タウナギを東京でとって食べた話

2022年6月20日川・池★釣り,タウナギ,季節【夏】


今回はちょっと前、タウナギとのファーストコンタクトの話。

野食イベントで筋肉さんが

タウナギが東京にいるらしい!」

とおっしゃる。

たしか肉会2019のとき

タウナギという面白い魚が西日本で繁殖してる事は知ってましたが…

東京にいるの??

確かにその場でぐぐると侵入生物データベースで東京が赤くなっています。

ごく一部の池にいるんだとか。

真相を確かめるべく、タウナギ捕獲チームは現地を訪れたのだった。

東京タウナギを探しにいく会

20時ごろ、夜行性のタウナギの活動時間に合わせ現地に到着。

先に到着した筋肉さんらと合流します。

と…さっそく捕獲チームの二名が何やら水面でゴソゴソやってます。

聞くと、

「なんかかかったけど穴にもぐられた。タウナギかも!」

とのこと。

ミミズつけた針を放置してたらそうなってたんだんだとか。

マジっすか。

早速かー!

このあとしばらく引っ張ってらっしゃったのですが、どうやっても引き上げられず泣く泣く諦め。

シカシ、ちらつく未知なる生物の影にわきたつ捕獲チーム一同!

調査することしばし、

近くの釣り人から有力情報が得られました。

「向こうのちっちゃい池でザリガニ釣りをしてた子供が釣ったのを見たことがある。」

デカいほうではなく、ちっちゃい池?

そちらに急行し、付近を捜索します。

やってきた場所一周数百メートルほどのぱっとみ静かな水辺。草が沢山生えていますね。

生き物の気配は…

ザリガニザリガニザリガニザリガニ。

典型的なザリ池。

さて、こんなところにタウナギがいるのでしょうか?

第一タウナギ発見??

ちっちゃい池に移動して探していると…

動くホースみたいなのがいた!」

「ゴミかと思ったけど生き物ぽかった!」

との声、

なんとなくいるっぽい!

ということでちっちゃい池をガッツリマークする作戦に変更。

周囲を捜索すること子一時間、

釣れた!!

との声、

筋肉さんがタウナギを釣り上げたみたいです!

けっこうデカい、うなぎライクにニョロニョロしておる。

東京タウナギは間違いなくいた!

時合がきたのか、捕獲チームのT氏もP氏も釣り上げていきます。

うおおおぉぉぉぉぉぉ…

私も釣りたい!!

タウナギを釣る

負けじと探していると…

タウナギ発見!!

岩の穴から頭をだしていました。

さっそく鼻っ先にミミズを差し出します。

すると…

にゅるり。

と出てきてミミズを追いかてくる、

食い気あり。

いけるか!?

と、ミミズを揺らしてると…

食ったッ!!

そのまま一気に引き上げちゃう。

そい!

釣れたーーーーー!!!

水を割って現れたのは人差し指サイズのタウナギ。

私も東京タウナギをゲットできましたよ。

いやー嬉しい。

思いの外力強く、ニョロニョロ抵抗してきます。

ウナギというより、ヘビとかウツボみたいな見た目かな?

そんなこんなで、

4名のチームでけっこうな数のタウナギが釣れました。

にょろにょろ!

てかこの魚、

ほっとくとバケツからにゅ~~~っ!と出てくるんですよ。

魚のくせに積極的に水から出てくるのマジなんなの!?

地面をのたうつタウナギ!

バケツに戻してあげる私!!

なんだこのユーモア生物。

ぶっとんでてむしろカワイイ!?

タウナギめっちゃ釣れたし、めっちゃカワイイし。

これは夢か!?

まばたきをしたら全部ロープだのホースだのに変わってるんじゃないか??

ってくらい最高の夜でした。

タウナギをさばいてみる

とってきたタウナギがロープに変わる事はなかったので食べるほうをやっていきましょう。

カワイイんですが心を鬼にして食べるんです。

それには理由がありまして、

血抜き中、真っ赤なのがだばだばでてきます

このタウナギという魚は日本在来のものではなく外来種、

中国あたりから人為的に移入された日本に本来いない魚なのです。

血抜きが終わりました

それほど悪さをするようには見えないのですが、肉食魚で在来の魚を食べるほか、田んぼの畦に穴をあけて水を抜いちゃうんだとか。

ちなみにこの個体はアメリカザリガニを食べていました。けっこう獰猛ですね!

タウナギの胃袋の中身はアメリカザリガニの殻

食べて駆除!

