キノボリイグチは美味菌だが有毒という話もある。どうする?

2021年11月23日キノコキノボリイグチ, 季節【秋】

とって食べるドキュ最新話
"秋キノコをとって美味しく食べよう" がYouTubeで公開されました!

東京で手軽に釣れる巨大な怪魚を釣って食べる話、デカすぎてサオが折れるかと思いましたよ!?

この秋の初挑戦。

それは…

クロスカブで富士山へ行ってみたい。

ついでにキノコをとりたい。

ということ!

これは三浦の海辺にやってきたクロスカブ

天気予報がよさそうな週末をチョイスし、実際にぶぶーんと行ってきました。

いや~ひどい目にあいましたよ…。

東京から富士山へカブでいってみた

東京から富士山へいくには

①大月→都留→富士山 コース

②道志みち→山中湖→富士山 コース

と二つの道があります。

原付二種ゆえ下道限定なのです。

今回はなんとなく

「景色がよさそうだから。」

という理由で②道志みちコースをチョイス。

曲がりくねった山道をえっちらおっちら走りまして、

途中で軽自動車が事故ってたり、

カブ仲間が事故ってたり。

戦々恐々したものの…

なんとか無事、富士山に到着。

しかし初めての山越えに四苦八苦し7時間かかってしまいまして

現地についたのは空が暗くなりはじめた頃合い。

けっきょく一日目はそのまま適当なキャンプ場で一晩を明かすことになりましたとさ。

みなさんもカブでの山越えは計画的に!

とれたのはキノボリイグチ

さて翌朝、日の出とともにキャンプ場を出発。

バイクで林道に入り、適当なところに止めてはキノコ狩りにいそしみます。

この日にメインでとれたのはこれ、

キノボリイグチ。

“キノボリ"

という名前のとおり、樹木から生えることが特徴のキノコ。

とはいえ木に生えるだけでなく、地面から出てくることも多々あります。

いつもそれなりに量がとれるキノコで、

味もよく、私のお気に入りのキノコのひとつ。

特徴をメモしておきます。参考までに。

まずゼラチン質でヌメリのあるのカサとツバ。

カサは茶色系でササクレあり。しかしヌメりがでるとややササクレがわかりづらくなります。

管腔は新鮮だと黄色、古くなりにつれ褐色を帯びてきます。

柄は、ツバより下が赤色系、ツバより上が黄色系のカラーリング。

幼菌は管腔が膜をかぶっています。

乾燥しているとこれが残っていることもあり、他のキノコであまり見ない風貌ゆえとくだんわかりやすい。

さて、

6時~9時くらいまでキノコ狩りを楽しんでいたのですが、10時くらいから突然の大雨が。

「天気予報、晴れだったじゃん?」

「7時間かけて来たのにひどくない!?」

って感じですがボヤいてもしょうがない…

急遽カッパを羽織って下山、外界のファミレスに逃げ込みました。

けっきょく3時間程度しかキノコ狩りはできず。ただのバイクキャンプツアーになってしまいましたとさ。

とれたのはキノボリイグチのみ。

帰りもまた6時間はかかるわけですし、悔しいけど体を壊さないうちにやむなく撤退。

ちなみに帰りはヤマハのレインウエアをきて小雨のなか6時間運転したわけですが、一切インナーへの浸水がなかったことをご報告いたします。

優秀!!

キノボリイグチは毒か食か?という話題

さて今回とれたキノボリイグチ、

実はこのキノコ、厳密には「毒キノコ」に分類されるものだったりします。

症状は"嘔吐げ入りなど腸系の症状、それにアレルギーを起こす場合がある。"とのこと(Gakken 日本の毒キノコより)

これは後日友人とやってきてとったキノボリイグチ、とても美しい個体

そうなってくるとでてくる質問は

「じゃあ食べれないのか?」

んで、

私は答えはこう。

「それは食べる人、あなた自身が決めることである。」

私は?

