アカヤマドリとポルチーニ茸の食べ比べ

2023年7月11日2024年3月14日キノコアカヤマドリ,季節【夏】

とある梅雨の合間の初夏、都心のキノコがりにでかけてきました。

そこで見つけたのは…

やったぜ激ウマキノコ、ポルチーニ茸！！

…それに、激レア（個人調べ）アカヤマドリも！？

どちらも美味種。

そういえば、アカヤマドリとヤマドリタケって、すっごく似てるんですけど、別種で別属。けっこー違う種類なのです。

…味も違うのかな…？

気になるので食べ比べてみました。

というわけで、今回はヤマドリタケ二種を食べ比べてみたレポートです。コレがけっこう違ってびっくり！

初夏のキノコ探し

キノコってのは広葉樹さえ生えていればどこにでも出てくるもんでして、都内にも沢山生えています。

時期さえあえば、その辺の公園にふらっとでかけ、人の行かない雑木林をてくてく歩くと色々なキノコに出会えます。

よ～～～～～く目を凝らすと、出てる！出てる！落ち葉の下からぴょこぴょことキノコがっ

この日は雨が降った日の3日後くらい。やや乾燥気味ですが、悪くはないタイミング。

「おおっ！」

これはポルチーニ茸！！

その名もヤマドリタケモドキ。

めちゃめちゃうまい食菌ですよ。これはうれしい！

【豆知識】"ポルチーニ茸"は、種名ではなく、ヤマドリタケ属の総称なのです。

「なぬッ！」

…これは！

食べたら死ねそうなヤツ…！

ぽいっとね、

他にも、いろとりどり、様々なキノコに出会うことができました。

ほとんどが名前の分からないキノコたちですが、見てるだけで楽しいのですよねこういうのは。

ただ、誰も寄り付かない公園の雑木林をザクザク歩いてるヤツって。

じゃっかん不審者っぽいのが欠点。もし見かけても通報しないで下さいねまじでっ。

ポルチーニとアカヤマドリを見つけた

そんな感じで事前にポイントしていた場所を歩いていると…

とあるポイントでひときわ目立つキノコを発見。

ででん！

ででででん！！

でっかいのが二本も生えてるではないですか。

一見、ポルチーニ茸とよく似ているのですが…

赤茶色でしわくちゃなカサ

赤い鱗片つきの黄色い軸。網目はナシ

ポルチーニ茸の特徴と一致しません。

しかし見覚えがありますよ。これはあの有名なアレなのでは！？

引っこ抜いてみました。

裏側は管腔（スポンジ状）

色は黄色

あぁ～～～～！やはりかなりアレっぽい

ほんのりひび割れたカサもそれっぽい。本当はもっとひび割れるんでしょうけど、

こいつは恐らく…

アカヤマドリ。

ではなかろうか！？

しかし実はこれ初物。とって食べた事のない種類でちょっぴり不安。

誰か反応してくれないかな～～～～と、ツイッターに写真をトスしてみると、数名の方が反応してくださり…

オンライン審判会が開催されました。（ありがたい！！）

どうやらキアシヤマドリタケというキノコにも似ているとのこと、

でもアカヤマドリの可能性もあるそう。どっちだー？

キアシヤマドリタケの写真を見せてもらいました。

カサは似ているのですが、赤い鱗片がない、肉が黄色、柄に網目がある、などが見分けるポイントか？今日とれたヤツとは違うっぽい？

やはり違う！

総合するとやはりアカヤマドリっぽいか！？

一般的なアカヤマと比べると違和感があるそうですが、おおむねの特徴はほぼ一致。

詳細は帰って調べるとして…99%アカヤマドリであるとしましょう！そうしよう。

…というわけで、

アカヤマドリゲット！！
初物うれしいやったぜ！！

実はアカヤマドリは、ポルチーニ茸とは少し違う属なものの、非常に美味なイグチの仲間。いちど料理して食べてみたかったのです。

おまけに先程のポルチーニ茸も複数本とれまして、とってもホクホクな成果。

帰ったらキノコづくしディナーだよやったね。

アカヤマドリとヤマドリタケを割ってみる

そんなわけで、こちらが本日の成果。どーん！

二人分の成果、

左がポルチーニ茸ことヤマドリタケモドキ。右がアカヤマドリ。

右上はたわわになってたヤマモモ（山桃）。ヤマモとヤマモモ。もももももももも。

アカヤマドリの断面は？

採取したアカヤマドリは色が黒ずんでしまいました。生えてるうちが一番美しいのはどのキノコもいっしょ。

中身を見てみましょうネ、ってことで割ってみましょう。ぱっかーん。