ってやつですね。やむなし。

というわけで下ごしらえをやっていきます。まずお酢でぬめりをとったら、

ウナギらしく目打ちをし、

腹開きにしてみました。

ってウワ…

身がまっか!!

ドス黒くさえあります。

食べていいのか心配になるやつ!

調べてみると、タウナギは空気呼吸ができる稀な魚らしく、冬は泥の中で冬眠することも出来るんだとか。

その能力を支えるためヘモグロビンのような血液成分が他の魚よりずっと濃いのだそうです。

タウナギで響油鱔絲を作る

料理メニューは中華風のタウナギの炒めもの、

響油鱔絲

という料理にチャレンジ!

レシピはYouTubeで中国の番組を参考にしています。

まずはタウナギの半身を蒸すところから、

加熱すると身の色は気にならなくなります。匂いはコイに似た川魚系の香りかな?

続いて細ぎりにし、

番組内では横切りでしたが、なんとなく縦切りにしちゃいました

ゴマ油でチャーーーッ!と炒め、

一度油をきり、

ショウガ・ニンニク・みりん・醤油、で作ったソースとからめますよ。

器に持ったら、

ネギをどん。

ここにアツアツのごま油をかけるのがこの料理の真骨頂!

チュッ!とやりましたら

響油鱔絲

完成です。

鱔がタウナギ、

日本語になおすと細切りタウナギのパチパチ油炒めかな?

タウナギを食べる。味は?

さっそくいただきましょう~~~

パクリ。

ムチムチ…

美味しい!

ウナギのようにふっくらしている感じではなくしっかりとした身質。

それでいて硬いわけでもなく噛みしめるとホロリとほどけます。

「何に似ているか?」と考えながら食べるのですが難しい。魚では例えられません。

すり身と魚の中間?

味もとてもよい。

東京都の野池という場所でとったにも関わらず、身にクセや臭みはほとんど感じられません。

ごま油の香りでコッテリうまい。

うん、これは日本酒だな。てってれー七賢生酒。

勝利の宴だーー!

ごちそうさまでした。

まとめ

タウナギは東京でもゲットできました。タウナギ釣りは獲物を見ながらやりとりする遊びでとても楽しい。これは毎年やりたいですね!

また釣れたタウナギはアクティブで可愛い生き物であり、ペットとして飼育したくなる気持ちもわかります。とはいえ強い外来種であり日本国内にいてはいけない魚、積極的に食べて減らしていきましょう。美味しいしね。

タウナギ

【採取場所】田んぼの用水路、野池
【採取時期】5月~10月、夜釣り
タウナギ目タウナギ科。ウナギに似るが完全な淡水魚で全く別のいきもの。中国から東南アジアにかけて生息する。夜行性。中国では"ホワシャン"と呼ばれ重要かつ一般的な食用魚、スーパーの冷食コーナーで売ってるらしい(中国人の同僚調べ)。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia、YouTube(レシピ)

宣伝コーナー

・どれもウナギ針で釣れます。ハリス5号くらいが丈夫で安心

・愛用のパックロッド、通勤バッグに入るコンパクトさ

・蒸すのにどうぞ

【おまけ料理レシピ】タウナギの細切りパチパチ油炒め(響油鱔絲風)

【材料】
タウナギ x1~2匹
ごま油 x大さじ2~3
わけぎ x1束

・タレ
ラード x大さじ1 ※ごま油でもよい
しょうゆ x大さじ1
みりん x大さじ1
さとう x大さじ1 ※お好みで
ニンニク x大さじ1/2
ショウガ x大さじ1/2
酒 x大さじ1 ※なしでみりん多めでもよい

【作り方】
1.
タウナギはシメて血抜きをやっておく(延々と血がでてくるが、最低5分くらいやっておこう)
シメたあと、お酢でヌメリをとって、よく洗う。
暴れるので冷凍庫で仮死状態にするとやりやすい。

2.
腹開きにし、頭をとり中骨を抜く。

3.
2を蒸す。

4.
蒸したものを体に沿って一口大の細切りにする。青椒肉絲のイメージ。

5.
フライパンにゴマ油をたらし、4を3~5分ほど弱火でじっくり炒める。

6.
5をとりだし、油をきる。油はとっておく。
フライパンにラード・ショウガ・ニンニクをあけ、火にかけ香りをだす。

7.
いい香りがしはじめたタイミングで残りのタレの材料を加え、1分ほど煮詰める。
煮詰まってきたら、6のタウナギを加え、タレをしっかり絡める。

8.
7を皿に盛り、上に細切りにしたわけぎをたっぷり乗せ、
6の油を再びカンカンに熱してパチパチと回しかけたら完成。