「もちろん食べます。」

理由はシンプル、美味しから。

それに食べすぎなけれれば(私の場合は)当たらないから。

私の毒とのつきあいかた

私の毒との付き合い方を書いておきます。

まず第一に世の中には人体に毒になりえるものは溢れています。

これはあまりに有名な毒草であるトリカブト

例えば八百屋で売ってるホウレンソウにだって"シュウ酸"という有毒成分が含まれています。

コーヒーに含まれるカフェインや、お酒のアルコールも毒の一種でしょう。

普段は気にしないだけで、いろんな食べ物に微量な毒が含まれています。

テングタケの仲間、そこそこ当たりやすい有毒キノコだが味はいいらしい

じゃあそれらの食物は危険なのか?

っていうとそーでもなくて、市販されている食べ物はきちんと責任あるひとがチェックしてパスされたものです。よっぽど非現実的な量を食べない限り、体に支障をきたすことはありません。

強いていうと"薬"に類するものは摂取しすぎると当たる可能性がありますが、それには用法や適量が指定されていて、これもちゃんと守ってる限り害はありません。

つまりは何事も限度があるということ。

パンケーキのようにふわふわ可愛い、オオキノボリイグチ。これは無毒らしい

多少体に有害な成分が含まれていようと、用法用量を守れば毒にはなりえないということですね。

「じゃあ野生動植物の用法用量なんて誰が教えてくれるの?」って話ですが、

こればっかりは責任を持って教えられる人間は存在しないでしょう。残念ながら!

ドクツルタケ。別名"殺しの天使"、1本でヒトが死ぬ。この場合の用法は"食うな"か(wikipedia調べ)

じゃあどうするかっていうと、この情報化社会の昨今、参考になる情報はたくさんあります。

書籍とかインターネットとかとか。情報を仕入れ、見極めて、自身の適量を判断してやるしかないわけですね。

不明キノコ。どれだけ旨そうでも、用法も容量がわからないものには手を出しません

見極めるのはそのひと次第。

十分に情報があるものは判断できるでしょうが、情報がなく適量を見極められないやつもあります。

例えば"食べたことある人が殆どいないキノコ"とか、そういうのは避けるべきってことですね。

怪しい情報に騙されたり、適量を見極められず辛い目にあうのは判断を誤った自分。

辛い目に合わないよう、自身で情報を選別して判断をする必要があります。

サンゴタケの仲間、ボリュームもあり見た目も華やかですが、食べられるのはごくごく数種類のみ

そういった調べ、判断し、チャレンジする。

私はその過程がとても楽しくて気に入ってたりします。

ベニタケの仲間。食べられる種類も多いのですが、毒キノコもおり、見分けづらいので手を出しません

ただ、中にはそれが楽しめず不快でしかない人もいるでしょう

そういう人のために責任者による安全性のチェックをパスしたものこそ、普段からお店に並んでいる食べ物なわけです。

食に関してリスクを一切追わずに美味しいものを食べられる。

そう考えるとお店で食べ物を買える生活ってスゴいですよ!改めて実感しますよホント。

ヒグマアミガサタケ。有毒だが毒抜きすれば食べられる。ヨーロッパではこの仲間の毒抜きされたものが売ってるらしい。これもひとつの責任の形です。

何だか話がごちゃごちゃしまいましたが…

・とって食べるなら用法用量を調べて自己責任で食べる。

・リスクを負いたくなければお店で買って食べる。

ただシンプルにこれだけの話なのではなかろうか。あくまで私の意見です!

キノボリイグチを料理する

さて話を戻して、

また6時間かけ、持ち帰ってきたキノボリイグチがコチラ、

ゴミがいっぱいついて汚い…

しかもヌメリでこびりついてゴミが取れません。

まずは掃除のため、かるく茹でこぼしましょう。

沸騰させたお湯にキノコをどーん!

