ヤブツルアズキで野生のアズキ餡子を作ってみた、美味だった
せんでん!
1月にとって食べるイベントやります!!
ヤブツルアズキと呼ばれる野生のアズキがいて、それでアンコを作れるらしい。
「野生のマメなんかで美味しくできるのか?」
「石みたいに硬いマメを柔らかくできるの?」
…と半信半疑でやってみたんですけど、これがかなり美味しかったんです。今回はそんなヤブツルアズキの話。
ヤブツルアズキってどんな植物?
ヤブツルアズキというのは、その名の通りヤブに生えるアズキ(小豆)の仲間。
アズキと名前につくとおり、食べられるマメをつる植物。
アズキの原種だとも言われていて、アズキに似た味がしますし、見た目はそのまんまアズキを小さくしたかんじ。つまりはスーパー小豆(アズキ)
東京でも河川敷に生えている普通種で、よく大型のイネ科植物にからみついていたりします。
葉っぱはマメ科らしく三枚ワンセット、やや楕円形で先端が尖っているのがポイント。夏の終わり頃に黄色く目立つ花を咲かせるので、それを目当てに見つけるのも有効。
花が終わると、細長いサヤをつけます。
秋が深まる頃に向け、段々と熟し、黒くなっていきます。完全に黒くなったら頃合い、
これが乾燥するとパキッと!はじけて、マメが飛び散ります。そうやって種子散布をするタイプの植物。
んで、ハジけたマメは美味しくいただけるらしい。
むかしから食べられていたらしくて、縄文時代の遺跡から豆の痕が見つかっていたりもするとのこと。つまり美味いやつなわけです。ありがたいですね、それは食べてみなくては。
ヤブツルアズキをとって食べる
まずは熟したヤブツルアズキを採取するところから。たくさん生えているヤブにガサガサ入ってぶちぶちと採取します。
コツはビニール袋につっこんでからむしること!
下手に触ると、刺激で爆ぜて飛び散っちゃうんです。まぁ、飛び散ったのは来年生える分ってことで、全然オッケーなんですけども。
小一時間ほど二人で妖怪アズキ集めをしたものがこんなカンジ。
とったあと、一ヶ月ほど乾燥させます。湿気を帯びてる傷んじゃいますからね。
その日の夜、
丑三つ時の深夜
室内で、
「パチッ…!パチッ…!」
って音がするんですよ。
ラップ音!?
「妖怪アズキ洗いめ、ヤブツルアズキにつられて現れたか!?」
…と思ったんですが、
乾燥してビニール袋の中で次々とハジけるヤブツルアズキの音でした。
はい。秋の怪現象にはみなさまご注意下さいますよう、よろしくお願いしますかしこ。
さて、しっかり乾燥させても、はじけないやつとか、サヤに実が残るやつがいます。それゆえ最後は手でひとつひとつ外していきます。
そうしてとれたヤブツルアズキの実がこんな感じ、
ちーーーーっちゃいんですけど、きちんとアズキ豆っぽい。
ただ石のように固くて、本当に食べられるのでしょうかこれ?
ヤブツルアズキの下ごしらえ
豆らしくなったとはいえ、まだまだゴミが残っているので、ゴミ掃除。
ザルでこして簡単にゴミをとったら、
こっから先は水を使うことにしました。どうせこのあと煮ますし。
たっぷり水を入れて、浮いてきたゴミや外れマメをすくいとります。
そんな感じで、ジャブジャブと妖怪ヤブツルアズキ洗いをやっていると…
大体きれいになりましたね、
ちなみに洗ったヤブツルアズキの量がどれくらいかというと
ザルの重量を抜き忘れまして、まずはザルの重さが172グラム、
ヤブツルアズキはザルこみ337グラムなので、軽く水を含んで165グラムくらい?
150gくらいのヤブツルアズキを調理していく計算でしょうか。はたしてどれくらいの餡ができるのか!?
ヤブツルアズキのアク抜き
ヤブツルアズキの調理は一般的なアズキのやりかたを参考にすすめてみます。
次はアク抜きのステップ。「渋きり」と呼ばれる工程。
ヤブツルアズキを一度沸騰させ、1時間ほど放置、
水がなんか茶色だか紫色に色づきました。
この水は捨てちゃいます。
これで雑味が抜けるらしい。野生種なのでこの辺は丁寧にやっとかないと。
そうしたものがコチラ、
少し膨れた…かな?
ヤブツルアズキを料理する
こっから先は炊飯器にバトンタッチ!
