アオダイショウとおっかなびっくり初めての蛇活

2022年3月29日アオダイショウ,季節【夏】


野山を歩いていて蛇を見かけると、どうしてこうドキ!っとしてしまうのでしょうか。

特異な体型をしてるからでしょうか、
いや、毒をもつ種類がいるから怖いのかもしれない。

そんなドキドキさせられる蛇ですが、以外と簡単に食べることができ、美味しいのです。

今回はそんな蛇の代表選手アオダイショウを紹介させてください。

アオダイショウを見つけた

初夏の梅雨の合間のころ、晴れた日をねらってキノコ狩りに興じていたあるひ。

場所は都内のちょっとした小山みたいなポイント。

山歩きしつつ、

タマゴダケゲットだぜ!

なんてキョロキョロ散策しつつ歩いていたところ、

足元の落ち葉がガサッ、

見ると、にょろにょろ地を這う細長い生き物、

ギャッ、ヘビ!!

緑みを帯びたマットな色合い、これはアオダイショウ!

毒のないやつ!(大切)

ぜひいちど食べてみたかった獲物、
バッと即座に追いかけます。

蛇は思いのほか素早く、にょろにょろ~っと、木の根元のうろ穴に逃げ込まれてしまいました。

奥でとぐろを巻いてこっちを見てる

これは無理かなあ、手を突っ込んだら噛まれそうだし…

などと思っていたら、手元には登山用ストック。
転ばぬ先の杖というか、噛まれぬ前の杖というか、持っててラッキー。

蛇は穴にいることが多いそうなので棒は必需品かも

運がなかったねごめんね蛇よ…などと思いつつ棒で追い出して、

出てきたところを逃げられないようふんづけて。

じゃーん、

アオダイショウゲットだぜ!!

アオダイショウとは

アオダイショウは代表的な毒のない蛇です。

緑と茶色な独特なまだらのカラーリングで、大きいものは長さ二メートルほどにもなるんだそう。

ネズミを主食とするため、山奥というより民家の軒下や民家の裏山なんかに住んでることが多い、わりと身近な蛇。

普段は樹上や穴ぐらに潜んでおり、あまりひとめにつくような場所は好みませんが、時おりエサを探すためか地表に出てくるようです。

アオダイショウは毒がないものの、危険を感じるとスカンクてきにクサい匂いをだすのがやっかいなところ。

ウンやガスっぽい匂いというより発酵臭のような香りでけっこうヘビー。今回もばっちり喰らいました、しばらく手が臭いのなんの。

しかし飼育して慣らしていくとこの匂いをださなくなるそうで、そうなると可愛いもん。扱いやすく初心者にオススメの蛇という側面もあるんだとか。

連れ帰ったアオダイショウは百均の蓋付きケースで飼育。これでじゅうぶん

アオダイショウの下ごしらえ

蛇はなんとなくサバイバルでよく食べてるイメージですが、

ベトナムや中国の広東料理では割とポピュラーな食材、伝統的に汁物や揚げ物にして食べるんだそう。

美味しくいただくために、まずは頭を落として血抜き。
逆さ吊りにし、ぽたぽたと血を落とします。

蛇の生き血は健康にどうのといいますが、私はノーセンキュー。

血抜きをすませたものがこちら。

頭がないとホースにしか見えません、
この上なく食欲のわかないビジュアル。

次に皮をむきます。

蛇の皮むきは簡単、落とした頭のぶぶんから力任せに皮をひっぱればヘビメタ感あふれるヘビ革がツルンとむけちゃう。

靴下を脱がすようにむきむき。
1分もかからず脱衣完了。早着替えタイプのアニマルですね。

次に内蔵をとります。
これもかんたん、お腹に詰まった内蔵をつかんで引っ張ればはずれます。

しっかりしてるのでちぎれる心配もありません。

これで下ごしらえ完了。
あっというまに終わってしまいました。

でてきた身はなんといいますか、ピンクのホース。
ミミズのようにも見え、ヘビーな食材の印象がぬぐえません。

さて…本当に美味しいんでしょうか。

アオダイショウを料理する

さて、実際に食べてみましょう。

まずは中国の伝統料理に習ってスープをやってみました。

蛇の肉に生姜を加えてじっくり煮出し、
そこに、近くで採種したヤブカンゾウと三つ葉をそえてみました。

ヤブカンゾウいり薬膳蛇スープ

見た目と香りはとても美味しそう。

それではいただきます!

ずずず…

ん、いい出汁がでている。

美味しい!

丸みのある出汁といいますか、穏やかでコクのあるかんじ。蛇は精力増強の食材と聞きますがホント滋養のある感じの味わいです。

お次はメイン料理。アメリカのワイルドな番組なんかでは、焼いて食べているイメージがあるのでワイルドに串焼きでいってみます。

友人がアオダイショウの肉は臭いといっていたので、塩とニンニクをすりこんで、オーブンで焼いてみました。

コンガリと焼けたところをガブリ。

フムフム…

当然といえばそうですが、背骨がけっこう硬い。
肋骨は口に触るものの噛み切れるのですが、背骨はムリ。

仕方ないので、歯で肉をそぎ取ってもっきゅもっきゅ。

味は…旨味が強い。

ジャーキーっぽい食感なのですが、味は鶏肉と魚の干物の中間っぽい。ニンニクのおかげか、臭みは感じません。

お酒のアテに適した味わいでけっこう好み♪

結論、蛇は美味しい!

ごちそうさまでした。

まとめ

アオダイショウは美味しい蛇でした。

調理前はホースのような見た目でヘビーなやつでしたが、食べてみると下ごしらえが簡単でなおかつ旨味が強くて想像以上にうまい、意外なほどにライトな食材でした。

美味しく食べてしまったせいで、蛇を見かけたときのキモチが、

「ギャッ!」

から、

「おっ、蛇じゃん食べよう♪」

に変わってしまいました。
今後は蛇と仲良くやっていけそうです。

別の日に捕獲した子は飼育中。給餌がとてもワイルドでよい

アオダイショウ(青大将)

【採取場所】山裾、河原、田んぼなどなど
【採取時期】冬以外
ナミヘビ科、北海道から九州まで広く分布する蛇で日本固有種かつ本土最大のヘビ。平地から山野までの広い範囲に住む。お腹に側稜(キール)があり、ひっかけて木に登る。コンクリなど垂直な壁も登ることができる。肉食でカエルや鳥の卵、大きくなってくるとネズミなどの哺乳類も捉えて食べる。梅雨の時期によく活動をする。

【おまけ料理レシピ】アオダイショウの中華蛇スープ(烩蛇羮ふう)

【材料】
アオダイショウ(成体) x半分
水 x1リットルほど
塩 x少々
生姜 x少々
三つ葉 x少々
ラード x少々

・以下お好みで
鳥胸肉
ネギ
ニラ
春雨

【作り方】
1.
アオダイショウは頭を落とし逆さ吊りにし血抜きしたのち、皮をむき、内臓を除く。
可能であれば手でしごいて骨と身を分けておく。

2.
アオダイショウは細ぎりにしておく。
生姜や他の食材も細ぎりにする。

3.
アオダイショウの肉と骨と共に鍋にあけ、ラードで軽く炒める。
※鶏胸肉を加えるならこのタイミング

4.
軽く火が通ったら水を加え茹でる。
沸騰させないようにじっくり30分~1時間ほど。

5.
味見をして旨味が十分でていれば、塩で味を整え、三つ葉を浮かべたら完成。
※ニラ・ネギ・春雨などを加えるならこのタイミング