アミガサタケ・イエローの季節と発生地のメモ

2024年3月14日キノコアミガサタケ,季節【春】


アミガサタケ、もといモリーユと呼ばれる高級キノコが日本でもとれる!

という話で、たくさんの人が取りに行ったり行かなかったり?

皆さんは取りにいきましたか?
まだですか、見つかりませんか…

私もそうで、最初のアミガサタケをとるのに3年かかりました。

草むらに生えるし、地味な色をしているしで中々見つけられないのですよね…。

今回はそんなアミガサタケ探しのヒントになるかもしれないイエローアミガサタケを見つけたときの話です。

おまけ料理はおでんでいっときましょう!

アミガサタケってどんなキノコ?

その名の通り、カサに網目が入っているのが特徴のキノコ。

優秀な食菌(ただし微毒あり)で、西洋ではモレル・モリーユなどと呼ばれ珍重されます。

アミガサタケの種類は大きく二つ

日本には主にブラックと呼ばれるカサが黒いやつと、

イエローと呼ばれるカサが黄色いやつが生えます。

実際はより複数種類のアミガサタケがいるのですが、とって食べるのであればいったんこの二種類だけ覚えてればオーケー。

特徴はなんといったってグロテスクな網目模様のカサ。この網目のカサをもつキノコは非常に少く、季節の合致した種類はいないため、同定はわりと容易なほう。

子実体(キノコのことです)の大きさは15~25センチほどにもなります。大きいように見えて、しかし色合いが地味なので目立ちません。

落ち葉や草に混ざると見つけられないし、マツボックリなどのダミーも配置されているため見つけるのはやや困難。

闇雲に探してもみつからないので、季節にピンポイントで生息地を狙って探しにいきましょう。次の項目にて!

アミガサタケの季節や生えている場所は?

タイプごとの季節やポイント

アミガサタケのシーズンは春。

発生はタイプごとに異なるそうで、基本的にはブラックのほうが発生が早いと言われています。

また、好む木もブラックとイエローで異なり、ポイントが違います。

にするとこんな感じ、

種類 外見 時期
ブラック カサが黒い 主にイチョウだと言われる サクラの咲く前 弱毒 美味
イエロー カサが黄色い 主にサクラだと言われる サクラの咲いた後 弱毒 美味

木にイチョウだのサクラだのを書きましたが、実際はもっと多様なようです。山の中の雑木林で遭遇したこともありますし(ブラック)、公園の石の隙間から生えていることもあります(イエロー)。

アミガサタケは毒キノコ?どうやって食べる?

ちなみにアミガサタケは毒キノコで、ジロミトリンなどの人体に有毒な成分を含みます。

しかし、この毒成分は煮沸することで気化するため、きちんと加熱調理を行えば問題ないのだそう。それで食用にされるわけですね。

とはいえ個人差があるので、実際に調理をする場合は十分に気を付けたうえで個人の責任の範囲やっていただければです。

この機会に、この辺の怪しい食べ物を食べるときのコツ(私なりの)を書いておきましょう。

【怪しい食べ物を食べるときのコツ】

  • 最初は少量を食べる、アミガサタケでいえば1本以下にする
  • 十分すぎるほど加熱(沸騰状態で1分以上!)して食べる
  • 近くの病院と連絡先をメモしておく、夜間対応可能な病院も抑えておく
  • 万が一に備えて、食べたものの原因メモを財布に入れておく
  • 食べたもののサンプルをジップロックに入れて残しておく
  • 食後半日~1日は様子を見る。他に怪しいものを食べない

だいたいこんな感じでしょうか。
こういうのが面倒な場合は、普通にお店で売られてる安心安全なものを食べましょうね。

アミガサタケのイエローを発見したのはどんな場所?

4月の中旬、アミガサタケの群生を発見したポイントの情報をメモしておきます。

環境は以下、

・地面は硬めの芝生で、丈の低い植物が生えている
・付近にサクラの木が数本
・やや離れた場所にツツジ並木

このような場所に、ポツポツとまばらに生えていた感じです。

アミガサタケの種類はイエロー、
一般的にサクラにつくといわれるタイプ。

個体によっては2~3本連なって生えているものもありました。

全体的に育ち切った個体が多かった感じ。

乾燥がはじまっており、おそらく発生から二週間ほどたっているのではないかなと。

周りも探したのですが、発生していたのはこのポイントのみ。

アミガサタケの発生には波があると聞くので、ちょうど今年はこの場所がよかったのかもしれません。ラッキー!