出汁が出ちゃわないよう、ほんの数十秒で済ませます。

大きいゴミは手で摘んで落としていきます。

掃除が終わったら軽く刻んで、

※ベニハナイグチ、ハナイグチ、も少量づつ混じってます!

たっぷり出汁醤油で、

ジックリ煮詰めますよ~

砂糖もたっぷりとね。

グツグツこってり、

火が通ったら、いちど具を取り出し、残り汁を煮詰めます。

これを合わせたら完成!

キノボリイグチの佃煮。

私の好物♪

さてお味はいかが?

つるん。

ウマ!

キノボリイグチはヌメリ系のキノコの中でも特別風味が強い印象、針葉樹の香りとでも言うのでしょうか。

ほおばると言いようのない香りが広がってたまらない美味しさ。

キノボリイグチを思いっきり食べる

そのまま食べたら無限に日本酒が飲めそうですが、一工夫くらいはしておきましょう。

作るのはお味噌汁

味噌と、

ネギに、

先程のキノボリイグチの佃煮と、タレを少々。

さっと煮て完成。

ほかほかご飯と合わせたら、

キノボリイグチ定食の完成~~~

キノボリイグチの佃煮は濃いめの味付けなので、ご飯と合わせるとたまらない旨さ。

食べすぎないように注意しつついただきます。

売ってるどんなキノコより旨い!(私個人の感想です)

これが責任を背負った味か~~~!(体感1.5倍のうまさ)

お味噌汁も当然うまいですよ。

ちょっと味噌が多すぎて濃いめの味付けになってしまったのですが、ソレに負けないキノボリの旨さ。

ずずず…

ふぁ~これうどん入れて食べたり、雑炊にして食べても最高だろうなあ…。

食べすぎないように残りは冷蔵庫へ、

ごちそうさまでした!

まとめ

バイクで7時間かけていって、とれたのが有毒とも言われるキノボリイグチのみ。というのも笑える話ですが、キノボリイグチは味・食感・食味ともに優秀で私好みのキノコでした。

ちょっぴりリスクを負って食べるわけですが、十分その価値がある味でしょう。きっとそう。

お腹を下す可能性のある成分を含んでいますので、食べすぎにはご注意下さい。

キノボリイグチ(木登り猪口)※注意※

【採取場所】カラマツ林
【採取時期】9~10月
イグチ科ヌメリイグチ属。カサは茶色でササクレが目立つ、湿気を帯びるとササクレがヌメリのあるまだら模様に変化。管腔は鮮度がよいと黄色で次第に黄土色になっていく。若いうちは膜をかぶる。柄は膜の名残であるゼラチン質のツバを持ち、ツバより上が黄色で下は赤と茶色のまだら模様。可食とされてきたが胃腸系の毒症状やアレルギーが報告されているので要注意。

参考にさせていただいた資料:Gakken 日本の毒キノコ、オーイズミ 持ち歩き きのこ見極め図鑑

【おまけ料理レシピ】キノボリイグチの佃煮

※たくさん食べすぎないこと!体調をみつつ自己責任で食べること。

【材料】
キノボリイグチ xたくさん
お醤油 xたっぷり
みりん xたっぷり
かつお&こんぶだし xたっぷり

【作り方】
1.
キノボリイグチは沸騰したお湯でさっと茹でる。
30秒くらいでよいが、毒成分が気になる場合はもうちょい煮て茹でこぼすのもアリ。

2.
ゴミを落としたら大きいものは半分に割る。
小さいものはそのままでOK。
※ここでもう一度茹でこぼしをやると安心ですね

3.
お湯を沸かし、カツオと昆布でだしをとる。だしの素でもOK。

4.
キノボリイグチを加え、沸騰させないようじっくり火を通す。

5.
醤油とみりんを1対1の比率でたっぷり加え、キノコに色が移るまで煮る。

6.
キノボリイグチを取り出し、汁だけを煮詰める。

7.
粗熱をとったら、冷蔵庫で一晩寝かせて完成。