マガモをとって食べた日

2023年5月11日マガモ,季節【冬】


狩猟をはじめた私ですが、初期からの目標がありました。

それは…

マガモの味を自分で確かめること。

マガモ

マガモというのは、カモの代名詞とも言える存在で、カモ料理はだいたいこいつで作るのがベーシックなレシピ。家畜化したカモであるアヒルの祖先でもあります。

カモ・オブザ・カモ。

つまりはネギと一緒にやってきてほしいやつ。

そんなマガモをようやくとって食べる事のできた話です。

マガモをとった日

年の暮れ迫る12月末ごろ。

バイクを2,3時間ほど走らせ、とある農地にやってきました。

イメージ画像。こんな畑地帯です(photockより)

この農地の中にちょっとした林がありまして、

その中野小さな野池が目的地。

イメージ画像。野池(写真ACより)

そこで狙うはマガモ。

ここの近くの他の水辺(禁猟区)には沢山マガモがいて、こっちの池にも飛んでくることがあるんじゃない?とか考えてます。

マガモ(いらすとやより)

とはいえ、去年から何度かチェックしにきてはいるのですが、いなくてですね…

「まぁ、いないでしょうけど、一応ね。」

と、近づいてみると

いたわ。

マガモ(写真ACより)
イメージ画像。マガモのつがい(写真ACより)

マガモのペアが池の対岸に並んで佇んでいます。

マガモもヒトがくることを想定してなかったのか、こっちを見つめたままフリーズ、

私にも驚きと喜びの感情が駆け抜けましたが、落ち着いてやることをやります。

スッ…としゃがんで、膝打ちの構え。

エアライフルのスコープをオスに向け、胴体のど真ん中に照準を合わせたら…パン

ビシ!!

「あたった!?」

ヒットと同時に腹ばいに這いずり、背後の茂みに消えるオス。

ズリズリズリズリ!!

(えぇ!?カモってそんなみたいな動きできたの!?)

それと同時に飛び去るメス

バサバサバサバサバサ!!!

(メス薄情なし!?)

そして再びやってくる静寂。

シーン…

「や、やったか…?」

オスの消えた茂みからは音が聞こえなくて、再び飛び立った感じはしません。茂みの奥で力尽きたか?そのまま蛇みたいに遠くに逃げたか?

うーむ、すぐにでも確認しにいきたいのですが…

問題は…

池の対岸にどうやっていこう?

ルート① 池の周りのヤブをかき分けて行く
ルート② 池の沼地の水が無いところを歩いていく

①のメリットは汚れないこと、しかし険しい笹薮になっており苦労しそうな感じ…
②のメリットは最短ルートであること。でも失敗したら沼に足を取られて抜け出せなくなりそう

最初はにチャレンジしました。

…しかし、左右どちらもヤブが険しくて断念、

結局ルートに挑戦、

ドキドキしつつ、1歩ずつ踏み出します。

だいぶ足をとられそうですが、何とか突破できそう。

池伝いに歩いてって、マガモが消えたヤブを探すと…いました!

動く様子はありません。

わあ~めちゃめちゃ綺麗ですよこの鳥。

頭は羽毛のグリーンとくちばしのイエローのコントラストが美しい。保護色の茶色の入り具合も絶妙ながら、羽の鏡羽のブルーがキラリ。すっごい、どうやったこんな色になるんだろう?

手に持つと…トクン!トクン!と手に伝わる心臓の鼓動。

ああっ、まだちょっと生きてますね。すまんね、美味しく食べてやるから許してくれよ(首ポキーッ!

というわけで、初めてのマガモをゲット!!

やったぜ。

マガモを解体する

さっそく持ち帰ったマガモをいただきますよ。

まず羽をむしるのですが、今回は湯剥きという手法でむいてみます。

60度くらいのお湯で皮膚を温めながら剥いていく手法、

そのままむくのに比べて、スルりと羽毛がむけていくのです。

これをバーナーで炙って、産毛を燃やします。

さっそく美味しそうな香りが…!

続いて解体。

最近覚えた手法なのですが、ハラを出さずに解体していく手法でやってみましょう。

まずは胸の中央から刃を入れ、ムネ肉を取り出しまして、

続いて、足に沿って刃を入れ、モモ肉を摘出。

こうすると最後に残るのは骨とモツだけ…という手法、かんたん!