ちなみにこの日、ブラックは1本だけ、ぼろぼろの状態のものが落ちていました。

イエローよりブラックのほうが早いのは間違いないようですが、ちょっと時期はかぶるのかも?

アミガサタケの保存方法は"乾燥後に冷凍"

この日採取したアミガサタケはこんな感じ、

けっこうな豊作です。

いくつか見た目が違うのがいます。

複数種類混じっているかも?

とはいえ、小さいのとか空洞がまだ黒いのは、成長段階の姿だと思われます。

たくさんとれて、すぐに消費できる量ではないので、日持ちをさせるため乾燥させます。

ダイソーの干物ネットに入れて、窓際で数日放置。
(この状態でも毒が気化するらしいので、念のために換気をします)

カサカサに乾いたら冷凍庫で保管、使いたいときは水でもどして料理に使用します。

これで向こう1年はアミガサタケ料理が食べたくなったらすぐに作れるわけです。やったね。

料理は"アミガサタケのおでん"を紹介

アミガサタケはだいたいクリーム系の料理にしちゃいます。

前回のブラックで作ったクリームパスタはこんなカンジ。

濃厚でうまいです。詳細は前回の記事で。

んで、今回のイエローはといいますと…

おでんにしてみました。

作り方はシンプルに、おでんだしを作る特にアミガサタケをぶち込んで煮ただけです。

丁寧に煮沸して毒を飛ばしたら、あとは好きなおでん種をぶちこむだけ!ちなみに私の鉱物は"玉ねぎ天"。甘くておいしいよね。

洋風の料理に使うイメージですが、香りにあまりクセがないので和風でもいけるようです。

とにかく出汁が濃厚でうまいのでうどんも入れちゃいました。うまい。

ごちそうさまです!

まとめ

春になると林床にでてくるちょっぴり気持ち悪い見た目のアミガサタケ。今回はイエローの発生場所や状況を紹介しました。まとめると、サクラの散った後、サクラの木の近く、まばらな下草、です。

何かの参考になれば幸いです。ちなみにおでんにしたらめっぽう美味しかったのでオススメ!

アミガサタケ

【採取場所】山林
【採取時期】春
【毒成分】ジロミトリン、加水分解でモノメチルヒドラジンに変化。87.5℃で気化する
アミガサタケ科アミガサタケ属。子嚢菌類。有毒。ツカは肌色、カサは茶色系統の色。ツカもカサも質感は乾いた感じがして軽い。内部は空洞。フランス語でモリユと呼ばれる高級キノコ。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia、Gakken 日本の毒キノコ

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【おまけ料理レシピ】アミガサタケおでん

【材料】
おでん種の元(市販品) x1回分
アミガサタケ x5,6本

・おでんダネ x好みで、出汁を吸うものが特にオススメ
ダイコン
たまご
ちくわ
玉ねぎ天
ごぼう天
もちきんちゃく
厚揚げ
うどん

【作り方】
1.
アミガサタケは乾燥でもフレッシュでもどちらでもOK。
半分に割って、たっぷりめの水に浸しておく。

2.
おでんの材料もきっておく。

3.
たっぷりの水と、1の上澄みとアミガサタケを鍋に入れる。
沸騰させたまま、10分ほど加熱。換気扇はフルで回すこと。
※10分間の煮沸でほぼほぼ無毒化できるとの情報あり

4.
おでんのもとを鍋に入れ、とく。

5.
好みのおでんダネを入れ、再度沸騰させる。

6.
沸騰させたら火を止め、一度さます。
さますことでおでんダネに味がよくしみこむ。
※我が家ではお風呂に水を張り、鍋ごと入れて、さますことが多い。

7.
冷めた後、再加熱して適温になったら完成。
※日本酒で!といきたいところですが、アミガサタケとアルコールと一緒に摂取すると酔いが回りやすいという話もあるので注意して下さい