フムフム…

しっかり中実、虫食いもなく、たいへんよい状態。

外側の黄色さに対して、中身の白さよ。ふっしぎー！！

ヤマドリタケモドキの断面は？

ヤマドリタケモドキも割ってみましょう。

ぱっかーん！

こちらも真っ白、柄の皮が茶色い他はよく似ています。

しかし、ポルチーニ茸とすこし違うアカヤマドリ、

味も同じなのか？違うのか？
気になりますよね。そうでしょうとも！

ってことでポルチーニ茸（ヤマドリタケモドキ）と、アカヤマドリ、この両者を料理して食べ比べてみます。

アカヤマドリとポルチーニを料理する

メニューは？

メニューはクリームパスタといっておきましょうか。

材料はシンプルに、

・キノコ
・バター
・特濃牛乳
・チーズ
・塩

のみとします。

アカヤマドリのパスタ

まずはアカヤマドリから。薄くスライスしまして～

バターでじっくりと揚げ焼きにします。

両面に焦げ目がつくまで、じ～～～～っくり！これがポルチーニ系のキノコを美味しく食べる最大のポイント。

い～い香りがして来るんです。

ここに特濃牛乳を入れて、1/2くらいに煮詰めたら、チーズとちょっとだけ加え、

ゆであげパスタとあえたら完成！アカヤマドリのパスタ。

ずいぶん黄色いな！？どんな味なんでしょう。

ポルチーニ茸のパスタ

続いてポルチーニ茸こと、ヤマドリタケモドキのほうもいっときましょう。

同じようにカットして、

バターでじゅわわわわ～～～

特濃牛乳どーん！

チーズとパスタと合わせて、

完成。ポルチーニ茸こと、ヤマドリタケモドキのパスタ。こちらはぐっと色が淡いですよ。すでに違う～～～～～！

アカヤマドリとポルチーニの食べ比べ

ヤマドリタケモドキの味は？

さてさて、それではとれたて食べ比べ会としゃれこみましょう。

まずは食べ慣れたポルチーニ茸、ヤマドリタケモドキから～

色が淡いほうっ

いっただきま～～～～す！！

くるくるもぐもぐ…

うんうん。美味しいですね。

食べ慣れたポルチーニの香り。ナッツのような、チーズのような…。このなんとも言えない香りが牛乳とバターとよく合うのです。

キノコ本体はプルプルしたキノコらしい食感。ほどよいアクセント。とっても上品な味でお高いレストランにいる気分…。

アカヤマドリの味は？

続いて色の濃いアカヤマドリいってみましょうっ、

いただきま～～～す！

くるくるもぐもぐ…

んん。

明らかに違いますよこれっ！

ぐぐっと鮮烈なポルチーニ香、明らかに先程のヤマドリタケモドキより強い香りがします。

けっこうポルチーニ的。でもポルチーニよりポルチーニ。上品というより乱暴なほどのポルチーニ。

ランポルチーニ！！（700″ポ"力）

…すみません、香りが強すぎてちょっと違う世界にいってました。

さて、

キノコ本体はどうでしょう？

ジャキ…ジャキ…

んんんん…

“ぷるぷる"じゃない、だとっ！？

ち、違う！違いますよ！！

まさかのジャキジャキ食感。タケノコみたいな歯ごたえです。

食べてわかりました…

アカヤマドリはポルチーニ茸とは明らかに別物。

こいつは違う"属"で正しい！！

ごちそうさまでした。

まとめ

都内某所でキノコがりをしたところ、ポルチーニ茸ことヤマドリタケモドキと、近い仲間で違う属のアカヤマドリがとれました。

見た目がすっごく似ているのに、違う種類なんだなぁ～味は違うのかな～と、食べ比べてみたのですが、その味はまったくの別物。アカヤマドリはポルチーニ香こそするものの、明らかに鮮烈な香り。また食感も別物で、食べて「別のキノコなんだな…」と改めて納得されられたのでした。

アカヤマドリ（赤山鳥）

【採取場所】広葉樹林
【採取時期】初夏or初秋
イグチ科アカヤマドリタケ属。イグチの仲間でヒダではなく管腔タイプ。見分ける特徴は、黄色い柄・黄色い管腔・柄に赤い鱗片・赤茶色でビロード状のカサ。カサははじめシワシワで、大きくなるとひび割れる。むかしはヤマイグチ属だったらしい（柄に鱗片があるから？）。名前は鳥のヤマドリ（山鳥）から。色がよく似ている。

参考にさせていただいた資料：Wikipedia、持ち歩き キノコ見極め図鑑

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