最後にモツ。

左から、肝臓、心臓、砂肝。

食べられるところはだいたいこんなモンでしょうかね、残った骨は今度スープにでもしましょう。

マガモの足はフライパンへ

まずは足をシンプルに焼いてみます。

包丁で開いて骨を露出させたら、コショウを振ったら…

バターニンニクを共にフライパンでじょわ~~~

裏返してジュー!っと

ときどき油をスプーンですくって肉にかけてあげたりします。

この水鳥の足がなんとも良いですね、ワイルドでウマそう!

おまけでモツも焼いちゃおう。

じゅわ~~

ほい、完成、

マガモの足のロースト。

おぉ~

包丁で切れるくらいに柔らか~

火の通りはバッチリ。

いただきます!

もぐもぐ…

あぁ~~~ウマ!

やわらかくてジューシーな食感もすばらしいのですが、皮目の脂がすっっっっっごくうまい。

カモの野性味と言いますか、野鳥の味がぎゅっ!と詰まって、まさにカモでしか味わえない風味。

狩猟やっててよかった~~~!

そういえば一緒に焼いたモツ、

これがまた皮目の脂をすいまくって最高でした。

マガモの胸肉はオーブンに

さて、続いて胸肉。

さっきのフライパンで表面を焼いたのち、オーブンへ。

120度に設定して、30分ほどい焼いてみました。

仕上がりをチェック…ってあれ?

かなり乾燥してますね。

ちょっと温度が高かったカモ?

鍋のバターに戻し、軽く醤油をたして味を整えます。

カットしてみると…

やはり火が通り過ぎてますが…まぁ大丈夫でしょう!

盛り付けてみましたよ!

マガモのオーブン焼き。

こちらも皮下脂肪が溶け出してすっごく良い香りがします。

さっそくいただいてみましょう!

もぐもぐ…

口に含んだ瞬間、いっぱいに広がるカモの野性味。

うまい…

マガモというのは脂を食べるものだと聞いてましたが、まさにそんな感じ。

食感は焼きすぎて歯ごたえしっかりですが、それはそれで味わいをじっくり噛み締められて、良いのではないでしょうか。

もぐもぐもぐ…

うん、

赤ワイン飲みたい!

とまぁ、モチロン用意していたわけですが、

カップはまあ日本酒ですが、

ワイングラスはすぐ割っちゃうのでね、しょうがないのですよね。

ぐびり。

ンー!最高。

濃厚なカモ肉とワインの組み合わせ、メチャメチャ良いな~

ごちそうさまでした。

まとめ

たまたま偶然とれたおかげで、ようやく目標であるマガモの味を確認する事に成功。

マガモは聞くに違わず美味な鳥でした。ぜひ毎年食べたいところなのですが関東では殆ど見かけません。やはり美味しいから?警戒心が高くないと生き残れないのカモ?美味しいというのも考えものですネ。

YouTubeの宣伝

YouTubeでカモをとって食べる話をやってます!こちらもよしなに。

マガモ(真鴨)

【採取場所】池、沼、河川
【採取時期】猟期(11/15~2/15)
カモ科マガモ属。典型的な渡り鳥で、暖かい時期はロシアあたりで繁殖活動をし、寒くなると日本に渡って越冬する。美しいグリーンの頭部が特徴的。だがこれは冬季の婚姻色であり、ロシアで過ごしてる間は地味な保護色。植物食が中心の雑食で、穀物・木の実・水草などを捕食する。

【注意】
本種は鳥獣保護法により保護されております。とるには狩猟法にしたがう必要がありますのでご注意ください。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia、狩猟読本

宣伝コーナー

これから始める人のためのエアライフル猟の教科書。私もこの本で勉強しました。


日本のカモ識別図鑑。間違えて違うカモ撃つこと無いようきをつけて!

鴨肉 ムネ肉。鴨肉はいいぞ。

【おまけ料理レシピ】マガモの足のロースト

【材料】
マガモの足 x2本 ※アイガモでもOK、ニワトリでも美味しいよ!
コショウ x適量
バター x大さじ2
ニンニク x大さじ1
醤油 x大さじ1 ※なくてもOK
バルサミコ酢 x少々 ※なくてもOK

【作り方】
1.
足は骨に沿って包丁を入れ、骨を露出させておく。

2.
両面にコショウをさっとふっておく。

3.
フライパンにバターを落とし、ニンニクを軽く焦げ目がつくまで熱する。

4.
マガモの足をバターで焼く。皮の面から。
時々バターをスプーンですくってかける。

5.
焦げ目がついたらひっくり返す。

6.
両面しっかり火が入ったら完成、
塩をかけるか、好みで醤油をフライパンに落としてバター醤油ソースをつける。レモン汁かバルサミコ酢とかをちびっと入れても美味。