ムラサキヤマドリは毒々しいが美味しい
毒キノコに見えるキノコ大賞があるとしたら優勝は、
ムラサキヤマドリタケなのではなかろうか?
カサはブドウみたいな紫色、ツカは網目がくっきり。
どう見ても毒キノコ!
マリオに出てくるアイツ。
なんですけど、意外なことに食べられるキノコだったりします。しかもかなり美味しい。
今回はそんな毒々しいけどイケるキノコの話をさせてください。
ムラサキヤマドリタケを見つけた
夏、連日と雨がたっぷり降っていた週の週末。キノコでも探そうかなーって郊外にきました。
ドングリ系の樹木を目印に、草木をかきわけて林床を探すと、いろいろなキノコがいました。
さっそく発見、テングタケの仲間のなんか。かわいい!
ちょっと伸びててもかわいい!
ツルタケ的なサムシング、ぴょこぴょこでてきていました。
カエンタケ。朽ちたドングリ系の樹木が生えてる場所でよく見かけます。最近、昭和に植えたナラが枯れてる影響で多発中。
おっ!これはマイクタケじゃないですか。青々しくて可愛いですね。
ヤマドリタケモドキ。これは見たかったキノコのひとつ、食用でおいしいやつ。
時期があっていたのか、沢山発生していました。
こっちはコガネヤマドリ。これは食毒不明だけど、まあまあ美味しいという噂も。
特にヤマドリタケ系のキノコが大発生していてですね、
いままであんまり見なかったキノコがおりました、それがムラサキヤマドリ。
せっかくなので特徴とかの話をしておきましょう。
ムラサキヤマドリタケの特徴・見分け方
文字通り、ヤマドリタケ(ポルチーニ)に近い仲間の紫色のキノコ。
見た目はどう見ても毒キノコなのですが、優秀な食菌でけっこう美味しいやつ。
特徴は、
・カサは黄色~茶色~紫色(個体差がでかい)、まだら模様になることもある
・カサの裏は管腔で黄色~クリーム色
・カサに凸凹がある
・ツカは紫色から黄色のグラデーションで、明瞭な網目模様がある
・ツカは中実で、中身は白、変色しない
・根本は白い
みたいな感じ。
発生のタイミングとしては、ブナ科の樹木で夏とのこと。
うら。
断面。
このキノコを見分けるうえでめんどうポイントがひとつありまして、それはカサの見た目の個体差が大きいこと。
幼菌は一様に紫なんですけど、成長で色が落ちるのか?黄色~紫の個体をチラホラ見かけます。
中にはまだら模様のがいたりも…!
慣れてくると雰囲気で「こいつはムラサキヤマドリだな」ってわかってくるのですが、若干とっつきづらい。
カサがわかりづらいため、見るべきポイントはツカ。明瞭な網目があって紫色だと、こいつの可能性が高い。
似た毒キノコとしては「ミカワクロアミアシイグチ(猛毒)」ってのがいます。網目のあるツカとか暗色系の色は似ているのですが、ミカワクロアミアシイグチはツカとカサが黒っぽい感じで、変色性があるのが違い(白→茶色)。
野生キノコを間違えて食べると、最悪死んでしまうことがあるのでどうぞ気をつけて!
ムラサキヤマドリタケを食べてみる
そんなムラサキヤマドリのきれいなものを採取して持ち帰ってきました。
主にとれたのはヤマドリタケモドキとコガネヤマドリ。
それと、ムラサキヤマドリタケ、
ムラサキヤマドリタケは今日食べようと思うんですけど、ほかは食べきれませんし、いたむのが早いので、乾燥機にかけて保存食にします。
ぶいーん!っと乾燥機にかけますよ。
70度設定で朝までかけるとカラッカラになる予定、
ムラサキヤマドリの料理は
ガーリックソテーと、
だいこんおろしあえでいってみようかな。図鑑でオススメされていましたし。
ヌルヌル系キノコではよくやるんですが、シャキシャキ系っぽいムラサキヤマドリタケと合うのかどうか?
そもそも、紫色でアレな見た目のヤマドリタケは美味しいのかどうか?
ムラキヤマドリタケの味は?
まずはさっぱり系の大根おろしあえから、
茹でたムラサキヤマドリタケ+大根おろし+めんつゆ というシンプルな味付け。
断面が真っ白でぷるぷるしてるの、なんかイカみたいですね…
いただきます!
シャキシャキ…
ん!おいしい。
カサのぶぶんはぷるぷる、
茎はアスパラみたいにシャキシャキ。
味わいはクセなく上品。良いきのこだ…
続いてガーリックソテー、
もぐもぐ。ぷるぷる。
ん、うまい。
油で炒めるとポルチーニ系の甘い香りが表にでてくるような?
ヤマドリタケモドキの仲間らしく洋風の料理のほうが相性良い気がしますね。めっちゃアリ。探してでも食べたくなるキノコだ。
とはいえ、パスタのソースとかにするほどではなく香りは穏やか。こうやって丸ごと食べるのに向いてるのかも。
干したらどうなるのかな?ヤマドリタケモドキと一緒に干してみたので、それはそれでこんどやってましょう。
ごちそうさまでした!
まとめ
夏の東京の山野でキノコ探しをしたところ、ムラサキヤマドリを発見。毒々しい見た目で不安になるやつ。でも食べられるキノコということで、食べてみました。
お味は上品で美味。また探してでも食べたいと思える味。和食でも洋食でもいけるのがすばらしい。
※野生のキノコを食べる際は自己責任でお願いします。よく観察し十分に鑑定する事を心がけて下さい。
ムラサキヤマドリタケ(紫山鳥茸)
【採取場所】ブナ科樹木の生えた山林
【採取時期】夏~秋
イグチ科ヤマドリタケ属。カサの裏がヒダではなく管腔タイプであるイグチ系のキノコ、いわゆるポルチーニ茸の仲間。黄色~茶色~紫色のカサに、網目模様をもち紫色のツカ。とてもとても毒々しいが、美味しく食べられる。夏の暑い時期に発生するらしい。
参考にさせていただいた資料:Wikipedia、きのこらぼ(ホクト株式会社)
宣伝コーナー
【おまけ料理レシピ】ムラサキヤマドリタケのおろしあえ
【材料】
ダイコン
ムラサキヤマドリタケ
めんつゆ
【作り方】
1.
ダイコンはおろしきかフードプロセッサーで削って、水気をしぼっておいておく。
しばらくおいとくと辛味がとぶ。
2.
ムラサキヤマドリタケは石づきを落として、半分に割って、熱湯でさっとゆでる。1~3分ほど。
茹でたら冷水でさまして、水気をきる。
3.
ムラサキヤマドリタケに大根おろしを盛り、めんつゆをたっぷりかける。
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