鍋でもできるらしいんですが、ミスって焦がしたら嫌なので…
炊飯ボタンをポチッ!とな、
一度だとダメらしいので、何度かかけます。
ピーッ♪ピーッ♪と音がなったところで一回目が完了、
炊飯器をあけてみると…
お汁粉の香りがする!!
石のように硬かったマメがぷっくらと膨れまています。
とはいえ、スプーンでかき回すとカラカラ音がして、まだ固いのがいる様子。
全て柔らかくするべく、何度か炊飯ボタンをポチッとしていきます。
炊飯を三回。
9割がたは柔らかくなってきたような?
ここで砂糖を投入。
そうしたら、一晩、保温で放置。
翌日。
お玉でかき混ぜてもカラカラとした音がなくなりました。
香りはカンペキなお汁粉。いい感じなのではなかろうか?
豆を汁から上げて図ってみると、477グラム。
150グラムのヤブツルアズキ豆から、約500グラムほどのヤブツル餡子ができる計算。増えてうれしい!
はたして味は…?
試しにかじってみます。
もぐ…
おっ!!!
アズキだ。
アンコの味。これは勝ったやつなのでは!?
ヤブツルアズキのヤブツル餡子を食べてみる
汁を煮詰め、軽くマッシャーで潰してみました。
こうなると、粒がちっちゃいだけで見た目は完全にアンコ、
ヤブツル餡子、完成です。
せっかくなので、「ヤブツルアズキを食べたい」という縄文に詳しい友人を誘って味見会。
さっそくいただきます。
つぶつぶぷちぷち…
うまい。
濃厚な小豆の味。渋きりのおかげか雑味もなく、上品でとても美味しい。
ヤブツルアズキはふつーにアズキとして使えます!(とるの大変ですけど)
強いていうと、ごくまれに硬いままのやつがいて、ジャリ!!ってなるくらいでしょうか。
おまけで友人が買ってきた雪見的な大福に乗せてみちゃったりして。
ヤブツル雪見だいふく。
濃厚な餡子がだいふくとよく合う!小粒なのもいい。
手間を差し引いても、じゅうぶんに価値のある美味しさ。
ヤブツルアズキはちゃんとうまい!
ごちそうさまでした。
まとめ
余談ですが、
ヤブツルアズキのハジけパワーはすごくって、かなり散らばるんですよね。
ときどき「いてっ!なんか踏んだ!!」って床を見ると…
そこにはヤブツルアズキの姿が…!
「おのれ妖怪!!!」
というわけで、ヤブツルアズキをとって食べてみたらすごく美味しかったのです。皆さまもどうぞお試しあれ。
ヤブツルアズキ(藪蔓小豆)
【採取場所】草むら、山すそ
【採取時期】10月~11月
マメ科ササゲ属。ツル性の一年草で郊外の草むらなどに自生している。夏の終わりに黄色い花をつけ、秋にマメをつける。マメは小さいが食用になり、日本ではむかし本種を栽培・食用にしていた。縄文時代の遺跡から豆の跡が確認されている。
参考にさせていただいた資料:Wikipedia、北本市HP、クックパッド(炊飯器を使うアズキの加熱方法)
スペシャルサンクス:縄文に詳しい友人T
宣伝コーナー
【おまけ料理レシピ】ヤブツル餡子
【材料】
ヤブツルアズキ
砂糖
塩 ※お好みで
水
【作り方】
1.
ヤブツルアズキを頑張ってとる。
100グラムとれたら十分食べられるのでがんばろう!
2.
とってきたヤブツルアズキはザルで細かいゴミをこし、
水で洗って、きれいにする。
3.
ヤブツルアズキをたっぷりの水で沸かす。
沸騰したら火を止め、1時間おく。
4.
水をすて、軽く洗う。
炊飯器に入れ、水をひたひたちょい入れ炊飯する。
5.
2~3回繰り返し(水が足りなそうなら、ひたひたちょいまで足す)
お玉でかきまぜてカラカラ言わなくなるまでやる。
6.
砂糖を加え、保温で一晩放置。
7.
水と豆を分けて、水分を焦げないよう慎重に煮詰めておく。
ポテトマッシャーで好みの具合につぶし、水をもどして、軽く寝かせたら完成。
好みで塩をほんのひとつまみ加えると味が締まる。
ディスカッション
コメント一覧
読み終わったのでどんどん 次の記事を出してくださいそれではよろしくお願いします
ありがとうございます
がんばります…!
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