クロラッパタケは不気味だが旨い海外の高級キノコ

キノコクロラッパタケ


とある秋、ちょっと標高が高くて苔むした山でキノコ探し…

今回はクロラッパタケを発見。

クロラッパタケ
クロラッパタケ

見つけたのは同行者のアリサさん、「黒いラッパみたいなキノコを見つけたら教えてね!」と伝えておいたらアッサリ見つけてしまいました。強い。

クロラッパタケ
クロラッパタケ上から

「この辺に生えている」とは聞いていたものの、数年通って一度も見つけることができなかったキノコだったんですけどね、こいつ。

だって真っ黒で、こんなちーっちゃいんですよ!

クロラッパタケの側面
クロラッパタケの側面

こんな黒くてちっちゃいのを同色の落ち葉の絨毯の中から、見つけられるワケないジャアないですかっ!難易度Sランクの間違い探しみたいなもんです。

とはいえコイツは美味しく食べられる海外の高級キノコ。ありがたい!見つかったなら美味しく食べてやりましょうとも。

…というわけで今回は黒くてちょっぴり不気味なクロラッパタケの話をさせてください。

クロラッパタケってどんなキノコ?特徴は?

これがクロラッパタケ、

その名の通り、真っ黒でラッパのような見た目のキノコ。

クロラッパタケ
クロラッパタケ

アンズタケの仲間で、花びらのような漏斗型のキノコ。質感はうす~くてハリがあります。目に見えるヒダはなく、一見キノコには見えませんし、もちろん食べられるようにも見えません。

しかし世界的には(特にフランスでは)有名な食用キノコで高級かつ美味しく食べられるヤツらしい。

クロラッパタケ

一般的には"ブナ科の森で多湿な場所を好む"とのことですが、今回は針葉樹メインの森で見かけました。

ほんのり混じってる広葉樹についてるんでしょうか?(それともごく近い別種?)

いろいろなサイズのクロラッパタケ
いろいろなサイズのクロラッパタケ

ブナ科…つまりドングリ系の樹木が生えている公園は都内にもあるのですが、見かけたことがありません。

よりいっそう多湿なところを好むのか?

それとも黒すぎて見つけられないだけ?

何しろ海外では「クロラッパタケ探しは、小さいブラックホールを探すようなもの」というくらいで、すっごい見つけるのが大変なキノコなのですよね…

クロラッパタケの断面
クロラッパタケの断面

ちなみに別名を“死者のトランペット"と言います。

いかにも毒キノコみたいな名前(食べられるのに)で、

「なんでそんな不吉な名前にしたんだ…?」

って感じですが、Wikipediaさんによると…

「死者が地中でトランペットを吹いている」

みたいなイメージでつけられた名前らしい。 ※フランス語・英語版wikipediaより

つまり…

こういうこと?

死者のトランペット
死者のトランペット(想像図)

なるほど、なんとなく納得感がありますね。君は死者のトランペットだ。

クロラッパタケを料理する

持ち帰ってきたクロラッパタケはこんな感じ、真っ黒くろすけですねえ…本当に美味しいのか?

どうも食感より香り系の食材で、煮込み系の料理によく合うらしい。

とってきたクロラッパタケ

試しに嗅いでみましょう、

クンクン…

クロラッパタケをかぐ

ん~~~~????

わからん。

“乾燥させると香りが出る"という話もありますが、今回は量が少ないので、煮込んで香りをだしてみることにします。

買ってきたササミ肉をカットして、

ササミ

ニンニクの香りを出し、

ニンニクを炒める

ササミと炒める。

(後になって思えば、これが敗因だったのかもしれません。)

トリムネ肉を炒める

これを牛乳で煮て~

トリムネ肉を煮る

ここでクロラッパタケが登場、

クロラッパタケを料理する

ちぎりつつ全量入れて、10分ほど弱火でコトコト煮ます。

クロラッパタケを料理する

コトコトコトコト…

色が出て真っ黒になるかと思いきや、そんなに変わらんですね。牛乳くんの勝利だ。

クロラッパタケの料理

仕上げにチーズを加えてオーブンで焼いたら完成。

クロラッパタケのグラタン。

クロラッパタケの料理

さっそくいただいてみましょう!

クロラッパタケの味は?

しっかり煮込んだので、ちょっぴり黒い色が出たかも?誤差?

イカスミみたいにはいきませんね、

クロラッパタケの料理

ま、食べてみましょうか。

まずはクロラッパタケそのものを。いただきます!

クロラッパタケの料理

もぐもぐ…

フムフム…

味や香りは…うーん!

正直グラタンの味に負けています。

旨味になっているような気はするんですが、「圧倒的に違う香り!!」みたいなのはありません。ちょっと残念。

クロラッパタケの料理

食感はぼちぼち、乾燥キクラゲみたいな感じだけど柔らかい。たっぷり煮たのに崩れてないのがエラいですね。

具としても存在感があって「ワタシ、クロラッパ!入ってます!!」って主張するのは料理としてメリハリがあっていいかも。色合い要員。

クロラッパタケの料理

とはいえソースそのものはちゃんと美味しくて、バゲットとよく合います。味は優勝。

次は香りを感じるために干してみようかな?見つかるかどうかが課題ですが…っ!

ごちそうさまでした。

まとめ

ヒジョーに見つけづらい高級キノコなクロラッパタケを(同行者が)見つけて食べてみました。香りが良いと聞いていたものの、それほどでもなくって、"ふつうにダシが美味しいキノコ"という印象。

日本のwikipediaには「香りが弱い」と書いてたり、「モミ系の森に生えていたり」で、もしかすると微妙に違う種だったりするのでしょうか?今後の研究に期待。

※野生のキノコを食べる際は自己責任でお願いします。よく観察し十分に鑑定する事を心がけて下さい。

クロラッパタケ

【採取場所】湿度の高いブナ科の林(一般的には)
【採取時期】初秋(9~10月ごろ)
(アンズタケ科?カノシタ科?情報源によりブレあり)クロラッパタケ属。世界的に分布するキノコで、ヨーロッパでは煮込み料理やスープ料理に使われる。特徴は、黒くて極めて薄い漏斗型、表面が凸凹でザラつく、ヒダはなく平らで灰色、若いうちはカサが内側に巻く。食菌。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia、栃木のきのこ新図鑑

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【おまけ料理レシピ】クロラッパタケのグラタン ※改善版

【材料】
クロラッパタケ
牛乳
玉ねぎ
トリムネ
バター
小麦粉

ピザ用チーズ
バゲット

【作り方】
1.
クロラッパタケはゴミをはたいておとしておく。
乾燥のを使う場合、事前に水で戻しておく。(この水も料理に入れよう)

2.
クロラッパタケをバターでじっくり炒める。

3.
玉ねぎとトリムネを薄くスライスし、
小麦粉をかるくふって、2に加えて中火~弱火で炒める。

4.
牛乳を加え、塩で味を整える。
沸騰しないくらいまで加熱。戻し水はここでいれる。

5.
耐熱皿に3をうつし、うえにピザ用チーズをふりかけ、
オーブンで180度15~20分ほど焼いたら完成。
バゲットにつけて食べるとうまい。