がおり在来の品種でも20種類以上。カントウタンポポは春に黄色い花を咲かせる。全草が食用になり、葉はそのまま食用に、根は乾燥させ薬にしたり炒ってタンポポコーヒーの原料にするなど、様々に活用のできる植物。
宣伝コーナー
【おまけ料理レシピ】タンポポの彩りチャーハン
【材料】
タンポポの花 x1~5
タンポポの葉 xたっぷり
冷米 x1合
卵 x1個
玉ねぎ x1/4
ニンニク x少々
塩 x少々
醤油 x少々
食用油 x大さじ1
ベーコン(あれば) x1~2枚
中華だし(あれば) x少々
【作り方】
1.
タンポポの花は四等分、葉っぱはそのまま、さっと茹でて水をきっておく。
2.
玉ねぎをみじん切りにし、ベーコンは細ぎりにしておく。
3.
食用油をフライパンにあけ、タンポポの花・ニンニク・玉ねぎ・ベーコンを炒める。
4.
冷米を加えて、混ぜながら米と油をなじませる。
5.
タンポポの葉っぱを加えて炒め、溶いた卵をからめる。
6.
塩・醤油・中華だしをふり、味を整えて完成
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